- FY04以降の社長5代(高橋宏明氏、海輪誠氏、原田宏哉氏、樋口康二郎氏、石山一弘氏)はいずれも東北電力入社の生え抜き。外部招聘の社長は確認できず、内製比率100%の純度で経営トップを供給し続けている。地域独占の規制下で長く事業を担ってきた電力会社らしく、トップ人事は社内昇進の一本道に収れんしている。
- 在任期間は海輪誠氏がFY09〜FY13、原田宏哉氏がFY14〜FY18、樋口康二郎氏がFY19〜FY23と、いずれも5年前後で交代する規則的なサイクルを描く。2025年3月期(FY24)に石山一弘氏が社長へ就き、前任の樋口氏は代表取締役会長へ回った。5年で社長を会長に送り出す世代交代の周期が定着している。
- 昇進元の領域を見ると、海輪氏・原田氏・石山氏が企画部長から副社長を経て社長へ至る経営企画ルート、樋口氏は火力原子力本部火力部長から原子力本部長代理を経た技術ルートと、企画系と技術系が交互に近い形でトップを占める。震災後の原子力再稼働を背負う局面で技術系の樋口氏が、再エネ転換と上場後の競争期に企画系の石山氏が立つ並びになっている。
- 1951年の9電力体制発足以来、創業者個人や創業家による承継ではなく、社内昇進による集団的な経営継承が続いてきた。系譜の断絶点は2020年4月の発送電法的分離で、送配電を東北電力ネットワークへ切り出したのちも、本体側の社長は東北電力入社の経歴を保ったまま引き継がれている。