- データで追える社長は常盤百樹氏(FY98〜FY07)、千葉昭氏(FY08〜FY13)、佐伯勇人氏(FY14〜FY17)、長井啓介氏(FY18〜FY22)、宮本喜弘氏(FY23〜現任、2024年6月就任)の5代。全員が四国電力に入社し内部で昇進したプロパー経営者で、外部招聘やHD出身者を一度もトップに据えていない。発電から小売までを垂直統合する地域独占の電気事業者として、社内育成のトップが事業を継ぐ系譜が一貫している。
- 在任は常盤氏が10年(FY98〜FY07)と長く、千葉氏6年、佐伯氏4年、長井氏5年と、近年は5年前後で世代交代する間隔に収れんしている。佐伯氏は社長退任後にFY18から取締役会長として残り、長井氏も2024年6月に取締役会長へ転じており、社長経験者が会長として取締役会に留まる承継のかたちをとる。
- 昇進元の領域には偏りがある。佐伯氏は2011年に総合企画室経営企画部長、長井氏も2013年に同部長、宮本氏も2019年に同部長を経ており、直近3代がいずれも経営企画系統からトップへ上がっている。技術系の本部長を経た経歴ではなく、全社の企画機能を束ねる立場が社長への登竜門として機能している。
- 創業や持株会社化のような系譜の断絶点は見当たらない。1951年の発足以来、単独の事業会社として地域独占の電気事業を担い続けており、トップ供給は四国電力内部の昇進ルートに閉じている。原子力や火力など技術部門の長を経るのではなく企画畑から社長を出す流れが、近年の承継を特徴づける。