日本生命が同和火災を選んだ条件は、規模ではなく"ニッセイ保険口座"の顧客に割引を認めるかどうかにあった。自前の商売の仕組みを持つ上位損保に、他社の生保顧客のために価格を下げる理由はない。損保業界12位という順位は、条件を呑める相手を探した結果として付いてきた。
その条件で組んだ結果、増収は生保のチャネルの外へは広がらなかった。須藤秀一郎社長が認めたとおり2001年度は日本生命のチャネルを除けば若干の減収であり、成田空港で2割伸びた海外旅行傷害保険も、名前が変わっただけの伸びだった。正味収入保険料は3,200億円台で止まり、5,000億円には届かないまま2010年の3社統合を迎えた。ただし、合併の進め方に落ち度を求めるのは当たらない。1,200万の契約者を死亡保障で支える販売網に損害保険を重ねる設計である以上、伸びる量は損保側の努力ではなく、その販売網が何を売って成り立っているかで決まる。