第4章 年〜年

JT:Gallaher買収と加ト吉のTOB

2007年〜75億ポンドのGallaher買収と欧州・CISへの基盤拡大

2006年12月15日、JTは英Gallaher Group Plcの全株式を取得して子会社とする手続きの開始に合意した。買収は2007年4月18日、英国法上のスキーム・オブ・アレンジメントで完了した。取得原価は75億スターリング・ポンドで、円に直して約1兆7,200億円に上った。木村宏社長は株主への書簡で、世界第3位の地位が固まり、欧州とCIS地域での存在感が増すと説明した。統合の効果について木村社長は『今回の買収では、「規模の拡大」「相互補完性」「技術・流通インフラの強化」等の統合効果が見込まれます。』と記し、売上の上積みとコスト削減の相乗効果も見込んだ。1999年のRJRナビスコ海外事業に続く二度目の大型買収は、地域の偏りを埋めることに主眼があったとみられる。

  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第22期(2007年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】
    • [1]2006年12月15日、Gallaher Group Plcの発行済及び発行予定の全株式を取得し子会社化する手続きの開始に合意
    • [3]取得原価は75億スターリング・ポンド(約1兆7,200億円)
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第23期(2008年3月期)【追加情報】
    • [2]2007年4月18日、英国法上のスキーム・オブ・アレンジメントにより買収を完了
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2007「株主の皆様、お客様及び従業員の皆様へ」
    • [4]Gallaher買収で世界第3位のたばこ会社の地位を強化し、アジアの基盤に加え欧州・CIS地域でのプレゼンスが高まる
    • [5]統合効果として規模の拡大・相互補完性・技術と流通インフラの強化を挙げ、トップラインの増加とコストダウンによるシナジーを見込む

買収の前年に始まった中期経営計画JT2008は自律的な成長を前提に組まれ、大規模なM&Aを計画の数値に織り込んでいなかった。買収資金は借入で賄い、2007年4月にJTがみずほ銀行から4,500億円、英国子会社が18行の協調融資団から19億ポンドを借り入れた。連結の有利子負債は2007年3月期末の2,192億円から、2008年3月期末には1兆3,892億円へ膨らんだ。発生したのれんは1兆7,213億円に上った。回収の筋道として、2008年3月期の決算説明会は海外たばこ事業で今後3年間、年平均10%以上のEBITDA成長を目指すと示した。計画の外で財務の重みを一度に引き受け、その回収を海外たばこの利益成長に託した判断であった。

  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2007「JTグループの経営」中期経営計画「JT2008」
    • [6]中期経営計画「JT2008」は自律的成長を前提とし、大規模なM&Aを計画数値に織り込んでいない
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第22期(2007年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】
    • [7]2007年4月25日にみずほ銀行から4,500億円、4月26日に英国子会社が18銀行のシンジケート団から19億スターリング・ポンドを借入
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第23期(2008年3月期)【追加情報】
    • [8]有利子負債は2007年3月期末2,192億円から2008年3月期末1兆3,892億円へ増加
    • [9]Gallaher買収で発生したのれんは1,721,368百万円
  • 日本たばこ産業 決算説明会資料(2008年3月期 決算短信添付資料)
    • [10]海外たばこ事業で今後3年間に亘り年平均10%以上のEBITDA成長を目指す

2007年8月、JTは第1四半期の決算説明会でJT InternationalとGallaherの統合計画を投資家へ示した。翌年の年報で木村社長は『The integration of JT International and Gallaher is proceeding smoothly, without causing any significant disruption to our existing business momentum.』(訳:JTIとギャラハーの統合は、事業の勢いを大きく乱さず順調に進んでいる)と記した。2008年3月期の連結売上高は前期比34.4%増の6兆4,097億円、EBITDAは29.6%増の6,021億円となった。翌2009年3月期にはギャラハー業績の通期化で、海外たばこの販売数量・売上高・EBITDAがそろって過去最高を記録した。同じ期には在外子会社の会計処理を揃えてのれん償却が始まり、海外たばこの営業利益は942億円減った。

  • 日本たばこ産業 決算説明会資料「2008年3月期 第1四半期 財務・業績の概況(JT International・Gallaher社 統合計画 説明会資料)」(2007年8月9日)
    • [11]2007年8月9日、第1四半期決算とあわせJT International・Gallaher社の統合計画説明会を開催
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「To Our Stakeholders」(木村宏社長、2008年6月)
    • [12]JTIとGallaherの統合は既存の事業モメンタムを大きく損なわず順調に進行
    • [13]2008年3月期の連結売上高は前期比34.4%増の6兆4,097億円、EBITDAは29.6%増の6,021億円
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2009「ごあいさつ 2009年3月期の業績と中期経営計画「JT-11」について」(木村宏社長)
    • [14]2009年3月期、海外たばこ事業は販売数量・売上高・EBITDAとも過去最高。ギャラハーとの統合が早期の成功をもたらした
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第24期(2009年3月期)【事業の種類別セグメント情報】
    • [15]実務対応報告第18号の適用によりのれん償却が始まり、海外たばこの営業利益が94,235百万円減少
参考文献[1]-[15]
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第22期(2007年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】
    • [1]2006年12月15日、Gallaher Group Plcの発行済及び発行予定の全株式を取得し子会社化する手続きの開始に合意
    • [3]取得原価は75億スターリング・ポンド(約1兆7,200億円)
    • [7]2007年4月25日にみずほ銀行から4,500億円、4月26日に英国子会社が18銀行のシンジケート団から19億スターリング・ポンドを借入
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第23期(2008年3月期)【追加情報】
    • [2]2007年4月18日、英国法上のスキーム・オブ・アレンジメントにより買収を完了
    • [8]有利子負債は2007年3月期末2,192億円から2008年3月期末1兆3,892億円へ増加
    • [9]Gallaher買収で発生したのれんは1,721,368百万円
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2007「株主の皆様、お客様及び従業員の皆様へ」
    • [4]Gallaher買収で世界第3位のたばこ会社の地位を強化し、アジアの基盤に加え欧州・CIS地域でのプレゼンスが高まる
    • [5]統合効果として規模の拡大・相互補完性・技術と流通インフラの強化を挙げ、トップラインの増加とコストダウンによるシナジーを見込む
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2007「JTグループの経営」中期経営計画「JT2008」
    • [6]中期経営計画「JT2008」は自律的成長を前提とし、大規模なM&Aを計画数値に織り込んでいない
  • 日本たばこ産業 決算説明会資料(2008年3月期 決算短信添付資料)
    • [10]海外たばこ事業で今後3年間に亘り年平均10%以上のEBITDA成長を目指す
  • 日本たばこ産業 決算説明会資料「2008年3月期 第1四半期 財務・業績の概況(JT International・Gallaher社 統合計画 説明会資料)」(2007年8月9日)
    • [11]2007年8月9日、第1四半期決算とあわせJT International・Gallaher社の統合計画説明会を開催
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「To Our Stakeholders」(木村宏社長、2008年6月)
    • [12]JTIとGallaherの統合は既存の事業モメンタムを大きく損なわず順調に進行
    • [13]2008年3月期の連結売上高は前期比34.4%増の6兆4,097億円、EBITDAは29.6%増の6,021億円
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2009「ごあいさつ 2009年3月期の業績と中期経営計画「JT-11」について」(木村宏社長)
    • [14]2009年3月期、海外たばこ事業は販売数量・売上高・EBITDAとも過去最高。ギャラハーとの統合が早期の成功をもたらした
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第24期(2009年3月期)【事業の種類別セグメント情報】
    • [15]実務対応報告第18号の適用によりのれん償却が始まり、海外たばこの営業利益が94,235百万円減少

2008年〜加ト吉のTOB、冷凍食品の農薬混入とJT-11の5%目標

食品事業では、2007年12月に加ト吉株式の公開買付けを成立させ、2008年1月に子会社とし、同年4月には完全子会社とした。ところが子会社化と同じ2008年1月、JTグループが販売した冷凍食品に農薬が混入した中毒事件が明るみに出た。2月以降は冷凍食品の売上が落ち込み、2008年3月期の食品事業の営業利益は前期比90.1%減の7億円にとどまった。木村社長は同年の年報の冒頭で、健康被害を受けた人と全国の製品回収に協力した顧客へ謝罪した。そのうえで『The JT Group will strive to regain the trust of our consumers by seeking to develop the highest level of standards in food safety, via improved in-house inspection systems and engaging third-party expertise, among other measures.』(訳:社内検査の改善や外部の知見の活用などで食の安全を最高水準に高め、消費者の信頼を取り戻す)と記した。

  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「History of JT」/日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
    • [16]2007年12月に加ト吉株式の公開買付けを完了し、2008年1月に過半を取得、2008年4月に完全子会社化
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「Foods Business」
    • [17]2008年1月に表面化した、農薬が混入した冷凍食品による中毒事案
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「Foods Business」/日本たばこ産業 アニュアルレポート2009「ごあいさつ 2009年3月期の業績と中期経営計画「JT-11」について」(木村宏社長)
    • [18]2月以降、農薬混入の影響で冷凍食品の販売が低迷。2008年3月期の食品事業の営業利益は前期比90.1%減の7億円
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「To Our Stakeholders」(木村宏社長、2008年6月)
    • [19]健康被害を受けた人と全国の製品回収に協力した顧客・取引先・株主へ謝罪
    • [20]社内検査体制の改善と第三者の知見の活用により食の安全で最高水準を築き、信頼回復に努める

2008年3月期の決算説明会で、JTは年2回の定期検査と抜き打ち監査、食品安全の国際規格ISO22000の取得を打ち出した。生産工場と主な原材料の産地をホームページなどで公開し、日本国内と中国に検査センターを置く方針も併せて示した。組織の面では、2008年7月に自社の加工食品事業と調味料事業、ジェイティフーズを含む関係会社を加ト吉へ集約した。集約の狙いは、国内最大級の冷凍食品事業に調味料の技術を加えた加工食品会社をつくることにあった。加ト吉は2010年1月に社名をテーブルマークへ改めた。買収で得た冷凍食品の基盤を、安全管理の組み直しから立て直す順序になったと推察される。

  • 日本たばこ産業 決算説明会資料(2008年3月期 決算短信添付資料)
    • [21]リスク低減策として年2回の定期検査・抜き打ち監査、ISO22000の取得等
    • [22]商品の生産工場と主な原材料の産地をホームページ等で公開、日本国内と中国に検査センターを設置
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第24期(2009年3月期)【事業の内容】
    • [23]2008年7月、当社の加工食品事業・調味料事業とジェイティフーズ等の関係会社を加ト吉に集約
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第25期(2010年3月期)【事業の内容】
    • [24]加ト吉への集約で、国内最大級の冷凍食品事業を含む加工食品事業と技術力の高い調味料事業を持つ会社とする
    • [25]2010年1月、株式会社加ト吉がテーブルマーク株式会社へ社名変更

2009年3月期の連結EBITDAは6,462億円となり、JT2008が掲げた2006年3月期比200億円増という全社目標を大きく上回った。木村社長はこの結果を、ギャラハーと加ト吉の買収という外部資源の獲得で事業基盤を広げた成果と位置づけた。国内たばこでは、2008年3月期に民営化後初めて市場シェアが上向いた。taspo導入で対面の販路の競争が強まった2009年3月期も、シェアは2期続けて伸びた。2009年4月30日に発表したJT-11は、2010年3月期見込みを起点に連結EBITDAを年平均5%伸ばす目標を置いた。国内たばこはEBITDAの維持を目標にとどめ、盛岡・米子・小田原の3工場の閉鎖を同時に決めた。

  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2009「ごあいさつ 2009年3月期の業績と中期経営計画「JT-11」について」(木村宏社長)
    • [26]2009年3月期のEBITDAは6,462億円で、JT2008の全社目標(2006年3月期比200億円増)を大きく上回る
    • [27]ギャラハー及び加ト吉グループの買収等、積極的な外部資源の獲得により事業基盤を拡大
    • [29]taspo導入で対面販路を中心に競争が激化するなか、2期連続のシェア増
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「To Our Stakeholders」(木村宏社長、2008年6月)
    • [28]2008年3月期、1985年の民営化以来初めて国内の市場シェアが上昇
  • Japan Tobacco Inc. プレスリリース「JT Announces Its New Medium-Term Management Plan “JT-11”」(2009年4月30日)
    • [30]JT-11は2010年3月期見込みを起点に連結EBITDAの年平均5%成長を全社目標とする
    • [31]国内たばこ事業は2010年3月期見込みEBITDAの維持が目標。盛岡・米子・小田原工場の閉鎖を決定
参考文献[16]-[31]
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「History of JT」/日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
    • [16]2007年12月に加ト吉株式の公開買付けを完了し、2008年1月に過半を取得、2008年4月に完全子会社化
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「Foods Business」
    • [17]2008年1月に表面化した、農薬が混入した冷凍食品による中毒事案
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「Foods Business」/日本たばこ産業 アニュアルレポート2009「ごあいさつ 2009年3月期の業績と中期経営計画「JT-11」について」(木村宏社長)
    • [18]2月以降、農薬混入の影響で冷凍食品の販売が低迷。2008年3月期の食品事業の営業利益は前期比90.1%減の7億円
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「To Our Stakeholders」(木村宏社長、2008年6月)
    • [19]健康被害を受けた人と全国の製品回収に協力した顧客・取引先・株主へ謝罪
    • [20]社内検査体制の改善と第三者の知見の活用により食の安全で最高水準を築き、信頼回復に努める
    • [28]2008年3月期、1985年の民営化以来初めて国内の市場シェアが上昇
  • 日本たばこ産業 決算説明会資料(2008年3月期 決算短信添付資料)
    • [21]リスク低減策として年2回の定期検査・抜き打ち監査、ISO22000の取得等
    • [22]商品の生産工場と主な原材料の産地をホームページ等で公開、日本国内と中国に検査センターを設置
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第24期(2009年3月期)【事業の内容】
    • [23]2008年7月、当社の加工食品事業・調味料事業とジェイティフーズ等の関係会社を加ト吉に集約
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第25期(2010年3月期)【事業の内容】
    • [24]加ト吉への集約で、国内最大級の冷凍食品事業を含む加工食品事業と技術力の高い調味料事業を持つ会社とする
    • [25]2010年1月、株式会社加ト吉がテーブルマーク株式会社へ社名変更
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2009「ごあいさつ 2009年3月期の業績と中期経営計画「JT-11」について」(木村宏社長)
    • [26]2009年3月期のEBITDAは6,462億円で、JT2008の全社目標(2006年3月期比200億円増)を大きく上回る
    • [27]ギャラハー及び加ト吉グループの買収等、積極的な外部資源の獲得により事業基盤を拡大
    • [29]taspo導入で対面販路を中心に競争が激化するなか、2期連続のシェア増
  • Japan Tobacco Inc. プレスリリース「JT Announces Its New Medium-Term Management Plan “JT-11”」(2009年4月30日)
    • [30]JT-11は2010年3月期見込みを起点に連結EBITDAの年平均5%成長を全社目標とする
    • [31]国内たばこ事業は2010年3月期見込みEBITDAの維持が目標。盛岡・米子・小田原工場の閉鎖を決定

2011年〜震災の出荷停止、メビウスへの改称と約1,750名の早期退職

2011年3月11日の東日本大震災で国内の一部工場が被災し、JTは製品の出荷を一時止めた。再開後も銘柄と数量を絞る出荷が続き、全銘柄の供給再開は2011年7月、数量制限の解除は8月であった。2010年10月の増税も重なり、2012年3月期の紙巻販売数量は前期比19.5%減の1,084億本となった。年間のシェアも64.1%から54.9%へ下がった。木村社長は原材料の代替調達や、国内外の製造拠点の相互バックアップ体制を再点検すると表明した。JT-11の終了後、木村会長と小泉光臣社長は連名で『The major lesson learned over the plan period is the importance for the JT Group to expand the scope of anticipated contingencies in order to deal with increasing uncertainties and enhance its adaptability.』(訳:計画期間の最大の教訓は、想定の幅を広げて適応力を高める重要性だった)と記した。

  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第27期(2012年3月期)【事業の状況】
    • [32]東日本大震災で一部工場が被災し、一時的な出荷停止を余儀なくされた
    • [34]2012年3月期の紙巻たばこ販売数量は前期比19.5%減の1,084億本
    • [35]2012年3月期のシェアは54.9%(前年度64.1%)
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2012「Japanese Domestic Tobacco Business」
    • [33]震災後は銘柄数と数量を限定した出荷が2011年7月まで続き、7月に全銘柄の供給を再開、8月に数量制限を解除
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2011「社長インタビュー」(木村宏社長)
    • [36]原材料の代替調達、国内外製造拠点の相互バックアップ体制等を再点検する
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2012「To Our Stakeholders」(木村宏会長・小泉光臣社長、2012年6月)
    • [37]JT-11を振り返り、不確実性に備えて想定の範囲を広げ適応力を高めることを最大の教訓とした

シェアの回復が進むなか、JTは2012年11月にマイルドセブンの包装を改め、2013年2月に国内での銘柄名をメビウスへ切り替えた。改称の狙いを問われた会社側は、中長期の最大の成長余地を社内で問い直したと明かした。そのうえで『We arrived at the conclusion that we must take on a new challenge of growing and fostering a new global premium brand.』(訳:新たなグローバル・プレミアム・ブランドを育てる挑戦に踏み出すべきだと結論づけた)と答えた。マイルドセブンを選んだのは、国内で長く首位にあり、17の国と地域で売られていたためであった。改称後の2013年2月と3月に月次シェアは60%に達し、4〜6月期は震災後初めて四半期で60%台に乗った。国内の看板銘柄の名を替えた判断は、海外の高価格帯を広げる狙いも兼ねたとみられる。

  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期 第3四半期決算)/日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
    • [38]2012年11月にマイルドセブンのデザインを変更、2013年2月にブランド名をMEVIUSへ変更
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期 第3四半期決算)
    • [39]将来の最大の成長余地は何かを社内で問い、議論を重ねた
    • [40]改称の狙いは新たなグローバル・プレミアム・ブランドの育成
    • [41]マイルドセブンは国内で長く最も売れた銘柄で、台湾・韓国を中心にアジアでも支持され、17の国と地域で販売
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期決算・Business Plan 2013)/Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年度 第1四半期決算)
    • [42]2013年2月と3月に月次シェアが60%に到達。2013年4〜6月期のシェアは60.5%で、震災後初めて四半期で60%に達した

シェアを取り戻した2013年10月、JTは国内たばこ事業の競争力強化策を発表した。営業体制を組み直し、コスト競争力を高めるため、たばこ製造工場2工場とたばこ関連工場2工場の廃止を決めた。2014年のBusiness Plan 2014は、主な指標を調整後EBITDAから調整後営業利益へ替えた。株主還元では、2015年度に連結配当性向50%を達成する目標を掲げた。強化策の費用と不動産売却益の減少で、2014年の営業利益は13.9%の減益を見込んだ。約1,750名の従業員が早期希望退職に応じ、その大半は2015年3月末にJTグループを離れた。国内は60%超の数量シェアを保つ一方、縮む総需要に合わせて工場と人員を先に削る局面へ移ったといえる。

  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年度決算・Business Plan 2014)
    • [43]2013年10月に国内たばこ事業の競争力強化施策を公表
    • [45]Business Plan 2014でKPIを調整後EBITDAから調整後営業利益へ変更
    • [46]2015年度に連結配当性向50%の達成を目指す
    • [47]2014年の営業利益は不動産売却益の減少と競争力強化施策の費用計上で13.9%減の見込み
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第29期(2014年3月期)【事業の状況】
    • [44]営業体制の再構築と、たばこ製造工場2工場及びたばこ関連工場2工場の廃止を決定
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2014年度「CEOビジネスレビュー」(小泉光臣社長)
    • [48]約1,750名が早期希望退職に応募し、殆どが2015年3月末にJTグループを退職
参考文献[32]-[48]
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第27期(2012年3月期)【事業の状況】
    • [32]東日本大震災で一部工場が被災し、一時的な出荷停止を余儀なくされた
    • [34]2012年3月期の紙巻たばこ販売数量は前期比19.5%減の1,084億本
    • [35]2012年3月期のシェアは54.9%(前年度64.1%)
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2012「Japanese Domestic Tobacco Business」
    • [33]震災後は銘柄数と数量を限定した出荷が2011年7月まで続き、7月に全銘柄の供給を再開、8月に数量制限を解除
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2011「社長インタビュー」(木村宏社長)
    • [36]原材料の代替調達、国内外製造拠点の相互バックアップ体制等を再点検する
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2012「To Our Stakeholders」(木村宏会長・小泉光臣社長、2012年6月)
    • [37]JT-11を振り返り、不確実性に備えて想定の範囲を広げ適応力を高めることを最大の教訓とした
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期 第3四半期決算)/日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
    • [38]2012年11月にマイルドセブンのデザインを変更、2013年2月にブランド名をMEVIUSへ変更
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期 第3四半期決算)
    • [39]将来の最大の成長余地は何かを社内で問い、議論を重ねた
    • [40]改称の狙いは新たなグローバル・プレミアム・ブランドの育成
    • [41]マイルドセブンは国内で長く最も売れた銘柄で、台湾・韓国を中心にアジアでも支持され、17の国と地域で販売
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期決算・Business Plan 2013)/Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年度 第1四半期決算)
    • [42]2013年2月と3月に月次シェアが60%に到達。2013年4〜6月期のシェアは60.5%で、震災後初めて四半期で60%に達した
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年度決算・Business Plan 2014)
    • [43]2013年10月に国内たばこ事業の競争力強化施策を公表
    • [45]Business Plan 2014でKPIを調整後EBITDAから調整後営業利益へ変更
    • [46]2015年度に連結配当性向50%の達成を目指す
    • [47]2014年の営業利益は不動産売却益の減少と競争力強化施策の費用計上で13.9%減の見込み
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第29期(2014年3月期)【事業の状況】
    • [44]営業体制の再構築と、たばこ製造工場2工場及びたばこ関連工場2工場の廃止を決定
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2014年度「CEOビジネスレビュー」(小泉光臣社長)
    • [48]約1,750名が早期希望退職に応募し、殆どが2015年3月末にJTグループを退職

2007年〜2014年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益経常利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 億円 利益率
2007年03月期 連結 47,693 n/a 3,320 3,120 2,107 4.4% n/a
2008年03月期 連結 64,097 +34.4% 4,306 3,627 2,387 3.7% n/a
2009年03月期 連結 68,323 +6.6% 3,638 3,076 1,234 1.8% n/a
2010年03月期 連結 61,346 ▲10.2% 2,965 2,554 1,384 2.3% n/a
2011年03月期 連結 20,593 ▲66.4% 4,013 n/a 2,433 11.8% n/a
2012年03月期 連結 20,338 ▲1.2% 4,592 n/a 3,208 15.8% n/a
2013年03月期 連結 21,201 +4.2% 5,322 n/a 3,435 16.2% n/a
2014年12月期 連結 20,197 ▲4.7% 4,999 n/a 3,629 18.0% n/a

出所:有価証券報告書

出典・参考

25件
出典・参考
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第22期(2007年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2007「株主の皆様、お客様及び従業員の皆様へ」
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2007「JTグループの経営」中期経営計画「JT2008」
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第23期(2008年3月期)【追加情報】
  • 日本たばこ産業 決算説明会資料(2008年3月期 決算短信添付資料)
  • 日本たばこ産業 決算説明会資料「2008年3月期 第1四半期 財務・業績の概況(JT International・Gallaher社 統合計画 説明会資料)」(2007年8月9日)
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「History of JT」/日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「Foods Business」/日本たばこ産業 アニュアルレポート2009「ごあいさつ 2009年3月期の業績と中期経営計画「JT-11」について」(木村宏社長)
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2009「ごあいさつ 2009年3月期の業績と中期経営計画「JT-11」について」(木村宏社長)
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第24期(2009年3月期)【事業の種類別セグメント情報】
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第24期(2009年3月期)【事業の内容】
  • Japan Tobacco Inc. プレスリリース「JT Announces Its New Medium-Term Management Plan “JT-11”」(2009年4月30日)
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第25期(2010年3月期)【事業の内容】
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2011「社長インタビュー」(木村宏社長)
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第27期(2012年3月期)【事業の状況】
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期 第3四半期決算)/日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
  • 日本たばこ産業 有価証券報告書 第29期(2014年3月期)【事業の状況】
  • 日本たばこ産業 アニュアルレポート2014年度「CEOビジネスレビュー」(小泉光臣社長)
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「To Our Stakeholders」(木村宏社長、2008年6月)
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2008「Foods Business」
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2012「Japanese Domestic Tobacco Business」
  • Japan Tobacco Inc. Annual Report 2012「To Our Stakeholders」(木村宏会長・小泉光臣社長、2012年6月)
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期 第3四半期決算)
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年3月期決算・Business Plan 2013)/Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年度 第1四半期決算)
  • Japan Tobacco Inc. IR Key Q&A(2013年度決算・Business Plan 2014)

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