スギホールディングスの直近の業績・経営課題と展望

スギホールディングスの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望

2025/2売上高8,780億円YoY+17.9%
2025/2売上総利益2,750億円YoY+20.2%
2025/2販売費及び一般管理費2,325億円YoY+20.9%
2025/2営業利益426億円YoY+16.2%
2025/2経常利益420億円YoY+10.4%
2025/2親会社株主に帰属する当期純利益257億円YoY+16.9%
2025/2自己資本比率50.6%YoY▲9.1pt
2025/2有利子負債合計451億円前年比+44,612億円
2025/2現金同等物期末残高527億円YoY+41%
経営トップ杉浦克典代表取締役社長
2025/2従業員数11,820前年比+3,096人
2025/2平均給与881万円前年比+21万円
歴史的背景1976年12月の創業以来49年、東海ドミナントの密度経営と大型M&Aによる事業領域拡張の両立を続けてきた。創業者・杉浦広一氏が2009年に代表取締役会長兼CEOへ退いた後、非同族の生え抜き役員3名に13年間社長を委ね、2021年5月に長男・杉浦克典氏へ承継した中継ぎ型の同族継承を採った。
経営課題FY24(2025年2月期)に大型M&AのI&H株式会社(北陸の調剤薬局チェーン)の完全子会社化を完遂し、調剤事業の売上は前期比+24.9%増。連結従業員数はFY20(2021年2月期)6,710名からFY24(2025年2月期)11,820名へ76.1%増加し、平均勤続年数はFY22(2023年2月期)15.5年からFY23(2024年2月期)7.1年へ希釈化した。M&A後の人材定着と組織統合が、地域包括ケア戦略を支える人的基盤の課題となる。
グループ再編2008年9月の持株会社体制移行以降、スギ薬局・スギメディカルの2事業会社体制を基盤に、2019年9月のHMA(介護)、2023年7月の日本ホスピスHD(在宅医療)、同月のマレーシアALPRO SUGI VENTURE合弁設立、同年12月の薬日本堂(漢方)、2024年9月のI&H(北陸調剤)と、事業領域の縦深化を続ける。
主な投資I&H社の完全子会社化(2025年2月)に伴う統合投資、出店20店舗(FY24実績)、調剤併設率向上のための店舗改装、地域包括ケア戦略の各事業領域(在宅医療・介護・漢方・ホスピス)への継続投資が並行する。

創業者期の東海ドミナント密度経営から二代目体制下の地域包括ケア戦略への転換が、I&H買収で具体化する

1976年12月、薬剤師の杉浦広一氏とその妻・昭子氏が愛知県西尾市でスギ薬局を創業した。1982年3月に株式会社化、東海3県を中心とした小商圏ドミナント出店を1980〜90年代に進め、2000年6月にナスダック・ジャパン市場、2001年8月に東証一部・名証一部へ上場した。2007年3月の株式会社ジャパン買収(関東進出)、2008年9月の持株会社体制移行(商号をスギホールディングスへ変更)、2009年の創業者の代表取締役会長兼CEO就任を経て、創業者期の東海ドミナント戦略と関東拡張・調剤併設の3本柱が確立した。

2021年5月、創業者・杉浦広一氏の長男・杉浦克典氏が代表取締役副社長から代表取締役社長へ昇格した。創業者から二代目への直接承継ではなく、非同族の生え抜き役員3名(米田幸正氏・桝田直氏・榊原栄一氏)に13年間社長を預けたのちの慎重な中継ぎ型の承継であり、ドラッグストア業界の同族企業のなかでも慎重な部類に属する。連結売上はFY20(2021年2月期)6,028億円・営業利益340億円・親会社株主に帰属する当期純利益211億円から、FY24(2025年2月期)8,780億円・営業利益426億円・純利益257億円へ4期で45.6%拡大した。

2024年9月、北陸地方を地盤とする調剤薬局チェーンのI&H株式会社の株式を取得し子会社化、2025年2月に完全子会社化を完遂した。I&H社買収は、2007年のジャパン買収(関東進出)以来17年ぶりの大型M&Aであり、調剤事業の拠点拡大という観点では最大規模の取引である。FY24の連結売上の急伸(前期比+18.0%増)は、I&H社の連結寄与とコロナ後の調剤併設率向上効果が二段重ねで現れた結果である。同時に出店は計20店舗で、M&Aと既存店舗網拡大の併走で店舗網を急速に拡張した。

2023年以降、事業領域拡張のM&Aと業務提携が加速した。2023年7月の日本ホスピスHDとの資本業務提携契約、同月のマレーシアALPRO ALLIANCE社との合弁会社ALPRO SUGI VENTURE設立、同年12月の薬日本堂(漢方)買収、2024年9月のI&H買収と、ドラッグストア・調剤・介護・在宅医療・漢方・ホスピスを1社で抱える地域包括ケア構想の具体化が同時進行する。連結従業員数はFY20(2021年2月期)6,710名からFY24(2025年2月期)11,820名へ76.1%増加し、平均勤続年数はFY22(2023年2月期)15.5年からFY23(2024年2月期)7.1年へ希釈化した。M&A後の人材定着と組織統合は、創業者期に培われた「薬剤師の専門性を活かした地域密着」の伝統を、I&H統合後の連結規模でどう維持するかという経営課題として、二代目・杉浦克典体制の次の問いになっている。

スギホールディングスの業績推移直近10ヵ年・有価証券報告書をもとに作成(XBRLよりデータ取得)

項目単位FY152016/2連結 / JGAAPFY162017/2連結 / JGAAPFY172018/2連結 / JGAAPFY182019/2連結 / JGAAPFY192020/2連結 / JGAAPFY202021/2連結 / JGAAPFY212022/2連結 / JGAAPFY222023/2連結 / JGAAPFY232024/2連結 / JGAAPFY242025/2連結 / JGAAP
損益計算書 (PL)
売上高YoY億円4,149+8.1%4,308+3.8%4,572+6.1%4,887+6.9%5,424+11.0%6,029+11.2%6,255+3.8%6,676+6.7%7,445+11.5%8,780+17.9%
売上原価億円2,9923,1083,2553,4623,7984,2124,3404,6515,1566,030
売上総利益億円1,1571,2001,3161,4231,6221,8161,9152,0252,2882,750
販管費億円9269721,0681,1651,3241,4761,5941,7091,9222,325
営業利益YoY億円231+10.8%228−1.2%248+8.4%258+4.3%298+15.3%340+14.4%321−5.6%317−1.5%366+15.7%426+16.2%
経常利益YoY億円238+8.7%239+0.3%259+8.5%272+5.2%315+15.6%353+12.3%331−6.4%324−2.1%380+17.4%420+10.4%
当期純利益YoY億円146+13.6%149+2.3%164+9.8%179+9.3%208+15.8%211+1.6%194−8.2%190−2.0%220+15.6%257+16.9%
貸借対照表 (BS)
自己資本比率%62.864.563.862.758.258.063.961.559.850.6
有利子負債比率%0.19.1
キャッシュフロー (CF)
営業CF億円13216927622945434072383390369
投資CF億円-90-184-179-224-184-293-239-233-310-333
財務CF億円-25-35-34-139-49-53-53-142-53116
従業員
連結従業員数4,4744,9275,2635,4946,1826,7107,3087,7278,72411,820
単体従業員数3431767586244
平均年収(単体)万円622660729715860881

IR資料直近5ヵ年

決算説明会資料

FY報告資料の種別見所リンク調査時点のURLのため、現在は有効ではない可能性があります
FY25決算説明会2025年2月期通期。調剤事業の伸長が継続(売上+24.9%増)、北陸の調剤薬局子会社I&Hの寄与。出店は計20店舗、M&A含めた店舗網拡大と調剤併設率向上を継続。
FY24決算説明会2024年2月期通期。調剤併設率向上策の継続、ドラッグストア・調剤・訪問看護を統合した「健康管理から看取りまで」の地域包括ケア戦略を推進。

アニュアルレポート / 統合報告書

FY報告資料の種別リンク調査時点のURLのため、現在は有効ではない可能性があります
FY26統合報告書
FY25統合報告書

参考文献・出所

有価証券報告書
スギホールディングス FY25決算説明会資料
スギホールディングス FY26統合報告書