京セラは稲盛和夫が創業した企業であるが、設立時の資本構成では宮木電機の関係者が上位株主を占め、稲盛は4位であった。技術者としての情熱を評価されて京都財界からシード資金を調達したこの構造は、創業者が必ずしも資本面で支配権を持たない起業の一形態である。稲盛が株式上場までに株式を買い戻…
京セラがIBMからIC用基板を受注した背景には、国内大手から取引先として認知されない中小企業が、技術の源流である米国市場で直接受注を獲得するという迂回戦略があった。従業員100名以下の段階で渡米し、量産工場を先行建設してIBMの選定を勝ち取ったこの経緯は、国内市場での信用不足を海…
京セラが積層パッケージで世界シェア70%を確保した要因は、需要が未知数の段階で量産工場を建設した先行投資にある。稲盛が「ギャンブルに近い」と認識しながらも投資を断行した背景には、セラミック焼成技術の参入障壁が高く、先行者が量産体制を確立すれば後発の追随が困難になるという技術特性が…
京セラが三洋電機から取得した携帯電話事業は、アメーバ経営によるコスト改善で黒字化を目指す典型的な再建スキームであった。しかしスマートフォンの普及によって従来型携帯電話の市場自体が消滅し、コスト管理の精緻化では対応できない技術パラダイムの転換に直面した。アメーバ経営は既存市場の採算…