北尾吉孝

SBIホールディングス・代表取締役会長兼社長

Kitao Yoshitaka(1951年生まれ)

就任年 1999年
就任時年齢 48歳
現年齢 75歳
在任期間 28年
出自 野村證券株式会社入社
  • ソフトバンクの金融子会社から出発し、一代で独立系の総合金融グループを築いた創業経営者。
    • 1999年に設立、2006年に親会社ソフトバンクから資本独立し、以後四半世紀にわたり代表を務める生え抜きのオーナー経営者
    • 証券・銀行・保険・資産運用・暗号資産をグループに束ね、グループの証券口座は2023年3月に国内初の1,000万口座に到達
    • 連結収益は2000年代半ばの1,000億円台から2024年3月期に約1兆2,000億円規模へ拡大
  • 「第4のメガバンク」構想と新生銀行の取得で、証券発の企業体を銀行業へ広げた。
    • 2019年に島根銀行を皮切りに地方銀行への出資を重ね、大型合併によらない分散型の地銀連合を形成
    • 2021年に新生銀行へTOBを仕掛けて子会社化し、2023年に「SBI新生銀行」として連合の中核銀行に据える
    • 一方で参加地銀の離脱もあり、連合の設計や公的資金の扱いには課題を残す
  • 手数料無料化に踏み込み、ネット証券の収益モデルそのものを組み替えた。
    • 2023年、SBI証券が国内株式売買手数料を恒久的に無料化する「ゼロ革命」を実施
    • 委託手数料という最大級の収益源を手放し、口座という顧客基盤の総合収益化へ転換
    • 新NISA時代の顧客基盤を先取りし、ネット証券最大手の地位を固める狙い
就任前-
直近(FY25)18,966億円
変化-
就任前-
直近(FY25)27.2%
変化-

北尾吉孝の経歴社長就任に至るキャリア

  • 北尾吉孝氏は1974年4月に野村證券へ入社した。同社では事業法人部門でキャリアを重ね、1992年6月に事業法人三部長に就任している
  • 1995年6月にソフトバンクへ入社し、常務取締役に就任した。野村證券で培った金融の知見を生かし、孫正義氏の下でソフトバンクグループの急成長に貢献するとともに、1999年3月にはソフトバンク・ファイナンスの代表取締役を務めた
  • 1999年7月にソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)の代表取締役社長に就任し、以降四半世紀以上にわたり経営を率いている。2003年6月には代表取締役執行役員CEO、2012年6月には代表取締役執行役員社長、2022年7月には代表取締役会長兼社長へと役職を重ね、現在も経営の中枢を担い続けている
所属・役職19742000201020202025╱╱
野村證券
1974入社
1992事業法人三部長
3
ソフトバンク
1995常務取締役
4
1999ソフトバンク・ファイナンス 代表取締役
SBIホールディングス
1999代表取締役社長
4
2003代表取締役執行役員CEO
9
2012代表取締役執行役員社長
10
2022代表取締役会長兼社長
3
年月内容
1974-04野村證券株式会社入社
1978-06英国ケンブリッジ大学(経済学部)卒業
1989-11ワッサースタイン・ペレラ・インターナショナル社(ロンドン)常務取締役
1991-06野村企業情報株式会社取締役
1992-06野村證券株式会社事業法人三部長
1995-06ソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)常務取締役
1999-03ソフトバンク・ファイナンス株式会社(現ソフトバンク株式会社)代表取締役
1999-07SBI代表取締役社長
2000-06ソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)取締役
2001-11ソフトバンク・ファイナンス株式会社(現ソフトバンク株式会社)代表取締役CEO
2003-06SBI代表取締役執行役員CEO
2004-07イー・トレード証券株式会社(現株式会社SBI証券)取締役会長
2005-06SBIベンチャーズ株式会社(現SBIインベストメント株式会社)代表取締役執行役員CEO
2005-10財団法人SBI子ども希望財団(現公益財団法人SBI子ども希望財団)理事(現任)
2006-11社会福祉法人慈徳院理事長(現任)
2007-06SBI VEN HOLDINGS PTE. LTD. 取締役(現任)
2007-12学校法人SBI大学理事長(現任)
2008-04SBIアラプロモ株式会社(現SBIファーマ株式会社)代表取締役執行役員CEO
2008-07SBIリクイディティ・マーケット株式会社取締役会長(現任)
2010-10株式会社SBI証券代表取締役会長(現任)
2011-02SBIジャパンネクスト証券株式会社(現ジャパンネクスト証券株式会社)取締役(現任)
2012-06SBI代表取締役執行役員社長
2012-07モーニングスター株式会社(現SBIグローバルアセットマネジメント株式会社)取締役(現任) / SBI Hong Kong Holdings Co., Limited代表取締役(現任)
2013-05SBIインベストメント株式会社代表取締役執行役員会長
2014-06SBIファイナンシャルサービシーズ株式会社取締役会長 / SBIキャピタルマネジメント株式会社取締役会長
2015-11SBIグローバルアセットマネジメント株式会社(現SBIアセットマネジメントグループ株式会社)代表取締役会長
2016-04SBI ALA Hong Kong Co., Limited(現SBI ALApharma Co., Limited)取締役
2016-06SBIファーマ株式会社代表取締役執行役員社長(現任)
2016-11SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社(現SBI VCトレード株式会社)代表取締役
2017-09慶應義塾大学環境情報学部訪問教授(現任)
2017-10SBIクリプトカレンシーホールディングス株式会社(現SBIデジタルアセットホールディングス株式会社)代表取締役社長
2018-06SBIファイナンシャルサービシーズ株式会社代表取締役会長 / SBI代表取締役社長
2018-07SBIネオファイナンシャルサービシーズ株式会社代表取締役
2019-06SBIグローバルアセットマネジメント株式会社(現SBIアセットマネジメントグループ株式会社)代表取締役社長
2020-06SBIデジタルアセットホールディングス株式会社代表取締役会長
2020-08地方創生パートナーズ株式会社代表取締役社長(現任)
2021-06SBIファイナンシャルサービシーズ株式会社取締役会長(現任)
2022-01SBIキャピタルマネジメント株式会社代表取締役社長(現任)
2022-02SBIインベストメント株式会社代表取締役執行役員会長兼社長(現任)
2022-04一般社団法人日本デジタル空間経済連盟代表理事(現任)
2022-07SBI代表取締役会長兼社長(現任)
2023-06SBIアセットマネジメントグループ株式会社取締役会長(現任)
2023-09SBI ALAファーマ株式会社代表取締役(現任)
2025-05SBIネオメディアホールディングス株式会社代表取締役会長(現任)

業績評価数字をどう読むか

2000年代半ばに1,000億円台だった連結収益は、2024年3月期に約1兆2,000億円規模へと拡大した。証券・銀行・保険・資産運用を一つのグループに束ね、相互に顧客を送り合う構造で規模を伸ばしてきた。ネット証券はグループの証券口座が2023年3月に国内初の1,000万に達し、同年の「ゼロ革命」で国内株式の売買手数料を無料化したのちも口座の獲得を続けている。

もっとも、利益は買収や市場環境に左右されて振れが大きい。2022年3月期は新生銀行の子会社化に伴う一時的な会計上の利益なども寄与し、純利益が大きく膨らんだ年であり、こうした一過性の要素を除いて基調を読む必要がある。銀行・暗号資産・海外といった領域は成長の余地とともに金利・規制・相場の影響を受けやすく、規模の拡大がそのまま安定した収益力を意味するわけではない。

特筆事項退任の経緯・組織再編など

北尾氏は1999年の創業以来、四半世紀にわたり代表を務め、2022年からは代表取締役会長兼社長として会長職と社長職を兼ねる。強い求心力で多角化を進めてきた反面、経営判断が創業者個人に集中する体制であり、後継の枠組みは今後の焦点になる。

事業の拡張は、連続して成功してきたわけではない。2024年には、半導体の国産化をにらんで台湾のPSMCと組み宮城県に工場を建設する構想が、パートナーの撤退で頓挫した「第4のメガバンク」構想でも、2025年に筑邦銀行が連合を離れるなど参加行の出入りがあり、地銀連携の設計はなお流動的である。

経営哲学の面では、中国古典に題材をとった多数の著書で知られ、「顧客中心主義」や「公益は私益につながる」といった理念を掲げてきた。金融とデジタルを掛け合わせ、グループ全体を一つの「企業生態系(エコシステム)」として設計する発想が、SBIの多角化を貫く軸になっている。

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