サイバーエージェント アメーバブログ開始 ブログサービスの立ち上げによるメディア事業への参入

更新:

時期 2004年9月
当時の社長 藤田晋
論点 メディア事業への参入
何をなぜ決めたか
概要

2004年、サイバーエージェントがブログサービス"Ameba(アメーバブログ)"を立ち上げ、広告代理からメディア保有へと事業の性格を変えた経営判断。翌2005年には藤田晋社長が自ら事業本部を率い、赤字を許容しながらメディアを育てた。

背景

広告代理は営業人員に比例する労働集約モデルで、上場後の同社は本当の意味でのネット企業へ飛躍したいという課題を抱えていた。藤田晋社長は、良いサービスは自らつくるしかないと考え、自社メディアへの投資に着手する。

内容

2004年9月にアメーバブログを開始し、山川健一氏・片岡義男氏ら著名作家に執筆枠を提供してコンテンツを確保。2005年に藤田晋社長が直轄する事業本部を新設し、月間ページビューを指標に長期の先行投資を続けた。

含意

月間PVは2005年の約2.9億から2008年に月間50億へ拡大し、日本一のブログへ成長。約60億円の累積赤字を先行投資として積み上げたのち、2009年にAmeba事業は黒字化した。広告代理からメディア保有への転換は、後のゲームやAbemaへの投資を発想する土台となった。

いつ何が起きたか 5件
筆者の見解
筆者の見解

「持つ」側に回ったことの意味

この決断の核心は、稼ぎ方の構造そのものを変えた点にある。広告代理は他社の広告枠や自社の営業力を売る商売で、成長は人員の増加とほぼ比例する。これに対しアメーバは、自ら媒体を持ち、集めたページビューを広告在庫として売る。人を増やさずとも読者が増えれば収益が伸びる構造へ移ることは、赤字の先行投資を数年抱える覚悟と引き換えに、レバレッジの効く事業を手にすることを意味した。藤田晋社長が経営トップでありながら一事業を直轄したのは、この転換を本気で成し遂げるための布石だった。

メディアを"持つ"側に回った経験は、単独の事業の成否を超えて、同社の後年を規定した。赤字を本業の利益で賄いながら長期に投資を続ける運営、月間ページビューという利用者規模を経営の指標に据える発想は、このアメーバで型ができた。2000年の株価暴落のなかで芽生えた"自社媒体を持つ"という考えは、ここでブログという形をとり、やがてゲームのCygamesや動画のAbemaTVへと桁を変えて受け継がれていく。広告営業の会社が事業会社へと性格を変えた転換点として、この選択は同社の系譜の結び目に位置している。

Yutaka Sugiura, 2026年7月

業績の推移
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参考文献
出典・参考
  • サイバーエージェント 有価証券報告書【沿革】
  • ITmedia 2004年9月16日

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