サンドラッグ の歴史

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創業 1957年
創業者 多田幸正
創業地 東京都世田谷区
創業
1957年12月、多田幸正氏が東京都世田谷区千歳船橋で5坪のフタバ薬局を個人開業した。8年後の1965年4月に有限会社サンドラッグへ改組してチェーン展開に入り、1980年7月に株式会社サンドラッグを設立、同年12月には東京都八王子市へ郊外型の1店を開設した。市街地の薬局から、車で来る客を前提とした売場へ立地を移した転換であった。1994年8月には日本証券業協会へ株式を店頭登録し、資本金は26億8百万円となったが、この時点の売上高は279億円、店舗も首都圏54店にとどまり、全国チェーンと呼べる規模ではなかった。
決断
店が30〜50店の段階で、数百店を前提にした仕組みへ先に投資した点に特色がある。1985年2月に売上・受発注情報のオンライン化を始め、1986年12月には東京都国立市へピッキングシステムを備えた物流センターを開設、1991年11月に全店へPOSレジを導入した。ドラッグストアでコンピュータの導入がまだ一般的でない時期の投資であった。1994年8月に創業家以外から初めて社長となった才津達郎氏は、20期連続の増収増益を低い費用構造で積み上げ、退任する2013年度までに連結売上高を4,478億円へ拡大。2009年11月には九州・中四国のダイレックスを95億円で子会社化し、都市はドラッグストア・地方はディスカウントストアという2業態のポートフォリオを完成させた。
現況
ドラッグストアの会社でありながら、売上の4割強はディスカウントストアが占める。2026年3月期の連結売上高は8,425億円、営業利益は468億円で、内訳はドラッグストア事業が売上4,784億円・利益274億円、ディスカウントストア事業が売上3,641億円・利益193億円である。買収から5年で売上を1.4倍にしたダイレックスは営業利益率5.3%まで来ており、ドラッグストア事業の5.7%にほぼ並んだ。粗利率25.7%に対し販管費率20.1%という薄い費用構造が二つの業態に同じまま使えることが、5%台の営業利益率を支えている。
競合
規模で並ぶことをやめ、単独で残る側を選んだ。マツモトキヨシとココカラファインが統合し、ウエルシアとツルハがイオンの下で一つになった2020年代の再編で、売上1兆円から2兆円の連合が並ぶ。売上高8,425億円のサンドラッグは規模では劣位にある。それでも2023年11月に完全子会社化を避けてキリン堂と持分法で提携し、キリン堂ホールディングスの間接持分33.4%を取得して持分法適用会社とするにとどめた。統合すれば売場も物流も重なるが、店舗の重ならない相手と調達とPB開発だけを共有すれば、薄い費用構造は崩れない。規模より1店に残る利益を優先した計算が、単独で売上1兆円をめざす道を支えている。
サンドラッグ:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2006年3月期2026年3月期

創業ストーリー 世田谷の薬局からチェーン化と店頭登録まで (1957年〜)

個人薬局から有限会社・チェーン展開へ

1957年12月、多田幸正氏が東京都世田谷区千歳船橋で『フタバ薬局』を個人開業した[1]。わずか5坪(約16.5㎡)の小さな薬局からの出発だった[2]。創業者の多田氏は1927年生まれで、戦後復興期の東京で事業を始めた。8年後の1965年4月に有限会社サンドラッグへと改め[3]、ここからチェーン展開を始めた。社名『サンドラッグ』を名乗るのはこの法人化からで、それまでは個人薬局として営まれた創業期があったことをうかがわせる。

  • 証券アナリストジャーナル 32(9)(日本証券アナリスト協会・1994年9月, 多田幸正)
    • [1]1957年12月 世田谷区千歳船橋で「フタバ薬局」として個人開業(社名「サンドラッグ」は1965年4月の有限会社化から)
    • [2]創業店は世田谷区千歳船橋の5坪(約16.5㎡)の個人薬局
  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【沿革】
    • [3]1965年4月 有限会社サンドラッグへ改組(社名サンドラッグの起点・チェーン展開開始)

1980年7月、有限会社を株式会社に改組し、株式会社サンドラッグが発足した[4]。同年12月には東京都八王子市に郊外型ドラッグストアを開店した[5]。市街地の薬局とは立地条件の異なる郊外型の店舗形態へと舵を切った選択である。1957年の創業から23年を経て、サンドラッグは複数店舗チェーンとしての形を整えた。創業者の多田氏は1980年から1994年まで社長を務め[6]、チェーン化の基盤を作った。

  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【沿革】
    • [4]1980年7月 株式会社サンドラッグへ改組(発足)
    • [5]1980年12月 八王子市に郊外型ドラッグストアを開店
  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【役員の状況】
    • [6]多田幸正が1980〜1994年に社長(1994年に才津達郎へ交代)
  • 証券アナリストジャーナル 32(9)(日本証券アナリスト協会・1994年9月, 多田幸正)
    • [1]1957年12月 世田谷区千歳船橋で「フタバ薬局」として個人開業(社名「サンドラッグ」は1965年4月の有限会社化から)
    • [2]創業店は世田谷区千歳船橋の5坪(約16.5㎡)の個人薬局
  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【沿革】
    • [3]1965年4月 有限会社サンドラッグへ改組(社名サンドラッグの起点・チェーン展開開始)
    • [4]1980年7月 株式会社サンドラッグへ改組(発足)
    • [5]1980年12月 八王子市に郊外型ドラッグストアを開店
  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【役員の状況】
    • [6]多田幸正が1980〜1994年に社長(1994年に才津達郎へ交代)

物流とPOSへの先行投資 ── 1985年のオンライン化

1985年2月、サンドラッグは売上・受発注情報のオンライン化を開始[7]した。1980年代前半は流通業全般でPOS導入が始まった時期にあたるが、ドラッグストア業界ではコンピュータシステムの本格導入はまだ一般的でなかった。1986年12月には東京都国立市にピッキングシステムを備えた物流センターを開設し[8]、1991年11月には全店舗にPOSレジを導入した[9]。創業者の多田氏が率いる時期に、チェーンとして比較的早い段階でこれらの設備投資を実施したことは、後の高効率店舗運営の前提となった。

  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【沿革】
    • [7]1985年2月 売上・受発注情報のオンライン化を開始
    • [8]1986年12月 国立市にピッキングシステムの物流センターを開設
    • [9]1991年11月 全店舗にPOSレジを導入

物流センターとPOSの整備は、人件費比率と販管費比率を業界水準より低く抑える土台になった。1985年から1991年の6年間に進めた投資は[10]、店舗あたりの取扱品目と回転率を引き上げ、特売中心の集客でも採算が取れる構造を作った。ドラッグストア業態では、粗利率の高い医薬品と粗利率の低い食品・日用品を組み合わせて店舗全体の収益を確保するのが一般的だが、サンドラッグはこの構造をシステム投資で支えた。

  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【沿革】
    • [10]1985〜1991年の6年間にシステム・物流投資を実施(1985/2 オンライン化〜1991/11 全店POS)
  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【沿革】
    • [7]1985年2月 売上・受発注情報のオンライン化を開始
    • [8]1986年12月 国立市にピッキングシステムの物流センターを開設
    • [9]1991年11月 全店舗にPOSレジを導入
    • [10]1985〜1991年の6年間にシステム・物流投資を実施(1985/2 オンライン化〜1991/11 全店POS)

1994年店頭登録時の事業基盤 ── 売上279億円・資本金26億円

1994年8月19日、サンドラッグは日本証券業協会に株式[11]を店頭登録し、資本金は26億8百万円となった[12]。創業から37年、株式会社化から14年を経ての公開だった。この間、サンドラッグはチェーン展開と物流・POS投資を並行して進め、店舗運営のコスト構造を業界平均より低い水準に持ち込んでいた。店頭登録は資本市場からの調達手段を得る制度的な意味を持ち、続く全国展開と物流網拡大の資金源となった。

  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【沿革】
    • [11]1994年8月19日 日本証券業協会に株式を店頭登録(店頭公開)
    • [12]店頭登録時 資本金26億8百万円

創業者の多田氏は店頭登録と同じ1994年に社長を退き、後任には専務だった才津達郎氏が昇格した[13]。創業期から店頭登録までの37年は、創業家による経営の延長線上で進められた時代で、業態は東京近郊のドラッグストアチェーンに限定されていた。次の段階で必要だったのは、関東以外への展開と、医薬品以外の領域(食品・日用品の比率拡大、ディスカウントストア業態への進出)である。1994年8月の店頭登録と同年の社長交代が重なったことで、続く20年の高度成長を支える事業基盤と経営体制の引き継ぎが完了した。創業者の多田氏は2001年に逝去し[14]、創業期の経営判断を直接知る人物は経営から退いた。創業家との関係は、多田直樹氏・多田高志氏を取締役として残す形で継続した[15]

  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【役員の状況】
    • [13]1994年 多田幸正が社長を退き才津達郎が昇格
    • [15]多田直樹・多田高志が取締役として継続(多田直樹は2001年6月に非業務執行取締役、多田高志は2017年6月に取締役就任)
    • [14]多田幸正名誉会長が2001年1月24日に肺がんで逝去(社葬2月28日 築地本願寺・参列約1,100人)
  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【沿革】
    • [11]1994年8月19日 日本証券業協会に株式を店頭登録(店頭公開)
    • [12]店頭登録時 資本金26億8百万円
  • サンドラッグ 有価証券報告書 第62期(2025年3月期)【役員の状況】
    • [13]1994年 多田幸正が社長を退き才津達郎が昇格
    • [15]多田直樹・多田高志が取締役として継続(多田直樹は2001年6月に非業務執行取締役、多田高志は2017年6月に取締役就任)
    • [14]多田幸正名誉会長が2001年1月24日に肺がんで逝去(社葬2月28日 築地本願寺・参列約1,100人)

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サンドラッグの沿革1957〜2024年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1957〜1993年世田谷の薬局からチェーン化と店頭登録まで故名誉会長多田幸正氏が「フタバ薬局」を個人開業★★
サンドラッグを設立しチェーン展開を開始★★
有限会社サンドラッグを株式会社に改組し株式会社サンドラッグを設立
郊外型ドラッグストアを開店★★
売上・受発注情報のオンライン化を開始
ピッキングシステムの物流センターを開設
本社を移転
全店舗にPOSレジを導入
1994〜2018年才津達郎社長の20期連続増収増益とダイレックス買収1994年8月19日、日本証券業協会に株式を店頭登録(店頭公開)
才津達郎サンドラッグのローコスト高収益モデルと20期連続増収増益

1994年、創業家以外から初めて社長に就いた才津達郎が、徹底した低コスト運営と教育・業態開発を軸に、住宅地・郊外の高収益ドラッグストアを全国へ広げ、就任からの20期連続増収増益を実現した経営判断。

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★★★
才津達郎タイセーホームエイドを子会社化
才津達郎スーパーマーケットのクイーンズ伊勢丹とフランチャイズ契約を締結
才津達郎栃木県エリアに展開のコミネを子会社化
才津達郎展開している清水ドラック(サンドラッグ東海)とフランチャイズ契約を締結
才津達郎展開のアクトを子会社化
才津達郎首都圏に展開のビーアンドエッチアメミヤを子会社化
才津達郎新潟県・展開している星光堂薬局(フランチャイジー)を子会社化
才津達郎ダイレックス買収による二業態化 ── ドラッグストアとディスカウントストアの二本立てへ

2009年、サンドラッグは九州・中四国でディスカウントストアを展開するダイレックスの全株式を95億円で取得し、完全子会社化した。売上高約2,300億円のドラッグストア専業が、年商900億円近いディスカウントストアを一度に取り込み、都市はドラッグストア、地方は生鮮を含むディスカウントストアという二業態体制へ移った経営判断。

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★★★
才津達郎サンドラッグ・ドリームワークスを設立
才津達郎展開しているサンドラッグ東海(フランチャイジー)を子会社化
赤尾主哉展開しているサンドラッグプラス(フランチャイジー)を子会社化
赤尾主哉アークスとの合弁会社サンドラッグエースを設立
2019〜2025年業界再編下の貞方体制 ── キリン堂提携と売上1兆円目標貞方宏司物流センターを開設
貞方宏司島忠への商品供給を開始
貞方宏司四国地区に展開している大屋(フランチャイジー)を子会社化
貞方宏司BCPE KNIGHT HOLDINGS CAYMAN L.P.と資本提携契約を締結
貞方宏司完全子会社化に踏み込まず、キリン堂と持分法で組む

2024年2月、サンドラッグは関西を地盤とするキリン堂ホールディングスを完全子会社化せず、間接持分33.4%を取得して持分法適用会社にとどめた。大手の大型統合が相次ぐドラッグストア業界で、上位連合の外に立ちながらゆるやかな資本提携で規模と商品力を補う、中堅独立の道を選んだ経営判断。

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★★★
出典・参考

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