平和 遊技機事業の新設分割と持株会社化 遊技機事業を100%子会社の平和へ承継させ、上場を保ったまま平和ホールディングスとなる純粋持株会社体制への移行

更新:

時期 2026年5月
論点 遊技機とゴルフ場運営を両輪とするグループの経営体制
何をなぜ決めたか
概要

平和は2026年5月13日の取締役会で、遊技機事業を簡易新設分割により新設する100%子会社の株式会社平和へ承継させる計画を決議した。2026年10月1日付で商号を平和ホールディングスへ変え、上場を維持したまま純粋持株会社体制へ移る。同日付で嶺井勝也氏は持株会社の取締役を退き、事業会社の平和の社長に就く。

背景

グループは遊技機事業とゴルフ事業を両輪とし、遊技機事業のボラティリティの大きさを課題としてきた。2011年12月にPGMホールディングスの株式を公開買付けで取得し、2025年1月にはアコーディア・ゴルフを傘下に収め、ゴルフ場は321カ所に広がった。規模を増したゴルフ事業と遊技機事業を一つの会社で統括する形が、見直しの対象になった。

内容

持株会社は長期の経営戦略、M&Aや新規事業開発を含む成長戦略、各事業への経営資源の配分を担い、事業会社に共通する機能を集約して支える。各事業会社は事業環境に応じた展開で収益の最大化を追う。新設会社は普通株式2,000株をすべて平和へ割り当て、資本金100百万円、承継する純資産は24,951百万円・総資産は30,898百万円(いずれも予定)。株主総会の承認は要しない。

含意

2026年9月25日の取締役会で、管理本部長の三好康之氏を持株会社の代表取締役社長とする人事も決議した。三好康之氏は住友銀行、メリルリンチ証券、日本MGMリゾーツなどを経て、アコーディア・ゴルフの代表取締役社長を務めた経歴をもつ。持株会社の社長にゴルフ事業の経営に携わった人物を置き、嶺井勝也氏は遊技機事業を担う事業会社へ回る。

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筆者の見解
筆者の見解

二つの事業を、別々の資本の目で見る

この再編は遊技機事業を切り離す話というより、ゴルフ事業を買い増していく主体を先に作る話とみられる。遊技機事業の売上高は2022年3月期の362億円から2025年3月期の455億円と振れ幅が大きく、ゴルフ事業の1,004億円と同じ会社の中で資源配分を争うより、持株会社が両者を並べて見るほうが、アコーディア・ゴルフに続くM&Aの判断は速くなるだろう。持株会社の社長に三好康之氏を置いた人事も、その読みに合う。

もっとも、遊技機事業を100%子会社の平和に移しても、収益の変動が消えるわけではない。持株会社が上場を維持する以上、グループの連結業績はこれまでと同じ二つの事業の合計で評価される。アコーディア・ゴルフの損益が通年で連結に入る2026年3月期以降に、遊技機事業の比率がどこまで下がるか。この体制が収益の安定に効いたかは、その数字が示すことになる。

Yutaka Sugiura, 2026年10月

業績の推移
遊技機事業とゴルフ事業の売上高・セグメント利益

平和:遊技機事業とゴルフ事業の売上高・セグメント利益

(百万円) 遊技機事業の売上高遊技機事業のセグメント利益ゴルフ事業の売上高ゴルフ事業のセグメント利益 備考
2022年3月期 36,249△60785,30813,280
2023年3月期 50,67815,15591,61114,582
2024年3月期 40,1566,91796,22519,250
2025年3月期 45,49911,858100,36718,450 アコーディア・ゴルフは2025年3月31日をみなし取得日とし、貸借対照表のみ連結。損益は翌期から
事業別の売上高
遊技機事業の売上高(百万円)ゴルフ事業の売上高(百万円)

出所:平和 有価証券報告書 第74〜77期(2022年3月期〜2025年3月期)【セグメント情報等】【業績等の概要】

同じ問いに直面した会社
参考文献
出典・参考
  • 平和 有価証券報告書 第77期(2025年3月期)【沿革】
  • 平和 臨時報告書「臨時報告書(新設分割計画の承認決議)」
  • 平和 臨時報告書「臨時報告書(代表取締役の異動)」
  • 平和 臨時報告書「臨時報告書(PJC Investments株式会社の子会社取得)」
  • 平和 有価証券報告書「第77期(2025年3月期)【業績等の概要】【従業員の状況】」

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