同業を買って順位を確かめる買収は珍しくない。この案件が目を引くのは、すでに2位に2,000戸の差をつけて首位にあった会社が、それでも量を買った点にある。買取再販では、扱った物件の数が値づけと工事範囲の判断に直接はね返る。順位を守るためではなく、判断の精度を上げるために件数を買ったとみると、40億円という金額の意味も変わってくる。同じ理屈が働かない業種で同じ買収をしても、これほど素直に数字へ結びついたかは分からない。
もうひとつ印象に残るのは、買ったものの一部を半年で手放した速さである。多角化で広げた周辺事業を5年かけて畳んだ経験を持つ会社が、買収に付いてきた不動産2社を保有し続けずに売った。買収は事業を足す行為であると同時に、何を足さないかを決める行為でもある——2004年からの拡大と縮小を通ってきた会社が、その順序を取り違えなかったことに、非公開化期間の整理が残した学習がうかがえる。