JT:飲料撤退と医薬事業の塩野義製薬への譲渡
飲料と医薬を手放し、紙巻きの収益で加熱式を育てる2事業体制への集約
2015年〜飲料製造からの撤退と、Natural American Spirit 米国外事業の約50億米ドルでの取得
2015年2月、JTは自社ブランド飲料の製造と販売から、同年9月末をめどに撤退すると発表した。1988年に参入して「Roots」や「桃の天然水」を看板に育てたが、販促で量を追いながら新商品を短い周期で出し続けなければ採算を保てない市場に変わっていた。小泉光臣社長は年報の事業報告で、『飲料市場全体は成熟期を迎え、飲料メーカーが持続的に利益を成長させるには、一定の事業規模が必要であると考えられます』と書き、飲料がグループの利益に中長期で寄与するのは難しいと結論づけた。7月にはジャパンビバレッジホールディングスやジェイティエースターなど自販機オペレーターの株式と二つの飲料ブランドをサントリー食品インターナショナルへ譲り、12月に飲料事業部を廃止した。撤退費用を抱えても株式の譲渡益がそれを上回り、同年の当期利益の見込みは大きく引き上げられた。
- 日本たばこ産業 ニュースリリース「飲料製品の製造販売事業からの撤退について」(2015年2月4日)
- [1]2015年2月4日 JT飲料製品の製造販売事業から2015年9月末をめどに撤退すると発表。1988年参入、市場の成熟・規模の構造・商品ライフサイクルの短期化
- [2]2015年2月4日 JT飲料製品の製造販売事業から2015年9月末をめどに撤退すると発表。1988年参入、市場の成熟・規模の構造・商品ライフサイクルの短期化
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2014年度」CEOビジネスレビュー(代表取締役社長 小泉光臣)
- [3]飲料市場の成熟と規模の必要から、中長期にグループ利益への貢献は困難と結論
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2015 連結財務諸表注記38「Discontinued Operations」
- [4]2015年7月31日 自販機オペレーター子会社の株式をSuntory Beverage & Foodへ譲渡、9月末に飲料製品の製造販売を終了
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- [5]2015年7月 ジャパンビバレッジホールディングス・ジェイティエースター等の株式と「Roots」「桃の天然水」を譲渡、12月に飲料事業部を廃止
- 日本たばこ産業 2015年12月期第2四半期決算 IR 主要Q&A(2015年7月30日)
- [6]撤退費用を織り込むが自販機オペレーター事業の株式譲渡益を見込み、営業利益・当期利益の見込みを大幅に上方修正
2015年9月29日、JTはレイノルズ・アメリカンと、Natural American Spirit の米国外の商標権と、同ブランドを売る米国外の販売会社9社の全株式を約50億米ドル(約5,922億円)で取得する契約を結んだ。取得は2016年1月13日に完了し、米国外の販売数量の過半を日本が占めるため、のれんも商標権も国内たばこ事業に積まれた。会長と社長の連名のメッセージは、このブランドが日本で大きく伸びていると述べたうえで、『We believe this acquisition will consolidate our position in the prestige segment, as increasing our presence in this price segment had been an ongoing challenge.』(訳:高価格帯での存在感は長年の課題であり、この取得で地位を固められる)と記した。2015年12月期の国内販売数量は1,092億本と前年同期比2.8%減っており、縮む市場で高価格帯の銘柄を自前で育てるより、すでに伸びている銘柄を買い取るほうを選んだとみられる。
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第31期(2015年12月期)【経営上の重要な契約等】
- [7]2015年9月29日 Natural American Spirit の米国外商標権と米国外子会社9社の全株式を約50億米ドル(約5,922億円)で取得する契約を締結
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第32期(2016年12月期)【企業結合】
- [8]2016年1月13日 取得完了。のれんと商標権は国内たばこ事業に計上
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2015「Message from the Chairman & CEO」(丹呉泰健・小泉光臣)
- [9]日本での高成長と、高価格帯での存在感の拡大が継続課題であったことを取得の理由に挙げる
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第31期(2015年12月期)【事業の状況】
- [10]2015年12月期の国内販売数量1,092億本(前年同一期間比2.8%減)、シェア59.9%
取得の効果は数量ではなくシェアに表れた。2016年12月期の国内販売数量は1,062億本とさらに減ったが、シェアは59.9%から61.1%へ上がった。2016年度の会長・社長メッセージは、この取得と MEVIUS の定価改定で国内たばこ事業が利益を伸ばしたと総括し、為替を除く全社の調整後営業利益の伸びは中長期目標を上回る11.3%に達した。コストの側では2015年3月に郡山・浜松・岡山印刷の3工場、2016年3月に平塚工場を閉じた。2017年の経営計画は、国内の次の手としてこのブランドの自社製造と、紙巻きとは別の T-Vapor 分野への投資を並べていた。
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第32期(2016年12月期)【事業の状況】
- [11]2016年12月期の国内販売数量1,062億本、シェア61.1%(前年59.9%)
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2016年度」会長及び社長からのメッセージ(丹呉泰健・小泉光臣)
- [12]Natural American Spirit 取得と MEVIUS の定価改定で国内たばこ事業が利益成長。為替影響を除く全社調整後営業利益は11.3%成長
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- [13]2015年3月 郡山・浜松・岡山印刷工場を閉鎖、2016年3月 平塚工場を閉鎖
- 日本たばこ産業「経営計画2017」投資家説明会資料(2017年)
- [14]国内たばこの施策に Natural American Spirit 自社製造と T-Vapor カテゴリーへの投資
参考文献[1]-[14]
- 日本たばこ産業 ニュースリリース「飲料製品の製造販売事業からの撤退について」(2015年2月4日)
- [1]2015年2月4日 JT飲料製品の製造販売事業から2015年9月末をめどに撤退すると発表。1988年参入、市場の成熟・規模の構造・商品ライフサイクルの短期化
- [2]2015年2月4日 JT飲料製品の製造販売事業から2015年9月末をめどに撤退すると発表。1988年参入、市場の成熟・規模の構造・商品ライフサイクルの短期化
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2014年度」CEOビジネスレビュー(代表取締役社長 小泉光臣)
- [3]飲料市場の成熟と規模の必要から、中長期にグループ利益への貢献は困難と結論
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2015 連結財務諸表注記38「Discontinued Operations」
- [4]2015年7月31日 自販機オペレーター子会社の株式をSuntory Beverage & Foodへ譲渡、9月末に飲料製品の製造販売を終了
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- [5]2015年7月 ジャパンビバレッジホールディングス・ジェイティエースター等の株式と「Roots」「桃の天然水」を譲渡、12月に飲料事業部を廃止
- [13]2015年3月 郡山・浜松・岡山印刷工場を閉鎖、2016年3月 平塚工場を閉鎖
- 日本たばこ産業 2015年12月期第2四半期決算 IR 主要Q&A(2015年7月30日)
- [6]撤退費用を織り込むが自販機オペレーター事業の株式譲渡益を見込み、営業利益・当期利益の見込みを大幅に上方修正
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第31期(2015年12月期)【経営上の重要な契約等】
- [7]2015年9月29日 Natural American Spirit の米国外商標権と米国外子会社9社の全株式を約50億米ドル(約5,922億円)で取得する契約を締結
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第32期(2016年12月期)【企業結合】
- [8]2016年1月13日 取得完了。のれんと商標権は国内たばこ事業に計上
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2015「Message from the Chairman & CEO」(丹呉泰健・小泉光臣)
- [9]日本での高成長と、高価格帯での存在感の拡大が継続課題であったことを取得の理由に挙げる
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第31期(2015年12月期)【事業の状況】
- [10]2015年12月期の国内販売数量1,092億本(前年同一期間比2.8%減)、シェア59.9%
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第32期(2016年12月期)【事業の状況】
- [11]2016年12月期の国内販売数量1,062億本、シェア61.1%(前年59.9%)
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2016年度」会長及び社長からのメッセージ(丹呉泰健・小泉光臣)
- [12]Natural American Spirit 取得と MEVIUS の定価改定で国内たばこ事業が利益成長。為替影響を除く全社調整後営業利益は11.3%成長
- 日本たばこ産業「経営計画2017」投資家説明会資料(2017年)
- [14]国内たばこの施策に Natural American Spirit 自社製造と T-Vapor カテゴリーへの投資
2017年〜Ploom TECH の全国展開の後れと、たばこ事業のジュネーブへの一本化
加熱式を含む RRP が国内たばこ市場に占める比率は、2016年の3%から2017年に12%、2018年に21%へ跳ね上がった。JT の Ploom TECH は、2017年末に製造能力を月産2,000万パックへ上げ、同年6月から東京で順に売り、全国への拡販は2018年上半期に置く段取りだった。2018年に社長となった寺畠正道氏は年報で、国内の RRP 需要について『despite being the leader in the Japanese market, JT did not notice that need.』(訳:日本市場の首位にありながら、JT はその需要に気づかなかった)と書き、消費者が他社製品へ移ったことを認めた。2017年度の年報でも、急に広がった国内 RRP 市場への対応の遅れを計画外の出来事に挙げ、以後は RRP を国内たばこ事業の成長の柱として資源を優先して振り向けると表明した。
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2018「Message from the CEO」(寺畠正道)
- [15]国内たばこ市場に占める RRP の比率 2016年3%・2017年12%・2018年21%。首位にありながら需要に気づかず、消費者が他社製品へ移行
- [17]国内たばこ市場に占める RRP の比率 2016年3%・2017年12%・2018年21%。首位にありながら需要に気づかず、消費者が他社製品へ移行
- 日本たばこ産業「経営計画2017」投資家説明会資料(2017年)
- [16]Ploom TECH 製造能力 2017年末に月産20百万パック、2017年6月以降東京で順次拡販、2018年上半期に全国拡販開始
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2017年度」CEOビジネスレビュー(寺畠正道)
- [18]急激に拡大した国内 RRP 市場への対応の遅れ。Ploom TECH を含む RRP を国内たばこ事業成長の柱とし優先的に資源配分
寺畠正道氏は2018年1月に執行役員社長、3月に代表取締役社長に就いた。2014年から JT International S.A. で RRP の事業を担い、製造と研究開発の強化に投資してきた経歴を持つ。就任した年の6月に Ploom TECH を全国で売り出し、2019年1月には蒸気量を増やした Ploom TECH+ と高温加熱型の Ploom S を加え、2020年までに RRP へ累計2,000億円を投じる見通しを示した。それでも2019年は RRP の販売数量の前提を2度下げることになり、同年上期の国内 RRP カテゴリーで JT のシェアは8%程度にとどまった。紙巻きで6割のシェアを握る立場が、需要の移り変わりを見るうえでかえって目を曇らせたと思われる。
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【役員の状況】
- [19]寺畠正道 2018年1月 執行役員社長、2018年3月 代表取締役社長
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2018「Message from the CEO」(寺畠正道)
- [20]2014年から JTI で RRP 事業を担当し製造・研究開発に投資。2019年1月に Ploom TECH+ と高温加熱型 Ploom S を発売。2020年までに RRP へ累計2,000億円の投資を見込む
- [22]2014年から JTI で RRP 事業を担当し製造・研究開発に投資。2019年1月に Ploom TECH+ と高温加熱型 Ploom S を発売。2020年までに RRP へ累計2,000億円の投資を見込む
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- [21]2018年6月 Ploom TECH を全国発売
- 日本たばこ産業「統合報告書 2019」CEOメッセージ(寺畠正道)
- [23]2019年は RRP 販売数量前提を2度下方修正
- 日本たばこ産業 2019年12月期第2四半期決算説明資料(2019年7月31日)
- [24]2019年上期 Ploom TECH+ の全国拡販で RRP 販売数量増、RRP カテゴリー内の JT シェアは8%程度
2021年2月、JT は国内と海外に分かれていたたばこ事業を一つにまとめると発表し、2022年1月に本社機能をスイスのジュネーブへ集めた。同じ年に次世代機の Ploom X を日本で売り出し、加熱式のスティック製品へ資源を優先して回す方針を固めた。寺畠正道社長は統合報告書で、新体制の狙いを名実ともにグローバルな企業へ進むことに置いたと説明した。ロシアでは2022年3月10日に新規投資と Ploom X の発売計画を止め、国内外の制裁を守りながら事業は続けた。10月には米国での加熱式の商業化に向けて Altria Group と合弁会社を設けることで合意し、2023年12月には日本の加熱式スティック市場で JT のシェアが11.4%、Ploom X の展開は13市場に届いた。
- 日本たばこ産業 2021年12月期第2四半期決算説明資料(2021年7月30日)
- [25]2021年上期に Ploom X を発売。2021年2月にたばこ事業の一本化を発表
- [27]2021年上期に Ploom X を発売。2021年2月にたばこ事業の一本化を発表
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- [26]2022年1月 国内・海外たばこ事業を一本化し、たばこ事業の本社機能をジュネーブ拠点に統合
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2022「Tobacco business」
- [28]2021年に表明した HTS への優先的な資源配分。2022年3月10日にロシアでの新規投資と Ploom X の発売計画を停止
- [30]2021年に表明した HTS への優先的な資源配分。2022年3月10日にロシアでの新規投資と Ploom X の発売計画を停止
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2022「Message from the CEO」(寺畠正道)
- [29]新たなたばこ事業体制の狙いは名実ともにグローバル企業への進化。ロシアでは制裁を順守し新規投資とマーケティングを止めて事業を継続
- [31]新たなたばこ事業体制の狙いは名実ともにグローバル企業への進化。ロシアでは制裁を順守し新規投資とマーケティングを止めて事業を継続
- 日本たばこ産業 2022年12月期第3四半期決算説明資料(2022年10月31日)
- [32]米国での HTS 商業化を目的に Altria Group と合弁会社を設立することで合意
- 日本たばこ産業 2023年12月期決算説明資料(2024年2月13日)
- [33]2023年12月時点 日本の HTS カテゴリ内シェア11.4%、Ploom X 展開市場数13
参考文献[15]-[33]
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2018「Message from the CEO」(寺畠正道)
- [15]国内たばこ市場に占める RRP の比率 2016年3%・2017年12%・2018年21%。首位にありながら需要に気づかず、消費者が他社製品へ移行
- [17]国内たばこ市場に占める RRP の比率 2016年3%・2017年12%・2018年21%。首位にありながら需要に気づかず、消費者が他社製品へ移行
- [20]2014年から JTI で RRP 事業を担当し製造・研究開発に投資。2019年1月に Ploom TECH+ と高温加熱型 Ploom S を発売。2020年までに RRP へ累計2,000億円の投資を見込む
- [22]2014年から JTI で RRP 事業を担当し製造・研究開発に投資。2019年1月に Ploom TECH+ と高温加熱型 Ploom S を発売。2020年までに RRP へ累計2,000億円の投資を見込む
- 日本たばこ産業「経営計画2017」投資家説明会資料(2017年)
- [16]Ploom TECH 製造能力 2017年末に月産20百万パック、2017年6月以降東京で順次拡販、2018年上半期に全国拡販開始
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2017年度」CEOビジネスレビュー(寺畠正道)
- [18]急激に拡大した国内 RRP 市場への対応の遅れ。Ploom TECH を含む RRP を国内たばこ事業成長の柱とし優先的に資源配分
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【役員の状況】
- [19]寺畠正道 2018年1月 執行役員社長、2018年3月 代表取締役社長
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- [21]2018年6月 Ploom TECH を全国発売
- [26]2022年1月 国内・海外たばこ事業を一本化し、たばこ事業の本社機能をジュネーブ拠点に統合
- 日本たばこ産業「統合報告書 2019」CEOメッセージ(寺畠正道)
- [23]2019年は RRP 販売数量前提を2度下方修正
- 日本たばこ産業 2019年12月期第2四半期決算説明資料(2019年7月31日)
- [24]2019年上期 Ploom TECH+ の全国拡販で RRP 販売数量増、RRP カテゴリー内の JT シェアは8%程度
- 日本たばこ産業 2021年12月期第2四半期決算説明資料(2021年7月30日)
- [25]2021年上期に Ploom X を発売。2021年2月にたばこ事業の一本化を発表
- [27]2021年上期に Ploom X を発売。2021年2月にたばこ事業の一本化を発表
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2022「Tobacco business」
- [28]2021年に表明した HTS への優先的な資源配分。2022年3月10日にロシアでの新規投資と Ploom X の発売計画を停止
- [30]2021年に表明した HTS への優先的な資源配分。2022年3月10日にロシアでの新規投資と Ploom X の発売計画を停止
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2022「Message from the CEO」(寺畠正道)
- [29]新たなたばこ事業体制の狙いは名実ともにグローバル企業への進化。ロシアでは制裁を順守し新規投資とマーケティングを止めて事業を継続
- [31]新たなたばこ事業体制の狙いは名実ともにグローバル企業への進化。ロシアでは制裁を順守し新規投資とマーケティングを止めて事業を継続
- 日本たばこ産業 2022年12月期第3四半期決算説明資料(2022年10月31日)
- [32]米国での HTS 商業化を目的に Altria Group と合弁会社を設立することで合意
- 日本たばこ産業 2023年12月期決算説明資料(2024年2月13日)
- [33]2023年12月時点 日本の HTS カテゴリ内シェア11.4%、Ploom X 展開市場数13
2024年〜Vector Group の取得と医薬事業の塩野義製薬への承継、筒井岳彦氏への交代
2024年10月、JT は米国の Vector Group Ltd. の発行済株式を取得した。統合報告書2025のたばこ事業の報告によれば、この取得で JT は中国を除く世界最大かつ最も利益の厚い紙巻き市場である米国で第4位の事業者になった。寺畠正道社長は同じ報告書で、投下資本の回収効率が上がり、為替の振れに強いハードカレンシー建ての現金を安定して得られることを効果に挙げた。同じメッセージは、RRP を2028年末までに事業として黒字にし、日本とイタリアなど主要市場で加熱式スティックのシェアを10%台半ばへ上げる目標も置いた。2025年度の決算説明は、Vector Group の統合が紙巻きの伸びを押し上げたと総括している。
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- [34]2024年10月 米国 Vector Group Ltd. の発行済株式を取得
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2025「Tobacco business」
- [35]Vector Group の取得で中国を除く最大かつ最も収益性の高い紙巻き市場である米国で第4位の事業者に
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2025「CEO message」(寺畠正道)
- [36]Vector 取得で ROI 改善、米国での存在感拡大、為替変動に強いハードカレンシーの安定的なキャッシュ創出。RRP は2028年末までに黒字化、主要市場で HTS シェア10%台半ば
- [37]Vector 取得で ROI 改善、米国での存在感拡大、為替変動に強いハードカレンシーの安定的なキャッシュ創出。RRP は2028年末までに黒字化、主要市場で HTS シェア10%台半ば
- 日本たばこ産業「経営計画2026」2025年度決算説明会資料(2026年2月12日)
- [38]Combustibles は Vector Group Ltd. の統合が成長を後押し
2025年5月7日、JT は医薬事業を吸収分割で塩野義製薬へ引き継がせ、54.78%を持つ上場子会社の鳥居薬品の株式もすべて手放すことで合意した。臨時報告書は理由として、画期的な新薬を生む難度が上がり、巨大製薬企業の巨額投資で開発競争が激しくなったことに加え、たばこ製品をめぐる議論が研究開発の制約になったことを挙げた。寺畠正道社長は、『we have determined that the best option is to transfer the pharmaceutical business to Shionogi, a specialized pharmaceutical company that values both the pharmaceutical business and Torii with a focus on new drug discovery.』(訳:新薬創出を重んじる専業の製薬会社である塩野義製薬へ医薬事業を承継するのが最善と判断した)と記した。塩野義製薬が少数株主から1株6,350円の公開買付けで株を集め、JT は1株4,568円で鳥居薬品の自己株式取得に応じた。2024年12月期の医薬の売上収益は連結の3.0%にすぎず、12月1日の分割の効力発生で報告セグメントはたばこと加工食品の二つになった。
- 日本たばこ産業 臨時報告書「医薬事業の吸収分割による塩野義製薬への承継」(2025年5月7日)
- [39]2025年5月7日 医薬事業の塩野義製薬への吸収分割による承継と鳥居薬品株式(議決権54.78%)の譲渡に合意。理由は新薬創出のハードル上昇、グローバルメガファーマとの開発競争の激化、たばこ製品をめぐる議論による研究開発の制約
- [40]2025年5月7日 医薬事業の塩野義製薬への吸収分割による承継と鳥居薬品株式(議決権54.78%)の譲渡に合意。理由は新薬創出のハードル上昇、グローバルメガファーマとの開発競争の激化、たばこ製品をめぐる議論による研究開発の制約
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2025「CEO message」(寺畠正道)
- [41]新薬創出を重視し医薬事業と鳥居薬品を評価する塩野義製薬への承継が最善と判断。完了後の事業はたばこと加工食品の2セグメント
- 塩野義製薬 公開買付届出書「鳥居薬品株式会社株式に対する公開買付け」(2025年5月8日)
- [42]公開買付価格1株6,350円、JT は不応募とし鳥居薬品の自己株式取得に1株4,568円で応じる
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第40期(2024年12月期)注記「事業セグメント」
- [43]2024年12月期 医薬事業の売上収益94,464百万円、連結売上収益3,149,759百万円
- 日本たばこ産業 訂正臨時報告書(2025年9月25日)
- [44]吸収分割の効力発生日を2025年12月1日と決定
後継の推挙は RRP の世界展開と医薬事業の譲渡に見通しが立った段階で人事・報酬諮問委員会へ示され、2025年11月に公表された。筒井岳彦氏は2026年1月に執行役員社長となり、3月25日の総会後の取締役会で代表取締役社長に選ばれ、寺畠正道氏は取締役副会長へ移った。筒井氏は2020年から JT International S.A. に籍を置き、2025年まで RRP 事業を世界で率いて Ploom AURA の展開を主導した。就任後のメッセージでは多角化について『we have not yet reached the state we originally envisioned』(訳:当初思い描いた姿にはまだ届いていない)と書いた。最初の経営計画2026は、2026年から3年間で RRP へ約8,000億円を投じ、配当性向75%を目安とする方針を掲げた。医薬を外した JT は、紙巻きの現金を加熱式へ注ぐ筋へ経営を絞ったといえよう。
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2026「Roundtable Discussion with Directors」
- [45]RRP の世界展開と医薬事業の譲渡に目途が立った段階で筒井岳彦氏の推挙を人事・報酬諮問委員会へ説明し、2025年11月に公表。筒井氏は RRP のグローバル運営体制を築き Ploom AURA の開発と展開を主導
- [48]RRP の世界展開と医薬事業の譲渡に目途が立った段階で筒井岳彦氏の推挙を人事・報酬諮問委員会へ説明し、2025年11月に公表。筒井氏は RRP のグローバル運営体制を築き Ploom AURA の開発と展開を主導
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【役員の状況】
- [46]筒井岳彦 2020年1月 JT International S.A. Senior Vice President、2024年3月 Executive Vice President、2026年1月 執行役員社長。寺畠正道は取締役副会長へ
- [47]筒井岳彦 2020年1月 JT International S.A. Senior Vice President、2024年3月 Executive Vice President、2026年1月 執行役員社長。寺畠正道は取締役副会長へ
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2026「CEO Message」(筒井岳彦)
- [49]筒井岳彦 CEO:グローバル化を最優先に進め、多角化は一定の成果を得たが当初の構想には届いていない。RRP は2025年まで自ら世界で率いた
- 日本たばこ産業「経営計画2026」2025年度決算説明会資料(2026年2月12日)(JT Group CEO 筒井岳彦)
- [50]2026-2028年の3年間で RRP へ約8,000億円の投資を計画、配当性向75%を目安
参考文献[34]-[50]
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- [34]2024年10月 米国 Vector Group Ltd. の発行済株式を取得
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2025「Tobacco business」
- [35]Vector Group の取得で中国を除く最大かつ最も収益性の高い紙巻き市場である米国で第4位の事業者に
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2025「CEO message」(寺畠正道)
- [36]Vector 取得で ROI 改善、米国での存在感拡大、為替変動に強いハードカレンシーの安定的なキャッシュ創出。RRP は2028年末までに黒字化、主要市場で HTS シェア10%台半ば
- [37]Vector 取得で ROI 改善、米国での存在感拡大、為替変動に強いハードカレンシーの安定的なキャッシュ創出。RRP は2028年末までに黒字化、主要市場で HTS シェア10%台半ば
- [41]新薬創出を重視し医薬事業と鳥居薬品を評価する塩野義製薬への承継が最善と判断。完了後の事業はたばこと加工食品の2セグメント
- 日本たばこ産業「経営計画2026」2025年度決算説明会資料(2026年2月12日)
- [38]Combustibles は Vector Group Ltd. の統合が成長を後押し
- 日本たばこ産業 臨時報告書「医薬事業の吸収分割による塩野義製薬への承継」(2025年5月7日)
- [39]2025年5月7日 医薬事業の塩野義製薬への吸収分割による承継と鳥居薬品株式(議決権54.78%)の譲渡に合意。理由は新薬創出のハードル上昇、グローバルメガファーマとの開発競争の激化、たばこ製品をめぐる議論による研究開発の制約
- [40]2025年5月7日 医薬事業の塩野義製薬への吸収分割による承継と鳥居薬品株式(議決権54.78%)の譲渡に合意。理由は新薬創出のハードル上昇、グローバルメガファーマとの開発競争の激化、たばこ製品をめぐる議論による研究開発の制約
- 塩野義製薬 公開買付届出書「鳥居薬品株式会社株式に対する公開買付け」(2025年5月8日)
- [42]公開買付価格1株6,350円、JT は不応募とし鳥居薬品の自己株式取得に1株4,568円で応じる
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第40期(2024年12月期)注記「事業セグメント」
- [43]2024年12月期 医薬事業の売上収益94,464百万円、連結売上収益3,149,759百万円
- 日本たばこ産業 訂正臨時報告書(2025年9月25日)
- [44]吸収分割の効力発生日を2025年12月1日と決定
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2026「Roundtable Discussion with Directors」
- [45]RRP の世界展開と医薬事業の譲渡に目途が立った段階で筒井岳彦氏の推挙を人事・報酬諮問委員会へ説明し、2025年11月に公表。筒井氏は RRP のグローバル運営体制を築き Ploom AURA の開発と展開を主導
- [48]RRP の世界展開と医薬事業の譲渡に目途が立った段階で筒井岳彦氏の推挙を人事・報酬諮問委員会へ説明し、2025年11月に公表。筒井氏は RRP のグローバル運営体制を築き Ploom AURA の開発と展開を主導
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【役員の状況】
- [46]筒井岳彦 2020年1月 JT International S.A. Senior Vice President、2024年3月 Executive Vice President、2026年1月 執行役員社長。寺畠正道は取締役副会長へ
- [47]筒井岳彦 2020年1月 JT International S.A. Senior Vice President、2024年3月 Executive Vice President、2026年1月 執行役員社長。寺畠正道は取締役副会長へ
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2026「CEO Message」(筒井岳彦)
- [49]筒井岳彦 CEO:グローバル化を最優先に進め、多角化は一定の成果を得たが当初の構想には届いていない。RRP は2025年まで自ら世界で率いた
- 日本たばこ産業「経営計画2026」2025年度決算説明会資料(2026年2月12日)(JT Group CEO 筒井岳彦)
- [50]2026-2028年の3年間で RRP へ約8,000億円の投資を計画、配当性向75%を目安
2015年〜2026年の業績
| 決算期 | 区分 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 主な投資 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 億円 | YoY | 億円 | 億円 | 利益率 | |||
| 2015年12月期 | 連結 | 22,528 | n/a | 5,652 | 4,856 | 21.6% | n/a |
| 2016年12月期 | 連結 | 21,432 | ▲4.9% | 5,933 | 4,216 | 19.7% | n/a |
| 2017年12月期 | 連結 | 21,396 | ▲0.2% | 5,611 | 3,924 | 18.3% | n/a |
| 2018年12月期 | 連結 | 22,159 | +3.6% | 5,650 | 3,856 | 17.4% | n/a |
| 2019年12月期 | 連結 | 21,756 | ▲1.8% | 5,024 | 3,481 | 16.0% | n/a |
| 2020年12月期 | 連結 | 20,925 | ▲3.8% | 4,691 | 3,102 | 14.8% | n/a |
| 2021年12月期 | 連結 | 23,248 | +11.1% | 4,990 | 3,384 | 14.6% | n/a |
| 2022年12月期 | 連結 | 26,578 | +14.3% | 6,536 | 4,427 | 16.7% | n/a |
| 2023年12月期 | 連結 | 28,410 | +6.9% | 6,724 | 4,822 | 17.0% | n/a |
| 2024年12月期 | 連結 | 30,567 | +7.6% | 3,142 | 1,792 | 5.9% | n/a |
| 2025年12月期 | 連結 | 34,676 | +13.4% | 8,670 | 5,101 | 14.7% | n/a |
| 2026年 | n/a | n/a | n/a | n/a | n/a | n/a | n/a |
出所:有価証券報告書
出典・参考
32件
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2014年度」CEOビジネスレビュー(代表取締役社長 小泉光臣)
- 日本たばこ産業 ニュースリリース「飲料製品の製造販売事業からの撤退について」(2015年2月4日)
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第31期(2015年12月期)【経営上の重要な契約等】
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第31期(2015年12月期)【事業の状況】
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第32期(2016年12月期)【企業結合】
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第32期(2016年12月期)【事業の状況】
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2016年度」会長及び社長からのメッセージ(丹呉泰健・小泉光臣)
- 日本たばこ産業「アニュアルレポート 2017年度」CEOビジネスレビュー(寺畠正道)
- 日本たばこ産業「統合報告書 2019」CEOメッセージ(寺畠正道)
- 日本たばこ産業 2019年12月期第2四半期決算説明資料(2019年7月31日)
- 日本たばこ産業 2021年12月期第2四半期決算説明資料(2021年7月30日)
- 日本たばこ産業 2022年12月期第3四半期決算説明資料(2022年10月31日)
- 日本たばこ産業 2023年12月期決算説明資料(2024年2月13日)
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第40期(2024年12月期)注記「事業セグメント」
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【沿革】
- 日本たばこ産業 有価証券報告書 第41期(2025年12月期)【役員の状況】
- 日本たばこ産業「経営計画2026」2025年度決算説明会資料(2026年2月12日)
- 日本たばこ産業「経営計画2026」2025年度決算説明会資料(2026年2月12日)(JT Group CEO 筒井岳彦)
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2015 連結財務諸表注記38「Discontinued Operations」
- 日本たばこ産業 2015年12月期第2四半期決算 IR 主要Q&A(2015年7月30日)
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2015「Message from the Chairman & CEO」(丹呉泰健・小泉光臣)
- 日本たばこ産業「経営計画2017」投資家説明会資料(2017年)
- Japan Tobacco Inc. Annual Report 2018「Message from the CEO」(寺畠正道)
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2022「Tobacco business」
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2022「Message from the CEO」(寺畠正道)
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2025「Tobacco business」
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2025「CEO message」(寺畠正道)
- 日本たばこ産業 臨時報告書「医薬事業の吸収分割による塩野義製薬への承継」(2025年5月7日)
- 塩野義製薬 公開買付届出書「鳥居薬品株式会社株式に対する公開買付け」(2025年5月8日)
- 日本たばこ産業 訂正臨時報告書(2025年9月25日)
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2026「Roundtable Discussion with Directors」
- Japan Tobacco Inc. Integrated Report 2026「CEO Message」(筒井岳彦)