- FY05まで在任の松尾新吾氏から、眞部利應氏(FY06〜FY10)、瓜生道明氏(FY11〜FY16)、池辺和弘氏(FY17〜現)まで、把握できる4代の社長はいずれも九州電力に新卒入社した生え抜きである。社外や親会社からトップを迎えた記録はなく、内製比率は実質100%。地域独占の電力会社らしく、社内昇進だけで頂点を埋める人事が一貫している。
- 1代の在任は概ね5〜7年で交代する規則性がみられる。眞部氏がFY06〜FY10、瓜生氏がFY11〜FY16と6年前後で会長へ退く一方、池辺氏はFY17就任後FY24まで8年を数え、現任として最長級の在任に入っている。任期の伸長が、再稼働後の経営判断を一人のトップに長く委ねている状況を映す。
- 昇進元の領域は経営企画・発電が中心となる。瓜生氏は環境部長から経営企画室長・火力発電本部長を経て社長へ進み、池辺氏も発電本部の発電総括部長から経営企画の経営戦略部長、コーポレート戦略部門長を踏んで頂点に立った。技術や営業の単線ではなく、発電現場と本社の経営企画を横断した経歴が社長への王道を成している。
- 系譜の断絶点は2018年(FY18)にあらわれる。瓜生氏が社長から代表取締役会長へ退き、池辺氏が社長執行役員として実務トップを引き継ぐと同時に、肩書が従来の「代表取締役社長」から「代表取締役社長執行役員」へ切り替わった。執行役員制を社長職に重ねる体制移行が、福島事故後から再稼働期へ向かう局面での世代交代と重なっている。