ライフネット生命保険は、出口治明氏と岩瀬大輔氏が「ふつうの消費者の視点に立った、まったく新しい生命保険会社を創りたい」という考えのもとで立ち上げた会社である[1]。正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスの提供を追求することを経営理念に掲げた[2]。
出口氏は2004年に『生命保険入門』を出した。
2006年10月、東京都港区赤坂に生命保険準備会社としてネットライフ企画株式会社が設立された[3]。資本金は5,000万円である[4]。
岩瀬氏は1976年生まれ、東京大学法学部を出てボストン・コンサルティング・グループに入り[5]、リップルウッド・ジャパンで企業再生に携わった[6]のち、2004年からハーバード・ビジネス・スクールへ自費で留学し、2006年7月に成績上位5%のベイカー・スカラーとして卒業[7]している。初対面の席には損害保険と再保険の事業計画を100ページにまとめて持参[8]したが、出口氏がホワイトボードで生命保険事業の構想を20分ほど話す[9]のを聞いて、自分の計画を捨てた。
2006年10月、二人は東京都港区赤坂に生命保険準備会社ネットライフ企画を設立[10]した。原資はあすかアセットマネジメントとマネックスからの1億円[11]である。免許には多額の資本金が要り、資本金を集めるには免許の見通しが要る[12]という順序の問題も抱えていた。
2007年8月に本社を東京都千代田区麹町へ移し、2008年3月にライフネット生命保険株式会社へ商号を変更した[13]。2008年4月に生命保険業免許を取得し、同年5月から定期死亡保険『かぞくへの保険』と終身医療保険『じぶんへの保険』の販売を始めている[14]。準備会社の設立から免許取得までに1年半を要した計算になる。
資本の集め方でも不利な道を選び、既存の生命保険会社を株主に迎えれば免許は取りやすくなる[15]ところを、出口氏は既存の色を消して自由度を保つために生保を株主にしない[16]と決めた。
2008年3月、資本金と資本準備金を合わせて132億20万円[17]まで積み増し、商号をライフネット生命保険へ変えた[18]。準備会社の段階から掲げていた理念は、正直に経営し、わかりやすく、シンプルで便利で安い商品・サービスの提供を追求する[19]、というものである。
2015年度の新契約件数は前事業年度比89.9%の2万5,150件で、保有契約者数は14万人を超えた[20]水準にとどまった。
インターネットを主な販売チャネルとして営業職員の人件費と店舗の維持費を抑える[21]仕組みは残ったものの、対面の接点を持たないという開業時の輪郭はここで消えた。
2015年4月20日、取締役会がKDDIとの資本業務提携契約の締結と第三者割当増資を決議[22]した。認可を得た5月22日に800万株を発行して30億4,000万円を調達[23]し、KDDIは議決権の15.95%を持つ筆頭株主となり[24]、社外取締役1名を送ってその他の関係会社になった[25]。
2016年度からの新中期計画は、インターネット直販、提携専属代理店のKDDI、対面代理店の三つを事業の柱に据え[26]、2018年度の経常収益135億円と経常損益の黒字化[27]を目標に掲げた。2016年4月にはKDDIを代理店として『auの生命ほけん』の販売が始まって[28]いる。もっともKDDIと代理店チャネルの活用は当初の想定ほどには進まず[29]、2018年3月期の時点で2018年度の経常収益は135億円に届かない見込みとなり、予想は120億円へ下げられた[30]。
2013年6月、岩瀬氏が代表取締役社長兼COOに就いて[31]出口氏は会長へ回り、2016年6月に岩瀬氏が代表取締役社長となった[32]。翌2018年6月、その一人だった森亮介氏が代表取締役社長に就任[33]し、岩瀬氏は取締役会長となって、翌月にAIA Group Limited のGroup Chief Digital Officer に就いた[34]。
森氏はゴールドマン・サックス証券から2012年9月に入社[35]した保険業界の外の人間で、企画部長、経営戦略本部長、営業本部長を経て社長に就いた[36]。治療費に加えて収入の減少も保障する設計はここから出ており、2017年8月の発売以降[37]は新契約が前年同月を上回り続け、2事業年度連続で前年度を超えた[38]。
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| 2006〜2008年74年ぶりの独立系生保として、免許と132億円を同時に集める | 出口治明 | 東京都港区赤坂に生命保険準備会社「ネットライフ企画」を設立 | ★ | |
| 出口治明 | 「ライフネット生命保険」に商号変更 | ★ | ||
| 出口治明 | 独立系の生命保険会社として74年ぶりに営業を開始 | ★★ | ||
| 出口治明 | 付加保険料率の全面開示と、商品ごとの運営経費の公表 2008年11月、ライフネット生命保険が、生命保険料のうち会社の運営経費にあたる付加保険料の割合を商品ごとに全面公表した経営判断。保険金の支払いに充てる純保険料と、会社の取り分である付加保険料の内訳を示す開示で、同年5月の営業開始から半年後に、出口治明社長の主導で実行された。 詳細を読む | ★★★ | ||
| 出口治明 | 就業不能保険「働く人への保険」の販売を開始 | ★ | ||
| 出口治明 | 東京証券取引所マザーズに株式を上場 | ★ | ||
| 2013〜2019年新契約が2年で半減し、ネット直販だけで売る前提を外した | 岩瀬大輔 | 岩瀬大輔氏が代表取締役社長兼COOに就任 | ★ | |
| 岩瀬大輔 | 来店型保険ショップのほけんの窓口グループと代理店契約 | ★ | ||
| 岩瀬大輔 | KDDIとの資本業務提携と、インターネット直販単独からの多チャネル化 2015年4月20日、ライフネット生命保険が取締役会でKDDIとの資本業務提携契約の締結と、KDDIを割当先とする第三者割当増資を決議した。5月22日に800万株を発行して30億4,000万円を調達し、KDDIは議決権の15.95%を持つ筆頭株主となった。 詳細を読む | ★★★ | ||
| 岩瀬大輔 | KDDIを通じ「auの生命ほけん」の販売を開始 | ★ | ||
| 岩瀬大輔 | 創業者の出口治明氏が会長を退任 | ★ | ||
| 岩瀬大輔 | がん保険「ダブルエール」の販売を開始 | ★ | ||
| 森亮介 | 森亮介氏が代表取締役社長に就任 | ★ | ||
| 森亮介 | KDDI・auフィナンシャルホールディングスと業務提携 | ★★ | ||
| 2020〜2026年他社の窓口で売る会社になり、18期目にはじめての黒字を出す | 森亮介 | MILIZEとの合弁で子会社ライフネットみらいを設立 | ★ | |
| 森亮介 | auじぶん銀行との業務提携による団体信用生命保険事業への参入 2022年8月、ライフネット生命保険がauじぶん銀行と団体信用生命保険(団信)に関する業務提携契約を締結し、2023年7月から同行の住宅ローン利用者に向けて団信の提供を始めた経営判断。森亮介社長のもとで、開業以来の個人向け直販に加え、銀行を契約者とする団体保険の引受という二つ目の事業を持った。 詳細を読む | ★★★ | ||
| 森亮介 | 三井住友フィナンシャルグループなど4社間で資本業務提携 | ★★ | ||
| 横澤淳平 | 横澤淳平氏が代表取締役社長に就任 | ★ | ||
| 横澤淳平 | 再保険事業を開始 | ★ | ||
| 横澤淳平 | auフィナンシャルホールディングスとの資本提携を解消 | ★★ | ||
| 横澤淳平 | 日本航空と資本業務提携契約を締結 | ★★ |
免責事項およびポリシー
事実根拠:出所(ライフネット生命保険)