2011年にシリコンバレーへ置いた100%子会社の販売拠点を、中村崇則社長は上場を11か月後に控えた時点で602万7千円で手放した。単体には関係会社株式売却損1億1,922万円が残り、4年近く入れてきた資金は株式としては戻っていない。子会社名をサービス名と同じRigniteへ改め、拠点をマウンテンビュー市へ移した2012年8月から2年5か月での撤退であった。CEOであった松嶋祥文氏を戦略企画部長として国内へ戻した人事に、販売機能を海外に置かないという結論が表れている。
もっとも、畳んだのは米国の会社であって、海外そのものではない。譲渡の8か月前に設けたベトナムの開発子会社は残り、有価証券報告書は海外子会社をクラウドサービスの一部を開発する拠点として説明した。売る場所としての海外を手放し、作る場所としての海外を残す入れ替えが、この時期に済んでいる。2024年12月にインドネシア企業へ14.9%を出資し、2025年4月にジャカルタへ100%子会社を設立した順序は、いきなり100%子会社をマウンテンビューに構えた2011年とは逆であった。