決断
規模を他社から借りずに済ませる手立てを、技術の側で用意してきた。1963年に四輪へ後発参入し、排出ガス規制と業界再編の圧力に対しては、提携ではなくCVCCエンジンを独力で開発して規制に適合させる。1973年10月には創業者2人が好調のさなかに同時に引退し、創業一族でない河島喜好氏へ承継している。1990年代の世界的な合併の波でも規模の拡大を退け、RVへの集中と社内改革で単独のまま通した。2021年4月には2040年に四輪をEVとFCVのみにすると宣言し、2024年12月には日産との経営統合の協議へ入ったが、二カ月弱で打ち切っている。技術で規模を代替できるうちは単独で通ったが、EVとソフトウェアの開発費だけは台数で割るほかなく、単独路線はそこで初めて限界に達した。
2026年3月 四輪電動化戦略の見直し
四輪事業の売上収益と営業利益率2025 2026 売上収益(億円) 141,692 138,634 営業利益率(%) 1.7 -10.2 2025年 日産との統合協議打切
研究開発支出2024 2025 2026 うち四輪事業(兆円) 0.9 1.1 1.0 四輪事業以外(億円) 1,064 1,364 1,456 2021年4月 脱エンジン宣言
脱エンジン宣言EV化とソフトウェア定義車両という技術潮流と、各国の脱炭素規制の強まりに対し、内燃機関に依存した事業構造を2040年までに全面電動化へ切り替えると宣言し、以後の再編の上位命題に据えた判断業績の推移2020 2021 2026 売上高(兆円) 14.9 13.2 21.8 営業利益率(%) 4.2 5.0 -1.9 2021年 スウィンドン工場の閉鎖
業績の推移2020 2021 2026 売上高(兆円) 14.9 13.2 21.8 営業利益率(%) 4.2 5.0 -1.9 2021年 早期退職優遇制度導入
早期退職優遇制度導入電動化への転換と国内の生産集約が重なるなかで、提出会社の従業員へ早期退職の割増を払い、2期で退職特別加算金429億円を計上して差し引き2,716名を送り出した人員構成の見直し同じ経営論点に直面した企業 | 構造改革・リストラ提出会社の従業員数2021 2022 2025 従業員数(名) 35,781 34,067 32,088 臨時従業員(名) 3,964 2,794 2,809 2017年10月 狭山工場閉鎖し寄居集約
狭山工場閉鎖し寄居集約国内四輪市場の縮小と生産能力の余剰、電動化への投資負担を背景に、1964年以来の狭山工場を畳み、最新設備を備える寄居工場へ国内四輪生産を集約して固定費と稼働率を改善する再編同じ経営論点に直面した企業 | 構造改革・リストラ日本での四輪車生産台数2017 2018 2023 日本での生産台数(千台) 810 829 643 1995年1月 RV集中と単独路線の堅持
RV集中と単独路線の堅持合併説が出るほど業績が落ちたなかで規模の拡大を退け、RVへの集中と社長への権限集中で単独のまま立て直した判断同じ経営論点に直面した企業 | 構造改革・リストラ業績の推移1994 1995 2000 売上高(兆円) 3.9 4.0 6.1 純利益率(%) 0.6 1.6 4.3 1978年3月 HAMによる北米現地生産
業績の推移1977 1978 1983 売上高(兆円) 0.7 0.8 1.7 経常利益率(%) 4.9 4.2 2.9 1974年 CVCCエンジンの開発
業績の推移1973 1974 1979 売上高(億円) 3,277 3,668 9,223 純利益率(%) 3.8 3.1 1.7 1973年10月 河島喜好氏への承継
河島喜好氏への承継創業者2人が好調のさなかに世襲を退けて同時に引退し、創業一族でない河島喜好氏へ承継、一人の求心力に頼る個人経営から全員参加の組織経営へ移行した事業承継同じ経営論点に直面した企業 | 経営体制・承継業績の推移1972 1973 1978 売上高(億円) 3,329 3,277 8,496 純利益率(%) 3.7 3.8 2.1 1948年9月 本田宗一郎の創業
1946年10月 本田技術研究所の創業