- 確認できる範囲の社長4名のうち、創業家の日比賢昭氏(FY65〜FY11)と日比祐市氏(FY12)、生え抜きの安田正介氏(FY13〜FY22)まで3名が社内出身で、外部出自は最新の近藤康正氏(FY23〜)1名のみ。長く内部昇格と創業家継承で回してきた指名構造に、直近で外部招聘という別経路が初めて差し込まれている。
- 在任期間の振れ幅が大きい点に特徴がある。日比賢昭氏はFY65から約47年にわたりトップを担い、続く日比祐市氏は1年で交代、安田正介氏は10年を務めた。長期の創業家統治のあとに短期の中継ぎを挟み、再び生え抜き長期に戻すという、安定一辺倒ではない承継のリズムを取ってきた。
- 昇進元の領域は、創業家2名を別とすれば、安田正介氏が社内畑からの昇格、近藤康正氏が三菱商事出身の商社畑という対比になる。卸の現場を内側から知る人物から、外部の事業開発・海外の知見を持ち込む人物へと、トップに求める出自そのものが切り替わった局面である。
- 系譜上の最大の断絶点は、創業家の日比家がトップから外れたFY13の安田正介氏就任、そしてFY23の近藤康正氏就任で出自が完全に社外へ移った点にある。表具師に発する家業の血統経営が生え抜きへ、さらに外部商社人材へと2段階で移った輪郭が、FY単位の交代から読み取れる。