フォルクスワーゲン提携解消(2009年・スズキの決断)更新:2026/08/03スズキ:業績の推移売上高(億円)営業利益率(%)データ出所独最大手との資本提携と、一年九カ月で終わった蜜月の終幕2009年12月、スズキが独フォルクスワーゲン(VW)と資本・業務の両面にわたる包括提携の契約に調印した経営判断。2006年にGMから買い戻していた金庫株19.9%を第三者割当でVWへ譲渡し、環境技術の供与を期待した。しかし経営の自主独立をめぐる齟齬が埋まらず、2011年9月に解消を表明、同年11月に契約を解除した。提携期間は1年9カ月にとどまる。何をなぜ決めたか:独最大手との資本提携と、一年九カ月で終わった蜜月の終幕概要2009年12月、スズキが独フォルクスワーゲン(VW)と資本・業務の両面にわたる包括提携の契約に調印した経営判断。2006年にGMから買い戻していた金庫株19.9%を第三者割当でVWへ譲渡し、環境技術の供与を期待した。しかし経営の自主独立をめぐる齟齬が埋まらず、2011年9月に解消を表明、同年11月に契約を解除した。提携期間は1年9カ月にとどまる。背景長年の提携相手だったGMが経営危機から2008年にスズキ株を売却し、資本関係が解消された。スズキが望んだ結末ではない。販売台数230万台は独立独歩を保てる水準にあり、自動車危機のさなかも在庫圧縮で赤字転落を免れていたが、環境技術の開発で後れをとるという不安が残っていた。VWはハイブリッド車や電気自動車の実用化が目前にあり、小型車のダウンサイジング競争でスズキの低コスト技術を欲していた。内容出資比率を19.9%に抑えることでVWへの連結を避け、役員派遣も伴わない形とした。だが技術の利用には制約が付き、機構や設計思想の違いから技術自体を使うことも難しかった。スズキが1.6リットルのディーゼルエンジンを伊フィアットから調達すると決めると、VWは競合他社との提携にあたると反発し、溝が決定的になった。含意世界販売1000万台を目標に覇権を追うVWと、自主独立を譲らないスズキの考えは、提携の出発点から食い違っていた。VWは、出資比率を引き上げるよう暗に迫っていたのである。スズキは国際仲裁裁判所に申し立て、VWが保有する株(時価約1700億円)をスズキへ売却するよう求め、2015年に決着をみた。2019年のトヨタとの資本提携で、役員派遣も拒否権も設けない形をスズキが選んだのは、この経験を踏まえたものと思われる。いつ何が起きたか5件参考文献参考文献参考スズキ 有価証券報告書 第159期(2024年3月期)【沿革】次に読む決断同じ問い:資本提携と政策保有2008年TOYOTIRETOYOTIREブリヂストンと資本提携業界首位を相手にした業務提携と、対等ではない株式の持ち合い2008年2008年三菱UFJFG三菱UFJFGモルガン・スタンレー出資リーマン危機のさなかに踏み切った米投資銀行への90億米ドルの資本投入2008年2008年ジャックスジャックス三菱UFJの系列入り20%出資の受け入れと、三菱UFJニコスの個品割賦承継2008年2011年SWCCSWCC中国・富通集団と資本提携第三者割当増資による筆頭株主の交代と、業務面にまで及ぶ協業2011年2007年日本製鉄日本製鉄ミタルと提携し資本防衛世界最大手の攻勢に備えた提携覚書の締結と、3社連合による資本防衛2007年スズキの意思決定1997年スズキスズキマルチ・ウドヨグ人事紛争合弁の社長人事を巡るインド政府との対立と、国際仲裁への持ち込み1997年2018年スズキスズキ燃費・完成検査不正二度の検査不正の発覚と、外部調査・リコール・1,700億円規模の再発防止投資2018年×出所