数十年続く契約を売る会社では、新興であること自体が売れない理由になる。出口治明氏が挙げた狙いが資金ではなく"信用の補完"であったのは、値下げでも新商品でも新契約の減少に歯止めがかからなかった後の言葉として読むと重い。商品と価格で解けない問題が残ったとき、手元にあった手は、自社の外から信用を借りることであった。開業以来の看板であったネット直販単独を実質的に外した判断は、この順序で見るほうが理解しやすい。
ただし、この提携が失速を止めたとは言い難い。auチャネルの活用は当初の想定に届かない水準にとどまり、2018年度の経常収益135億円は未達に終わった。新契約の反転を支えたのは、結局インターネット直販への営業費用であった。自社で営業職員を抱えない原則は保たれ、変わったのは販路の数と、議決権の4分の1を通信会社が握るという資本の出所であった。