大林組の決断社史:経営の意思決定を振り返る

更新:

決断

創業家から社長を外したあと、資本の使い道を株主と争う会社になった。1943年から45年にわたり社長を務めた大林芳郎氏の後任として、1989年6月に大林家と血縁のない津室隆夫氏を4代目社長に登用した。京都大学建築学科出身で現場と技術部門を歩んだ生え抜きで、翌1990年には新しい企業理念と社章を定めている。株式は分散し、2023年には約4%を持つ英シルチェスターが1株12円の特別配当を求め、取締役会の反対で否決された。会社は中期経営計画2022の5年6,000億円の成長投資と自己資本配当率3%を根拠に退けたが、2025年4月に就任した佐藤俊美社長は自己資本1兆円の維持と1,000億円の自己株式取得を自ら掲げた。退けた提案と同じ還元へ2年後に自分から動いたことが、資本の使い道を社内の判断から株主との交渉へ移した。

免責事項およびポリシー