パルコが退けたのは敵対的な買い手ではなく、2001年の社債借り換え難を助けて株主となった相手であった。その筆頭株主に事前の説明をせず、翌月に政投銀へ150億円の新株予約権付社債を出し、全額転換なら18.7%という潜在的な希薄化余地を作っている。独立を守るために選んだ手段そのものが、支配権を失う道筋を開いたと思われる。
ただ、森トラスト側の提案が的外れだったわけではない。人口減少とIFRS移行によって賃料しか売上に立たなくなり、合従連衡が避けられないという見立ては、その後の展開が裏づけている。パルコは2012年にJ.フロント リテイリングの傘下へ入り、2018年2月期からIFRSを適用して営業収益は900億円台となった。単独では厳しいという読みは当たり、それを誰と組んで解くかという主導権だけが、パルコの手から離れたのだろう。