この判断で興銀リースが差し出したものは、株式の22.2%と、50年使ってきた社名であった。銀行系リース会社が単独で顧客を開拓し続ける形に限界を感じたとき、選べる道は、独立を保って規模の劣後を受け入れるか、系列の内側へ入って案件の供給を受けるかのいずれかであった。興銀リースは後者を選び、しかも子会社ではなく持分法という距離を残した。上場と経営の自律を保ったまま、看板だけを先に渡した順序に、この取引の設計が表れている。
提携初年度の実績を見ると、数字を押し上げたのはみずほではなく丸紅との海外共同運営であった。銀行から得たものは案件の共同組成であり、成果が財務に現れるまでには時間がかかる性質のものといえる。同じ日に銀行と商社の双方を株主に迎えた設計は、どちらか一方に依存しない案件供給を狙ったものと推察される。2019年に空いた資本の椅子は、ひとつではなかった。みずほ銀行に譲った席の隣には、5年後の2024年、20.0%を持つ丸紅が座っている。