村田製作所:円建て輸出を支えた技術開発本部と中国・深圳での生産会社設立
1993年〜円建て輸出の国内生産と、技術開発本部の新設
1991年に社長を継いだ村田泰隆氏は、1993年の円高局面でも製品販売の約9割を円で決済する取引を崩さなかった。円建てへの統一は1979年の石油危機のころに決めたもので、為替による収益の振れを抑える狙いがあった。営業の第一線にまで円での原価意識を行き渡らせることも、統一の目的に含まれていた。このころ主力のチップ積層セラミックコンデンサは平均単価が1円前後で、毎年2〜3%の値下げを求められていた。材料費が製造原価の約4割を占め、後工程もほぼ自動化されていたことから、村田製作所は工場を低賃金国へ移さなかった。値下げ要請には、1960年代から機械化と合理化で応じてきた経緯もあった。円建てを貫けたのは、国内で原価を下げ続ける工法があってこそだったとみられる。
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- [1]1993年時点で製品販売の90%前後が円決済(泉谷裕専務)
- [4]チップ積層セラミックコンデンサは売上の約3分の1、平均単価1円前後で、毎年2〜3%の値下げ要求を受ける
- [5]セラミックスの材料費は製造原価の平均40%、後工程もほぼ自動化され、海外移転で労働コストの安さを享受できない(村田恒夫常務)
- 日経ビジネス 1995年6月12日号
- [2]円建ては約15年前の石油ショック時に統一。為替による収益変動を抑え、営業の第一線まで円でのコスト意識を徹底させる狙い(村田泰隆社長)
- [3]円建ては約15年前の石油ショック時に統一。為替による収益変動を抑え、営業の第一線まで円でのコスト意識を徹底させる狙い(村田泰隆社長)
- 実業往来 501 1994年
- [6]昭和30年代後半〜40年代、同業が東南アジアへ移る中で値下げ要請に機械化・合理化で対応した
国内で原価を下げ続ける力を組み直すため、村田泰隆氏は1993年12月1日に技術本部を廃止した。技術本部は、長期の生産技術を開発する技術開発本部と、生産機械の開発を担う生産支援本部に分かれた。狙いは、主力に育てたいモジュール部品で開発の完了から納入までの期間を縮めることにあった。部署をまたぐ技術のつながりは、1992年に正式に始めた技術小集団活動「STEP」で補った。全社の技術者約1800人を28の技術単位に登録させ、報告会で部署を越えて成果を共有させた。技術者の勘に依存した創業期の開発を、要素技術ごとに管理する方式へ改める試みでもあった。個人の技量に頼る開発を、組織の仕組みで進める開発へ改める改革だったと考えられる。
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- [7]1993年12月1日、技術本部を廃止し、長期的な生産技術を開発する技術開発本部と生産機械開発などを担う生産支援本部に分離
- [8]1993年12月1日、技術本部を廃止し、長期的な生産技術を開発する技術開発本部と生産機械開発などを担う生産支援本部に分離
- [9]組織改革の目的はモジュール部品で開発終了から製品納入までの期間を短くすること(村田泰隆社長)
- 研究開発マネジメント 4(5) 1994年「事例4 村田製作所 技術小集団活動「STEP」の運営と活動」黒中博
- [10]STEPは1989年に構想をまとめ1992年に正式スタート。技術者1800名余りを28のテクノロジーユニットに登録し、テクノロジーフォーラムで技術交流
- [11]STEPは1989年に構想をまとめ1992年に正式スタート。技術者1800名余りを28のテクノロジーユニットに登録し、テクノロジーフォーラムで技術交流
- 日経ビジネス 1998年10月12日号
- [12]社長就任後、名人芸やカンに頼った技術開発を改め、要素技術を分解して強化する戦略的技術プログラムを92年に開始
国内生産を軸にしたまま、村田製作所は1993年5月にマレーシアへ生産・販売会社を設けた。1994年には7月に北京、12月に無錫と、中国にも生産・販売会社を相次いで置いた。海外に出る基準は需要のある場所で作って売るという方針で、人件費の安さではなかった。ただしセラミックの材料はすべて国内で作り、海外の拠点は日本から輸入したシートで後工程だけを担った。中国への進出が同業より遅れたのは、現地で部品材料を調達する体制が整うのを待ったためだった。名誉会長の村田昭氏は、低賃金を目当てにアジアへ出れば品質と納期の管理が緩むと戒めていた。材料を国内に残す限り、工法の中身は海外へ出ない構えだったのだろう。
- 村田製作所 有価証券報告書 第70期(2006年3月期)
- [13]沿革:平成5年5月マレーシアに生産・販売会社、平成6年7月北京、平成6年12月無錫に生産・販売会社を設立
- [14]沿革:平成5年5月マレーシアに生産・販売会社、平成6年7月北京、平成6年12月無錫に生産・販売会社を設立
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- [15]海外生産増強は「需要のあるところで生産し販売する」という方針に沿ったもの(泉谷裕専務)
- [16]セラミックス材料はすべて国内生産。海外拠点は日本からシートを輸入して後工程のみ行う
- 日経ビジネス 1997年10月20日号
- [17]中国は他社より遅く北京など2カ所で稼働。部品材料の調達体制が整うまで待った。低賃金目当ての進出は品質・納期管理を緩めると村田昭名誉会長
- [18]中国は他社より遅く北京など2カ所で稼働。部品材料の調達体制が整うまで待った。低賃金目当ての進出は品質・納期管理を緩めると村田昭名誉会長
参考文献[1]-[18]
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- [1]1993年時点で製品販売の90%前後が円決済(泉谷裕専務)
- [4]チップ積層セラミックコンデンサは売上の約3分の1、平均単価1円前後で、毎年2〜3%の値下げ要求を受ける
- [5]セラミックスの材料費は製造原価の平均40%、後工程もほぼ自動化され、海外移転で労働コストの安さを享受できない(村田恒夫常務)
- [7]1993年12月1日、技術本部を廃止し、長期的な生産技術を開発する技術開発本部と生産機械開発などを担う生産支援本部に分離
- [8]1993年12月1日、技術本部を廃止し、長期的な生産技術を開発する技術開発本部と生産機械開発などを担う生産支援本部に分離
- [9]組織改革の目的はモジュール部品で開発終了から製品納入までの期間を短くすること(村田泰隆社長)
- [15]海外生産増強は「需要のあるところで生産し販売する」という方針に沿ったもの(泉谷裕専務)
- [16]セラミックス材料はすべて国内生産。海外拠点は日本からシートを輸入して後工程のみ行う
- 日経ビジネス 1995年6月12日号
- [2]円建ては約15年前の石油ショック時に統一。為替による収益変動を抑え、営業の第一線まで円でのコスト意識を徹底させる狙い(村田泰隆社長)
- [3]円建ては約15年前の石油ショック時に統一。為替による収益変動を抑え、営業の第一線まで円でのコスト意識を徹底させる狙い(村田泰隆社長)
- 実業往来 501 1994年
- [6]昭和30年代後半〜40年代、同業が東南アジアへ移る中で値下げ要請に機械化・合理化で対応した
- 研究開発マネジメント 4(5) 1994年「事例4 村田製作所 技術小集団活動「STEP」の運営と活動」黒中博
- [10]STEPは1989年に構想をまとめ1992年に正式スタート。技術者1800名余りを28のテクノロジーユニットに登録し、テクノロジーフォーラムで技術交流
- [11]STEPは1989年に構想をまとめ1992年に正式スタート。技術者1800名余りを28のテクノロジーユニットに登録し、テクノロジーフォーラムで技術交流
- 日経ビジネス 1998年10月12日号
- [12]社長就任後、名人芸やカンに頼った技術開発を改め、要素技術を分解して強化する戦略的技術プログラムを92年に開始
- [13]沿革:平成5年5月マレーシアに生産・販売会社、平成6年7月北京、平成6年12月無錫に生産・販売会社を設立
- [14]沿革:平成5年5月マレーシアに生産・販売会社、平成6年7月北京、平成6年12月無錫に生産・販売会社を設立
- 日経ビジネス 1997年10月20日号
- [17]中国は他社より遅く北京など2カ所で稼働。部品材料の調達体制が整うまで待った。低賃金目当ての進出は品質・納期管理を緩めると村田昭名誉会長
- [18]中国は他社より遅く北京など2カ所で稼働。部品材料の調達体制が整うまで待った。低賃金目当ての進出は品質・納期管理を緩めると村田昭名誉会長
1995年〜生産設備まで自前で開発する工法と、1個1円以下の部品で得た高収益
技術開発本部に力を集約した村田泰隆氏は、1995年に工法の独自性を新製品と並ぶ競争力の源泉と位置づけた。新製品で特許を取っても2〜3年で似た商品が現れるのに対し、工法の違いは機能が同じ製品にも原価の差を生むと村田泰隆氏は見ていた。そこで製品を百数十の要素技術に分け、社内で持つべき技術か外から買う技術かを一つずつ判定させた。その土台は1992年のSTEPで、200項目以上の要素技術を評価し、強化すべき約100項目に絞っていた。セラミックは微量の添加物や焼く温度と時間で特性が変わり、完成品を分解しても製法までは突き止めにくい。原料から完成品まで社内で一貫して作る体制が、この見えにくさを支えていた。値下げ要求を工法の差で吸収する構えだったと推察される。
- 日経ビジネス 1995年6月12日号
- [19]新製品と工法の独自性の両輪で為替変動を受けない企業になる。特許を取っても2〜3年で類似品が出るが、工法の違いでコストが違う(村田泰隆社長)
- [20]新製品と工法の独自性の両輪で為替変動を受けない企業になる。特許を取っても2〜3年で類似品が出るが、工法の違いでコストが違う(村田泰隆社長)
- [21]商品を百数十点の要素技術に分解し内製か外部購入かを検討。セラミックを基礎にした受動部品に限定し世界シェアを狙う
- 研究開発マネジメント 4(5) 1994年「事例4 村田製作所 技術小集団活動「STEP」の運営と活動」黒中博
- [22]STEPでは全商品に必要な技術を200項目以上の要素技術に細分化し、重要度と世の水準を評価して100項目あまりに絞った
- 日経ビジネス 1998年5月11日号
- [23]素材からの一貫生産が技術のブラックボックス化につながった。0.01%単位の副材料や焼成条件は完成品から解析困難
- [24]素材からの一貫生産が技術のブラックボックス化につながった。0.01%単位の副材料や焼成条件は完成品から解析困難
工法を外に漏らさない手段として、村田製作所は生産設備の大半を自社で開発していた。創業期に社内へ機械部を設け、錠剤を成形する機械をコンデンサ用に改造したところから続く方針だった。設備を外から買えば、他社も同じ機械を入手して似た製品を作りやすくなる。1993年に新設した生産支援本部は、製品の開発と並行して生産機械を開発した。研究開発の体制でも、生産支援本部は工程の開発を支える部門と位置づけられた。費用の面では工程別のコスト管理を使い、内製する設備も外から買った場合の価格と常に比べた。外部の業者を工場に入れず、納入された機械を高速道路のサービスエリアで受け取ったこともあるという。内製の費用を市価で測り続けることが、独善への歯止めになったと思われる。
- 日経ビジネス 1995年10月2日号
- [25]生産設備はほとんどが社内開発。創業期に機械部を設け錠剤成形機をコンデンサ成型用に改造。内製設備も社外購入時とのコスト比較を行う。外部業者を工場に入れず機械をサービスエリアで受け取った逸話
- [26]生産設備はほとんどが社内開発。創業期に機械部を設け錠剤成形機をコンデンサ成型用に改造。内製設備も社外購入時とのコスト比較を行う。外部業者を工場に入れず機械をサービスエリアで受け取った逸話
- [30]生産設備はほとんどが社内開発。創業期に機械部を設け錠剤成形機をコンデンサ成型用に改造。内製設備も社外購入時とのコスト比較を行う。外部業者を工場に入れず機械をサービスエリアで受け取った逸話
- [31]生産設備はほとんどが社内開発。創業期に機械部を設け錠剤成形機をコンデンサ成型用に改造。内製設備も社外購入時とのコスト比較を行う。外部業者を工場に入れず機械をサービスエリアで受け取った逸話
- 日経ビジネス 1998年5月11日号
- [27]設備が外注なら他社が同じものを購入して類似商品を作りやすい。内製化がそれを防ぐ
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- [28]生産支援本部はモジュール部品の開発と並行して部品製造用の生産機械を開発
- 研究開発マネジメント 4(5) 1994年「事例4 村田製作所 技術小集団活動「STEP」の運営と活動」黒中博
- [29]研究開発体制は技術開発本部を中心に、新規事業開発本部、プロセス開発支援を行う生産支援本部、5事業部の開発部門
1998年3月期の連結経常利益は726億9400万円で、売上高経常利益率は20%に達した。世界首位の製品が売上高の7割を占め、大型倒産が相次ぐ不況下でも利益を支えた。ただし売上高の3分の1を占めるチップ積層セラミックコンデンサは、1個1円以下がほとんどだった。毎年数%の値下げが続き、数量の増加による増収分のうち約8割が値下がりで相殺されたという。1996年ごろには、携帯電話のフィルターを他社製のICに置き換えられる事態も起きた。村田製作所は約40人の開発チームを組み、約9カ月で次の世代のフィルターを製品にして取引を取り戻した。村田泰隆氏は移動体通信向けに経営資源を早く移し、顧客と組んで部品の品ぞろえを進めていた。新製品が売上高に占める比率も、1991年の15%から2000年には30%まで上がった。
- 日経ビジネス 1998年10月12日号
- [32]1998年3月期の連結経常利益726億9400万円、売上高経常利益率20%。移動体通信市場へいち早く経営資源をシフト
- [38]顧客と一体で移動体通信用部品の開発と品揃えを進めた
- 日経ビジネス 1998年5月11日号
- [33]世界トップシェア製品が売上の7割。チップ積層セラミックコンデンサは売上の3分の1で1個1円以下が大半、毎年数%の値下げで増加分の約8割が値下がりに取られる(野崎市郎取締役)
- [34]世界トップシェア製品が売上の7割。チップ積層セラミックコンデンサは売上の3分の1で1個1円以下が大半、毎年数%の値下げで増加分の約8割が値下がりに取られる(野崎市郎取締役)
- [35]世界トップシェア製品が売上の7割。チップ積層セラミックコンデンサは売上の3分の1で1個1円以下が大半、毎年数%の値下げで増加分の約8割が値下がりに取られる(野崎市郎取締役)
- [36]約1年半前、大手が携帯電話のフィルターに他社製ICを採用。40人ほどのチームで約9カ月後に次世代フィルターを製品化し巻き返した
- [37]約1年半前、大手が携帯電話のフィルターに他社製ICを採用。40人ほどのチームで約9カ月後に次世代フィルターを製品化し巻き返した
- Murata Manufacturing Annual Report 2006「To Our Shareholders」
- [39]新製品売上比率は1991年の社長就任時15%、2000年までに30%
参考文献[19]-[39]
- 日経ビジネス 1995年6月12日号
- [19]新製品と工法の独自性の両輪で為替変動を受けない企業になる。特許を取っても2〜3年で類似品が出るが、工法の違いでコストが違う(村田泰隆社長)
- [20]新製品と工法の独自性の両輪で為替変動を受けない企業になる。特許を取っても2〜3年で類似品が出るが、工法の違いでコストが違う(村田泰隆社長)
- [21]商品を百数十点の要素技術に分解し内製か外部購入かを検討。セラミックを基礎にした受動部品に限定し世界シェアを狙う
- 研究開発マネジメント 4(5) 1994年「事例4 村田製作所 技術小集団活動「STEP」の運営と活動」黒中博
- [22]STEPでは全商品に必要な技術を200項目以上の要素技術に細分化し、重要度と世の水準を評価して100項目あまりに絞った
- [29]研究開発体制は技術開発本部を中心に、新規事業開発本部、プロセス開発支援を行う生産支援本部、5事業部の開発部門
- 日経ビジネス 1998年5月11日号
- [23]素材からの一貫生産が技術のブラックボックス化につながった。0.01%単位の副材料や焼成条件は完成品から解析困難
- [24]素材からの一貫生産が技術のブラックボックス化につながった。0.01%単位の副材料や焼成条件は完成品から解析困難
- [27]設備が外注なら他社が同じものを購入して類似商品を作りやすい。内製化がそれを防ぐ
- [33]世界トップシェア製品が売上の7割。チップ積層セラミックコンデンサは売上の3分の1で1個1円以下が大半、毎年数%の値下げで増加分の約8割が値下がりに取られる(野崎市郎取締役)
- [34]世界トップシェア製品が売上の7割。チップ積層セラミックコンデンサは売上の3分の1で1個1円以下が大半、毎年数%の値下げで増加分の約8割が値下がりに取られる(野崎市郎取締役)
- [35]世界トップシェア製品が売上の7割。チップ積層セラミックコンデンサは売上の3分の1で1個1円以下が大半、毎年数%の値下げで増加分の約8割が値下がりに取られる(野崎市郎取締役)
- [36]約1年半前、大手が携帯電話のフィルターに他社製ICを採用。40人ほどのチームで約9カ月後に次世代フィルターを製品化し巻き返した
- [37]約1年半前、大手が携帯電話のフィルターに他社製ICを採用。40人ほどのチームで約9カ月後に次世代フィルターを製品化し巻き返した
- 日経ビジネス 1995年10月2日号
- [25]生産設備はほとんどが社内開発。創業期に機械部を設け錠剤成形機をコンデンサ成型用に改造。内製設備も社外購入時とのコスト比較を行う。外部業者を工場に入れず機械をサービスエリアで受け取った逸話
- [26]生産設備はほとんどが社内開発。創業期に機械部を設け錠剤成形機をコンデンサ成型用に改造。内製設備も社外購入時とのコスト比較を行う。外部業者を工場に入れず機械をサービスエリアで受け取った逸話
- [30]生産設備はほとんどが社内開発。創業期に機械部を設け錠剤成形機をコンデンサ成型用に改造。内製設備も社外購入時とのコスト比較を行う。外部業者を工場に入れず機械をサービスエリアで受け取った逸話
- [31]生産設備はほとんどが社内開発。創業期に機械部を設け錠剤成形機をコンデンサ成型用に改造。内製設備も社外購入時とのコスト比較を行う。外部業者を工場に入れず機械をサービスエリアで受け取った逸話
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- [28]生産支援本部はモジュール部品の開発と並行して部品製造用の生産機械を開発
- 日経ビジネス 1998年10月12日号
- [32]1998年3月期の連結経常利益726億9400万円、売上高経常利益率20%。移動体通信市場へいち早く経営資源をシフト
- [38]顧客と一体で移動体通信用部品の開発と品揃えを進めた
- [39]新製品売上比率は1991年の社長就任時15%、2000年までに30%
1999年〜中国・深圳の生産会社と、村田恒夫の代表取締役副社長就任
高収益を支えた電子機器の需要は、2000年代の初めに急に縮んだ。連結売上高は2001年3月期の5840億1100万円から、2002年3月期には3947億7500万円に減った。2003年3月期も在庫調整は終わったが最終需要は弱く、部品価格の下げ圧力が続いた。村田製作所は小型化とモジュール化に合う新製品を急ぎ、生産性の向上で原価を下げた。背景には、携帯電話の高機能化や無線LANの広がりで中長期には部品需要が伸びるとの見通しがあった。年報で村田泰隆氏は『Murata will promote the innovation and integration of core technologies such as material, process, design and production technologies.』(訳:材料・工法・設計・生産技術といった基盤技術の革新と統合を進める)と記した。その結果、売上高が横ばいのなかで営業利益は16.1%増えた。
- 村田製作所 有価証券報告書 第67期(2003年3月期)
- [40]連結売上高:平成13年3月期584,011百万円、平成14年3月期394,775百万円
- [41]連結売上高:平成13年3月期584,011百万円、平成14年3月期394,775百万円
- [42]平成15年3月期、在庫調整は前期末に終了したが最終需要は低調で部品価格の低下圧力が強い。デジタル化・高周波化・小型化・モジュール化対応の新製品開発とコストダウン。売上高394,955百万円(横ばい)、営業利益16.1%増
- [43]平成15年3月期、在庫調整は前期末に終了したが最終需要は低調で部品価格の低下圧力が強い。デジタル化・高周波化・小型化・モジュール化対応の新製品開発とコストダウン。売上高394,955百万円(横ばい)、営業利益16.1%増
- [46]平成15年3月期、在庫調整は前期末に終了したが最終需要は低調で部品価格の低下圧力が強い。デジタル化・高周波化・小型化・モジュール化対応の新製品開発とコストダウン。売上高394,955百万円(横ばい)、営業利益16.1%増
- Murata Manufacturing Annual Report 2003「Message from the President」
- [44]中長期には携帯電話・PCの高機能化、無線LAN・Bluetooth等で部品需要は拡大と見込み、材料・工法・設計・生産技術のコア技術の革新と統合を進める
- [45]中長期には携帯電話・PCの高機能化、無線LAN・Bluetooth等で部品需要は拡大と見込み、材料・工法・設計・生産技術のコア技術の革新と統合を進める
需要が戻り始めた2003年6月、村田泰隆氏の弟の村田恒夫氏が取締役副社長・代表取締役に就任した。村田恒夫氏は1993年に常務として海外生産を担い、材料は当分海外で作れないとしていた。2004年3月期は夏から携帯電話やパソコンの需要が戻り、国内と中国などで生産能力を増やした。事業の買収で需要が伸びる市場の基盤を広げ、北米の生産拠点は閉じて経営資源を配り直した。2004年1月には、のちの大垣村田製作所となる会社に資本参加した。年報には『Murata will ensure its ability to grow by further reinforcing the foundation of existing businesses and effectively utilizing external resources, while intensifying its activities in new markets.』(訳:既存事業の基盤強化と外部資源の有効活用で成長を確かにする)と書き込まれた。兄弟で社長と副社長を分け、次の体制への備えに入ったとうかがえる。
- 村田製作所 有価証券報告書 第70期(2006年3月期)
- [47]村田恒夫 平成15年6月 取締役副社長・代表取締役。村田泰隆と兄弟。沿革:平成16年1月 現㈱大垣村田製作所に資本参加
- [51]村田恒夫 平成15年6月 取締役副社長・代表取締役。村田泰隆と兄弟。沿革:平成16年1月 現㈱大垣村田製作所に資本参加
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- [48]1993年、海外生産担当の村田恒夫常務「セラミックス部品の原材料は当分海外で生産できない」
- Murata Manufacturing Annual Report 2004「Message from the President」
- [49]2004年3月期、夏から携帯電話・PC等の需要が回復し、日本・中国などで生産能力を拡大。買収で基盤を強化し北米の生産拠点を閉鎖。既存事業の基盤強化と外部資源の活用で成長を確保
- [50]2004年3月期、夏から携帯電話・PC等の需要が回復し、日本・中国などで生産能力を拡大。買収で基盤を強化し北米の生産拠点を閉鎖。既存事業の基盤強化と外部資源の活用で成長を確保
- [52]2004年3月期、夏から携帯電話・PC等の需要が回復し、日本・中国などで生産能力を拡大。買収で基盤を強化し北米の生産拠点を閉鎖。既存事業の基盤強化と外部資源の活用で成長を確保
2005年6月27日、村田製作所は中国の深圳に電源を作る生産会社を設けた。2006年3月期には無錫でチップ積層セラミックコンデンサの生産棟を完成させ、原料から梱包までの一貫ラインを入れた。欧米の機器メーカーが中国とアジアに工場を建て、部品の需要がそこに集まったためだった。一方で部品価格は毎年平均約10%下がり、売上高の伸びも主力のコンデンサへの依存が大きかった。年報は『the Murata Group is working quickly to improve the ratio of high value-added new products to net sales, as they are not easily impacted by falling prices.』(訳:値下がりに強い高付加価値の新製品の比率を急ぎ高める)とした。新製品の比率は37%まで上がったが、目標の40%には届いていなかった。2006年4月には、米国のSyChip社を買収して無線通信用モジュールの技術を外から取り込んだ。既存品目と国内の工法の囲い込みだけでは伸びに限りがあり、品目を外から広げる段階に来ていたようだ。
- 村田製作所 有価証券報告書 第70期(2006年3月期)
- [53]沿革:平成17年6月 中国に生産会社 Shenzhen Murata Technology Co., Ltd.を設立(6月27日)。深圳で電源を生産。平成18年4月 米国SyChip, Inc.を買収しモジュール事業を拡大
- [59]沿革:平成17年6月 中国に生産会社 Shenzhen Murata Technology Co., Ltd.を設立(6月27日)。深圳で電源を生産。平成18年4月 米国SyChip, Inc.を買収しモジュール事業を拡大
- Murata Manufacturing Annual Report 2006「To Our Shareholders」
- [54]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
- [55]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
- [56]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
- [57]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
- [58]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
参考文献[40]-[59]
- [40]連結売上高:平成13年3月期584,011百万円、平成14年3月期394,775百万円
- [41]連結売上高:平成13年3月期584,011百万円、平成14年3月期394,775百万円
- [42]平成15年3月期、在庫調整は前期末に終了したが最終需要は低調で部品価格の低下圧力が強い。デジタル化・高周波化・小型化・モジュール化対応の新製品開発とコストダウン。売上高394,955百万円(横ばい)、営業利益16.1%増
- [43]平成15年3月期、在庫調整は前期末に終了したが最終需要は低調で部品価格の低下圧力が強い。デジタル化・高周波化・小型化・モジュール化対応の新製品開発とコストダウン。売上高394,955百万円(横ばい)、営業利益16.1%増
- [46]平成15年3月期、在庫調整は前期末に終了したが最終需要は低調で部品価格の低下圧力が強い。デジタル化・高周波化・小型化・モジュール化対応の新製品開発とコストダウン。売上高394,955百万円(横ばい)、営業利益16.1%増
- [44]中長期には携帯電話・PCの高機能化、無線LAN・Bluetooth等で部品需要は拡大と見込み、材料・工法・設計・生産技術のコア技術の革新と統合を進める
- [45]中長期には携帯電話・PCの高機能化、無線LAN・Bluetooth等で部品需要は拡大と見込み、材料・工法・設計・生産技術のコア技術の革新と統合を進める
- [47]村田恒夫 平成15年6月 取締役副社長・代表取締役。村田泰隆と兄弟。沿革:平成16年1月 現㈱大垣村田製作所に資本参加
- [51]村田恒夫 平成15年6月 取締役副社長・代表取締役。村田泰隆と兄弟。沿革:平成16年1月 現㈱大垣村田製作所に資本参加
- [53]沿革:平成17年6月 中国に生産会社 Shenzhen Murata Technology Co., Ltd.を設立(6月27日)。深圳で電源を生産。平成18年4月 米国SyChip, Inc.を買収しモジュール事業を拡大
- [59]沿革:平成17年6月 中国に生産会社 Shenzhen Murata Technology Co., Ltd.を設立(6月27日)。深圳で電源を生産。平成18年4月 米国SyChip, Inc.を買収しモジュール事業を拡大
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- [48]1993年、海外生産担当の村田恒夫常務「セラミックス部品の原材料は当分海外で生産できない」
- [49]2004年3月期、夏から携帯電話・PC等の需要が回復し、日本・中国などで生産能力を拡大。買収で基盤を強化し北米の生産拠点を閉鎖。既存事業の基盤強化と外部資源の活用で成長を確保
- [50]2004年3月期、夏から携帯電話・PC等の需要が回復し、日本・中国などで生産能力を拡大。買収で基盤を強化し北米の生産拠点を閉鎖。既存事業の基盤強化と外部資源の活用で成長を確保
- [52]2004年3月期、夏から携帯電話・PC等の需要が回復し、日本・中国などで生産能力を拡大。買収で基盤を強化し北米の生産拠点を閉鎖。既存事業の基盤強化と外部資源の活用で成長を確保
- [54]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
- [55]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
- [56]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
- [57]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
- [58]2006年3月期、無錫でチップ積層セラミックコンデンサの原料から梱包まで一貫の生産設備を完成。欧米機器メーカーの工場建設で中国・アジアの部品需要が急増。部品価格は年平均約10%下落。増収はコンデンサとBluetoothモジュールが牽引。値下がりに強い新製品の比率を高める。新製品比率37%、目標40%
1993年〜2006年の業績
| 決算期 | 区分 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 主な投資 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 億円 | YoY | 億円 | 億円 | 億円 | 利益率 | |||
| 1993年03月期 | 連結 | 2,721 | n/a | n/a | 454 | 237 | 8.7% | n/a |
| 1994年03月期 | 連結 | 2,792 | +2.6% | n/a | 511 | 247 | 8.8% | n/a |
| 1995年03月期 | 連結 | 3,175 | +13.7% | n/a | 736 | 379 | 11.9% | n/a |
| 1996年03月期 | 連結 | 3,219 | +1.4% | n/a | 737 | 372 | 11.6% | n/a |
| 1997年03月期 | 連結 | 3,306 | +2.7% | n/a | 654 | 326 | 9.9% | n/a |
| 1998年03月期 | 連結 | 3,623 | +9.6% | n/a | 727 | 394 | 10.9% | n/a |
| 1999年03月期 | 連結 | 3,670 | +1.3% | n/a | 616 | 289 | 7.9% | n/a |
| 2000年03月期 | 連結 | 4,591 | +25.1% | n/a | 1,081 | 616 | 13.4% | n/a |
| 2001年03月期 | 連結 | 5,840 | +27.2% | n/a | 1,739 | 1,049 | 18.0% | n/a |
| 2002年03月期 | 連結 | 3,947 | ▲32.4% | n/a | n/a | 349 | 8.8% | n/a |
| 2003年03月期 | 連結 | 3,950 | +0.1% | n/a | n/a | 395 | 10.0% | n/a |
| 2004年03月期 | 連結 | 3,949 | ▲0.0% | n/a | n/a | 394 | 10.0% | n/a |
| 2005年03月期 | 連結 | 4,142 | +4.9% | n/a | n/a | 485 | 11.7% | n/a |
| 2006年03月期 | 連結 | 4,907 | +18.5% | 898 | n/a | 584 | 11.9% | n/a |
出所:会社年鑑、有価証券報告書
出典・参考
13件
- 村田製作所 有価証券報告書 第67期(2003年3月期)
- 村田製作所 有価証券報告書 第70期(2006年3月期)
- 日経ビジネス 1993年12月6日号
- 日経ビジネス 1995年6月12日号
- 日経ビジネス 1995年10月2日号
- 日経ビジネス 1997年10月20日号
- 日経ビジネス 1998年10月12日号
- 日経ビジネス 1998年5月11日号
- 実業往来 501 1994年
- 研究開発マネジメント 4(5) 1994年「事例4 村田製作所 技術小集団活動「STEP」の運営と活動」黒中博
- Murata Manufacturing Annual Report 2003「Message from the President」
- Murata Manufacturing Annual Report 2004「Message from the President」
- Murata Manufacturing Annual Report 2006「To Our Shareholders」