第2章 年〜年

扶桑化学工業:堺・福知山工場の建設とクエン酸・コロイダルシリカへの多角化

1973年〜リンゴ酸の次に選んだクエン酸と、中国で原料を精製する拠点

扶桑化学工業は1973年1月に堺工場の第1期工事を終え、1975年11月には米国FDAの規格に適うリンゴ酸の製造に成功した。1984年6月には京都府福知山市に福知山工場の第1期工事を完成させた。1986年6月にクエン酸の製造を始め、翌1987年4月からはクエン酸ナトリウムの本格販売に入った。同年8月には電子材料のコロイダルシリカについても試験生産を始めている。リンゴ酸の後に誘導体、クエン酸、コロイダルシリカと品目を重ね、各製品で得た製造の技術と知識が次の製品の土台になった。酸味料で積んだ有機酸の製造技術を、同じ酸の系統と純度を問う電子材料の両方へ振り向けた拡張だったとみられる。

  • 扶桑化学工業 有価証券報告書 第49期(2006年3月期)【沿革】
    • [1]1973年1月、堺市築港新町に堺工場第1期工事完成
    • [2]1975年11月、FDA規格の「リンゴ酸」の製造に成功
    • [3]1984年6月、京都府福知山市長田野町に福知山工場第1期工事完成
    • [4]1986年6月に「クエン酸」の製造を開始し、1987年4月に「クエン酸ナトリウム」の本格販売を開始
    • [5]1987年8月、電子材料「コロイダルシリカ」の試験生産を開始
  • 扶桑化学工業「第57期事業報告書から第62期事業報告書までの特集・トピックス」(2019年6月)
    • [6]リンゴ酸に続きリンゴ酸誘導体・イソブチレン誘導体・クエン酸・クエン酸誘導体・コロイダルシリカを手がけ、技術や知識の相乗効果で新製品を生んだと会社が回顧

クエン酸の製造を始めた半年後の1986年末、扶桑化学工業の白石俊訓氏は中国のクエン酸工場を訪れた。商社から中国品が品不足で新規の契約がほぼ結べないと聞き、その実情を確かめることに目的があった。工場はサツマイモを原料に年約3,000トンを生産していたが、1987年度の輸出向けの在庫は皆無だった。中国のクエン酸は日本の食品添加物規格に6〜7割が届かず、日本市場では精製しなければ使えなかった。工場側は5〜6億円の設備資金の全額出資を条件に、2〜3年後から年2,000〜3,000トンを出せると示した。この訪問で確保できた量は100トンにとどまった。

  • 扶桑化学工業 有価証券報告書 第49期(2006年3月期)【沿革】
    • [7]1986年6月に「クエン酸」の製造を開始
  • フードケミカル 3(1) 1987年1月号 白石俊訓(扶桑化学)「中国のクエン酸工場を訪問して」
    • [8]扶桑化学の白石俊訓が1986年末に中国のクエン酸工場を訪問した
    • [9]商社から中国のクエン酸は品不足で新しい契約はほとんどできないと聞き、訪問した
    • [10]訪問先はサツマイモを原料とする年産約3,000トンの工場で、1987年度に契約して輸出できる製品は無かった
    • [11]中国品は日本の食品添加物規格に60〜70%が不合格となり、日本市場では精製しないと使用できない
    • [12]5〜6億円の設備資金を全額出資すれば、2〜3年後から年2,000〜3,000トンを輸出できると工場側が提示
    • [13]事故見舞いとして100トンのクエン酸を送ると中国側が申し出た

1994年7月、扶桑化学工業は85%を出資して中国に青島扶桑精製加工有限公司を設立した。翌1995年12月には全額出資の青島扶桑貿易有限公司を加え、2000年12月には青島扶桑精製加工でのクエン酸製造がISO9002の認証を受けた。2001年5月に日本証券業協会へ株式を店頭登録し、同年9月には青島扶桑精製加工の第2期工事を終えた。のちに同社で精製したクエン酸は日本の食品市場へ出荷され、高純度を求める工業用途にも採用されるに至った。日本の規格に届かない中国の原料を、現地で精製してから持ち込む体制を自前で持ち、1986年に突き当たった調達と品質の壁を越えたのだろう。

  • 扶桑化学工業 有価証券報告書 第49期(2006年3月期)【沿革】
    • [14]1994年7月、85%出資により青島扶桑精製加工有限公司を設立
    • [15]1995年12月、全額出資により青島扶桑貿易有限公司を設立
    • [16]2000年12月、青島扶桑精製加工有限公司のクエン酸の製造で「ISO9002」の認証を取得
    • [17]2001年5月、日本証券業協会に株式を店頭登録
    • [18]2001年9月、青島扶桑精製加工有限公司第2期工事完成
  • 扶桑化学工業「第57期事業報告書から第62期事業報告書までの特集・トピックス」(2019年6月)
    • [19]クエン酸は青島扶桑精製加工有限公司で精製した高品質品を日本の食品市場へ提供し、高純度が要る工業用途にも採用されている
参考文献[1]-[19]
  • 扶桑化学工業 有価証券報告書 第49期(2006年3月期)【沿革】
    • [1]1973年1月、堺市築港新町に堺工場第1期工事完成
    • [2]1975年11月、FDA規格の「リンゴ酸」の製造に成功
    • [3]1984年6月、京都府福知山市長田野町に福知山工場第1期工事完成
    • [4]1986年6月に「クエン酸」の製造を開始し、1987年4月に「クエン酸ナトリウム」の本格販売を開始
    • [5]1987年8月、電子材料「コロイダルシリカ」の試験生産を開始
    • [7]1986年6月に「クエン酸」の製造を開始
    • [14]1994年7月、85%出資により青島扶桑精製加工有限公司を設立
    • [15]1995年12月、全額出資により青島扶桑貿易有限公司を設立
    • [16]2000年12月、青島扶桑精製加工有限公司のクエン酸の製造で「ISO9002」の認証を取得
    • [17]2001年5月、日本証券業協会に株式を店頭登録
    • [18]2001年9月、青島扶桑精製加工有限公司第2期工事完成
  • 扶桑化学工業「第57期事業報告書から第62期事業報告書までの特集・トピックス」(2019年6月)
    • [6]リンゴ酸に続きリンゴ酸誘導体・イソブチレン誘導体・クエン酸・クエン酸誘導体・コロイダルシリカを手がけ、技術や知識の相乗効果で新製品を生んだと会社が回顧
    • [19]クエン酸は青島扶桑精製加工有限公司で精製した高品質品を日本の食品市場へ提供し、高純度が要る工業用途にも採用されている
  • フードケミカル 3(1) 1987年1月号 白石俊訓(扶桑化学)「中国のクエン酸工場を訪問して」
    • [8]扶桑化学の白石俊訓が1986年末に中国のクエン酸工場を訪問した
    • [9]商社から中国のクエン酸は品不足で新しい契約はほとんどできないと聞き、訪問した
    • [10]訪問先はサツマイモを原料とする年産約3,000トンの工場で、1987年度に契約して輸出できる製品は無かった
    • [11]中国品は日本の食品添加物規格に60〜70%が不合格となり、日本市場では精製しないと使用できない
    • [12]5〜6億円の設備資金を全額出資すれば、2〜3年後から年2,000〜3,000トンを輸出できると工場側が提示
    • [13]事故見舞いとして100トンのクエン酸を送ると中国側が申し出た

1973年〜2002年の業績

決算期 区分 売上高 経常利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 利益率 億円
1973年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1974年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1975年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1976年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1977年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1978年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1979年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1980年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1981年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1982年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1983年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1984年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1985年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1986年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1987年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1988年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1989年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1990年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1991年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1992年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1993年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1994年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1995年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a 全額出資により青島扶桑貿易有限公司を設立(1995/12)
1996年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1997年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1998年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1999年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
2000年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
2001年03月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
2002年03月期 連結 119 n/a 11 9.2% 6 n/a

出典・参考

3件
出典・参考
  • 扶桑化学工業 有価証券報告書 第49期(2006年3月期)【沿革】
  • フードケミカル 3(1) 1987年1月号 白石俊訓(扶桑化学)「中国のクエン酸工場を訪問して」
  • 扶桑化学工業「第57期事業報告書から第62期事業報告書までの特集・トピックス」(2019年6月)

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