ラクス の歴史

更新: Author:

創業 2000年
創業者 中村崇則
創業地 大阪市都島区
創業
2000年11月、中村崇則氏が大阪市都島区都島南通に株式会社アイティーブーストを設立した。創業地に大阪を選んだのは、技術者の採用で競う相手が東京より少なかったためである。2001年4月に未経験者を育てるITエンジニアスクールを開設し、同じ月、問い合わせメールを共有する『メールディーラー』の販売を始めた。SaaSという語が国内に定着する前に、月額課金で使わせる仕組みを置いたことになる。翌2002年5月には自社で育てた技術者を客先へ常駐させるIT人材事業を始め、創業から1年半でクラウドと人材の二つを並走させる構えが固まった。2010年1月、商号を株式会社ラクスへ改めている。
決断
並走させた二つの事業を、法人ごと分けて採算を見比べてきた。2011年4月に米国へ置いた子会社は、SNSマーケティングのサービスへ絞ったのち、2015年1月に米国子会社Rignite Inc.の全株式を譲渡した。国内のクラウドへ資源を戻し、2014年5月にはホーチミンへ開発子会社を設立している。2018年3月に設立したラクスパートナーズへ同年7月にIT人材事業を承継し、SaaSとSESを別々の決算で読める状態にした。2021年5月には減益を織り込んだ投資先行の運営へ転換し、2022年3月期は売上を34.1%伸ばしながら営業利益を59.5%減らしている。採算を並べて見せる仕組みと、当面の利益を落として顧客を獲得する方針が、同じ時期に重なった。
現況
売上の86%、利益の92%をクラウド事業が生んでいる。2026年3月期の売上高602億円のうち、クラウド事業が517億円でセグメント利益160億円、IT人材事業が85億円で同13億円である。楽楽精算を中心とする月額課金の積み上がりで営業利益は173億円となり、5年前の15億円から11倍になった。2026年4月1日にはラクスパートナーズの全株式を譲渡することを決め、特別利益167億円を見込んでいる。2018年に法人を分けて可視化した採算の差が、そのまま残す事業と手放す事業の選別を決めた。
競合
会計ソフトそのものは作らず、その周りの業務だけを売っている。楽楽精算は経費精算、楽楽明細は帳票の発行、楽楽勤怠は勤怠管理で、いずれも顧客が使っている会計ソフトを入れ替えずに1本ずつ導入できる。クラウド会計へ参入したマネーフォワードのように帳簿の側から周辺へ広げる同業とは、顧客の入り口が逆になる。半面、基幹の帳簿を保有しないため、会計ソフト側が周辺機能を安く付ければ単価を侵食される位置にある。2023年7月にHOYAから人事系のラクスHRテックを取得し、2024年4月に吸収合併したことで、同じ顧客へ売れる業務は経費精算・帳票・勤怠・人事の4つに増えた。
ラクス:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2015年3月期2026年3月期

創業ストーリー ITブースト創業からラクス改称まで ── 大阪発SaaS、インターネット普及初期の二本柱 (2000年〜)

NTT出身者が大阪で立ち上げたクラウドとIT人材の同時並走

2000年11月、大阪市都島区都島南通に株式会社[1]アイティーブーストが設立された。創業地に大阪を選んだのは中村氏の地縁と、IT人材の採用競合が東京より緩い市場環境を狙ったためで、大阪本社/東京補完という同社固有の二都体制の原点となる。設立翌2001年5月には本店を都島区東野田町に移転した[2]

  • ラクス 有価証券報告書 第25期(2025年3月期)【沿革】
    • [1]2000年11月 大阪市都島区都島南通に株式会社アイティーブーストを設立(後のラクスの母体)
    • [2]2001年5月 本店を大阪市都島区東野田町に移転

2001年4月、ITエンジニアスクール事業を開始[3]した。未経験者を育成してエンジニア派遣につなげる前段事業で、後年のIT人材事業(ラクスパートナーズ)の源流となる育成型ビジネスである。同月、クラウド事業として問い合わせメール共有・一元管理システム『メールディーラー』の販売を開始[4]した。SaaSという用語が国内で定着する前の2001年時点で、ASP(Application Service Provider)形式のメール共有サービスを月額課金で提供する仕組みで、後の『楽楽』シリーズに連なるサブスクリプション型BtoBクラウドの第一号プロダクトとなる。2002年5月にはIT人材事業を開始、自社育成エンジニア[5]の常駐派遣事業として2本目の収益柱の起点を置いた。SaaSとSESを同時並走させる事業構造は、創業から1年で型として固まり、20年以上にわたり同社の収益体質を規定した。

  • ラクス 有価証券報告書 第25期(2025年3月期)【沿革】
    • [3]2001年4月 ITエンジニアスクール事業を開始(後のIT人材事業=ラクスパートナーズの源流となる育成型ビジネス)
    • [4]2001年4月 クラウド事業を開始(問い合わせメール共有・一元管理システム「メールディーラー」の販売開始)
    • [5]2002年5月 IT人材事業を開始(自社育成エンジニアの常駐派遣事業・SaaSと並ぶ二本目の収益柱の起点)
  • ラクス 有価証券報告書 第25期(2025年3月期)【沿革】
    • [1]2000年11月 大阪市都島区都島南通に株式会社アイティーブーストを設立(後のラクスの母体)
    • [2]2001年5月 本店を大阪市都島区東野田町に移転
    • [3]2001年4月 ITエンジニアスクール事業を開始(後のIT人材事業=ラクスパートナーズの源流となる育成型ビジネス)
    • [4]2001年4月 クラウド事業を開始(問い合わせメール共有・一元管理システム「メールディーラー」の販売開始)
    • [5]2002年5月 IT人材事業を開始(自社育成エンジニアの常駐派遣事業・SaaSと並ぶ二本目の収益柱の起点)

大阪本社/東京拠点/米国子会社 ── 商号変更とラクス改称

2003年4月、東京都新宿区西新宿に東京支店を開設[6]、翌2004年4月には業容拡大に伴い東京支店を東京本社に名称変更した[7]。大阪本社/東京本社の実質的な二本社体制は、首都圏での営業・採用拡大への対応と、関西の人件費・採用優位を生かした開発拠点維持を両立する設計である。2005年7月にはエクスビット株式会社の全株式を取得[8]して初の連結子会社化を実施、翌2006年5月に同社を吸収合併した[9]。買収から1年弱で吸収合併へ移行する統合スピードは、後年のM&Aで反復されるパターンとなる。FY11の単体売上高は19.5億円・経常利益2.6億円で、JGAAP単体決算下の小規模ベンチャーとしての規模感を示した。

  • ラクス 有価証券報告書 第25期(2025年3月期)【沿革】
    • [6]2003年4月 東京都新宿区西新宿に東京支店を開設
    • [7]2004年4月 業容拡大に伴い東京支店を東京本社に名称変更
    • [8]2005年7月 エクスビット株式会社の全株式を取得し連結子会社化
    • [9]2006年5月 連結子会社エクスビットを吸収合併(買収から1年弱で事業統合)

2010年1月、商号を株式会社アイティーブースト[10]から株式会社ラクスに変更した。SaaS事業ブランド『楽楽』シリーズに合わせた社名統一で、『楽(ラク)にする』というプロダクト価値観を会社名に昇華[11]した転換点である。後年の楽楽精算・楽楽明細・楽楽勤怠などブランド体系の核は、この社名変更で固まった。2011年1月、東京本社を東京都渋谷区千駄ヶ谷に移転[12]、IT系企業集積地への移転で人材採用・営業上の利便性向上を狙った。同年4月、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市に100%子会社American Rakus Inc.を設立[13]、SaaS本場の米国市場への足がかりを置いた。

  • ラクス 有価証券報告書 第25期(2025年3月期)【沿革】
    • [10]2010年1月 商号を株式会社アイティーブーストから株式会社ラクスに変更
    • [11]商号変更は「楽楽」シリーズに合わせた社名統一で「楽(ラク)にする」というプロダクト価値観を会社名に昇華
    • [12]2011年1月 東京本社を東京都渋谷区千駄ヶ谷に移転(IT系企業集積地への移転)
    • [13]2011年4月 米国カリフォルニア州サンフランシスコ市に100%子会社 American Rakus Inc. を設立
  • ラクス 有価証券報告書 第25期(2025年3月期)【沿革】
    • [6]2003年4月 東京都新宿区西新宿に東京支店を開設
    • [7]2004年4月 業容拡大に伴い東京支店を東京本社に名称変更
    • [8]2005年7月 エクスビット株式会社の全株式を取得し連結子会社化
    • [9]2006年5月 連結子会社エクスビットを吸収合併(買収から1年弱で事業統合)
    • [10]2010年1月 商号を株式会社アイティーブーストから株式会社ラクスに変更
    • [11]商号変更は「楽楽」シリーズに合わせた社名統一で「楽(ラク)にする」というプロダクト価値観を会社名に昇華
    • [12]2011年1月 東京本社を東京都渋谷区千駄ヶ谷に移転(IT系企業集積地への移転)
    • [13]2011年4月 米国カリフォルニア州サンフランシスコ市に100%子会社 American Rakus Inc. を設立

API for AI Agents — 認証不要、URLをGETするだけで機械可読なJSONをトークン消費を抑えつつ取得できます。

ラクスの沿革2000〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
2000〜2010年ITブースト創業からラクス改称まで ── 大阪発SaaS、インターネット普及初期の二本柱中村崇則アイティーブーストを設立
中村崇則ITエンジニアスクール事業開始
中村崇則クラウド事業に参入★★
中村崇則メール共有システム「メールディーラー」を発売★★
中村崇則本店を移転
中村崇則IT人材事業に参入★★
中村崇則東京支店を開設
中村崇則東京支店を東京本社に名称変更
中村崇則エクスビットを子会社化
中村崇則連結子会社 エクスビットを吸収合併
中村崇則商号をアイティーブーストからラクスに変更
2011〜2017年マザーズ上場・米国撤退・ベトナム開発 ── SaaS国内特化への絞り込み中村崇則カリフォルニア州サンフランシスコ市に100%子会社 American Rakus Inc.を設立
中村崇則American Rakus Inc.をRignite Inc.に会社名を変更
中村崇則100%子会社 RAKUS Vietnam Co., Ltd.を設立
中村崇則米国子会社Rignite Inc.の全株式譲渡とSNSマーケティング事業からの撤退

2015年1月、ラクスが米国カリフォルニア州の連結子会社Rignite Inc.の全株式を譲渡し、SNSマーケティング支援サービスの自社運営から退いた経営判断である。2011年4月にAmerican Rakus Inc.として設けた米国拠点を、3年9か月で手放した。同社は同年12月に東京証券取引所マザーズへの上場を控えていた。

詳細を読む
★★★
中村崇則東京証券取引所マザーズに株式を上場
2018年〜SaaSとSES分離 ── 楽楽シリーズ拡大とIT人材事業の譲渡(2018〜現在)中村崇則ブレインメールを子会社化
中村崇則100%子会社 ラクスパートナーズを設立
中村崇則Xcart・Xform・レンタルサーバー事業を承継
中村崇則IT人材事業をラクスパートナーズに承継
中村崇則減益を織り込んだ投資先行運営への転換と5か年売上高CAGR目標の上方修正

2021年5月13日、ラクスが2022年3月期から2026年3月期までの新中期経営目標を公表し、当初4年間は成長投資を積み増して減益を織り込み、最終年に効率化で利益を取り戻す運営へ転換した経営判断である。翌2022年5月13日には、初年度の実績を踏まえて5か年の売上高CAGRの下限を25%から26%へ引き上げた。

詳細を読む
★★★
中村崇則ラクスライトクラウドのXform・レンタルサーバー事業をNHNテコラスに承継★★
中村崇則HOYAが新設分割したラクスHRテックを子会社化★★
中村崇則PT. Cipta Piranti Sejahteraに出資
中村崇則インターネット接続・ホスティングサービス事業をライドに承継★★
中村崇則PT. Reformasi Kerja Solusiを設立
出典・参考
  • ラクス 2019年3月期 決算短信
  • ラクス 2022年3月期 決算短信
  • ラクス 有価証券報告書 第25期(2025年3月期)【沿革】
  • ラクス 有価証券報告書 第25期(2025年3月期)【表紙】
  • ラクス 2026年3月期 第1四半期決算短信
  • ラクス 2026年3月期 決算説明資料(2026年5月14日)

免責事項およびポリシー