富士通とパナソニックのSoC事業統合を、衰える国内半導体を寄せ集めた延命策とだけ読むと、その後の歩みを取り違える。発足時のソシオネクストは、両社の民生機器向け製品と顧客を引き継いだ承継会社にすぎず、独立企業として立てるかは市場から懐疑的に見られていた。二社を合わせて規模を得たこと自体が競争力を生んだのではなく、引き継いだ汎用品モデルを2018年に捨て、海外顧客向けの特注設計へ作り替えた判断が、この会社を成長軌道に乗せただろう。
もっとも、統合という土台がなければ、その作り替えに要する体力も時間も生まれにくかった。二社分の設計人材と最先端ノードの開発ノウハウ、日本政策投資銀行を含む出資が一つの会社に集まったからこそ、数十億円規模の先端投資を要するカスタムSoCへ踏み込めた面は大きい。ただ、その成長は特定顧客への集中と表裏にあり、2025年3月期の初の減収減益が示すように、統合が用意した規模は、事業モデルの偏りまで解いたわけではないとみられる。