これを住友系と三菱系の合併とだけ読むと、要点を外す。1999年に折半で組まれた共同会社が引き受けたのは、300mmという次世代ウェーハを1社で量産する役割であった。三系列に分かれていた国産シリコンを1つに集めたのは、業界の体裁を整えるためではなく、大きくなり続ける投資を1社に背負わせるための設計であっただろう。
もっとも、統合しただけでは利益は生まれなかった。統合の翌々期にあたる2004年1月期、三菱住友シリコンは売上高1,664億円に対し364億円の純損失を計上している。300mmが収益源に育つのは、累計約1,300億円を投じて需要が本格化する2006年前後で、三系列の合流も同年のコマツ電子金属子会社化を待って完成した。事業を1社に集めることと、その事業が稼ぐようになることの間には、半導体の需要の波を一つ越えるだけの距離があったといえる。統合する判断の当否は、統合した直後の決算ではなく、投資を続けられたその後の歳月に表れた。