創業の構造で注目すべきは、小平浪平氏が東京電燈での経験から輸入電機依存に問題意識を持ち、日立鉱山の修理工場で外国製品の分解・修理を通じて国産化の技術基盤を築いた過程にある。同時代のGEやWEとの技術提携を選んだ同業他社に対し、小平氏は「ロイヤリティと同額を自前の研究に投じるべき」…
4万4000人中8500名を余剰と判断しながら全工場の生産停止を約60日間許容した点に、この争議の構造がある。組合の暴力行為(「熱砂の誓」「ダルマ落とし」)に対して交渉を打ち切り、相手の疲弊を待つ方針を採ったのは、自己資本比率14.1%で倒産リスクを抱える中での持久戦であった。争…
RCA(テレビ)・GE(蒸気タービン)・WE(トランジスタ)の3年連続の技術提携は、小平浪平氏が創業時に掲げた「他人の力に依存しない」方針の撤回であった。GE提携は東芝が先行し日立は後追いの立場にある。注目すべきは三分野を同時に押さえた点で、戦後の総合電機としての事業基盤を3年間…
1956年の日立金属・日立電線に始まり日立化成・日立建機・日立物流と、非電機事業を次々に子会社化して上場させた構造は、事業売却によるキャッシュ確保ではなく支配権維持と資本市場活用の両立を志向したものであった。上場子会社は各社が独自に資金調達と人材確保を行う一方、親会社が経営方針に…
川村隆氏の就任経緯は、1999年に取締役就任後に子会社の日立マクセル会長に転じた人物が7880億円の赤字で本社社長に呼び戻されたという異例のものである。着手した施策は3492億円の増資(既存株主に13%の希薄化)とHDD事業の48億ドル売却であり、自己資本比率を11.2%から18…
日立が単独で5700億円を受注した南アフリカの火力発電PJは、三菱重工との合弁移管後に工期遅延で損失が発生し、三菱重工から7700億円の支払を請求される事態に至った。和解損失3759億円を計上して合弁株式を譲渡した結果、出資比率35%で設立した合弁は5年で解消された。合弁設立前に…
1960億円を投じてホンダ系3社を統合し出資比率66.6%で子会社化した日立Astemoは、FY2022に純利益369億円を計上したが翌FY2023に▲810億円へ転落した。日立製作所は出資比率を約40%引き下げて持分法適用外に移行し、1580億円を回収した。上場子会社を60年保…