2015年4月の新設分割で変わったのは、組織図よりも損益の見え方であった。家庭用ゲーム、業務用機器、施設運営は、必要な資産も投資の回収にかかる時間も違う。一社に同居していたあいだ、店舗の賃料と人件費を抱える商売の重さは、家庭用の開発費やアーケードの製造原価と混ざって決算書に載っていた。三つを別会社へ立てた再編は、それぞれの売上と費用と資産を別々の決算書へ分けて置く作業にあたる。
ただし、単独の決算書に載せられた事業は、そのまま切り離す候補にもなる。セガ エンタテインメントの総資産利益率3.0%、資産規模311億円という2020年3月期の数字は、分けていなければグループ全体に紛れていたであろう。数字が単独で立ったからこそ、店舗の固定費が集客の減少にどれだけ弱いかも測れた。損益の所在を掴む仕組みが、そのまま畳む対象を選ぶ仕組みになったとみられる。物差しが資産効率であるかぎり、店舗と人を抱える商売はどれだけ古くても下位に来る。1965年に始めた商売を手放す判断に、始めた年は入っていない。