UBE UBEへ改称 祖業セメントの連結除外と、社名の書き換えを揃えた事業構成の転換

更新:

時期 2020年9月
当時の社長 泉原雅人
論点 事業ポートフォリオと商号
何をなぜ決めたか
概要

2022年4月、宇部興産がセメント関連事業をUBE三菱セメントへ承継して持分法適用会社とし連結から外すと同時に、80年使った商号を"宇部興産"から"UBE"へ変更し、東証プライム市場へ移行した経営判断。泉原雅人社長のもとで、市況に振れる総合素材の構造から化学スペシャリティ企業への転換を進めた。

背景

化学・セメント・機械を抱える総合素材企業の利益は地域市況に左右され、国内セメント需要も人口減とインフラ投資の頭打ちで縮小していた。1998年に三菱マテリアルと宇部三菱セメントを設立して以来24年、合弁による部分統合を続けてきた前史があった。

内容

2020年9月に三菱マテリアルとのセメント事業の経営統合方針を決定し、2022年4月にセメント関連事業をUBE三菱セメントへ承継した。建設資材セグメントの2,000億円超が連結から消えた。同月に商号変更と東証プライム移行を実施し、前年10月にはエラストマー事業を分社化した。

含意

石炭の次に主力としたセメントを、100年超の歴史のなかで初めて連結の外に置いた。承継後の2023年3月期は連結売上高4,947億円へ急減し純損失▲70億円を計上した。以後、量産化学品からの撤退と脱炭素を掲げる化学スペシャリティ企業への転換が続いた。

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筆者の見解
筆者の見解

名を捨て、来歴とどう折り合うか

この判断の性格は、セメント承継と商号変更を同じ年に集約した点によく表れている。市況に左右される総合素材の看板を下ろし、化学のスペシャリティへ資源を集中する——効率と選択の論理としては筋が通る選択であっただろう。ただし切り離したのは石炭に次ぐ100年の主力事業であり、承継の初年度は売上の急減と赤字転落を伴った。好調のなかでではなく、需要縮小と市況変動に追われるなかで祖業に手を入れた点に、緊張感がうかがえる。

商号を捨てることは、地域や来歴との結びつきを外形からも薄める選択でもあった。UBEへの改称と量産撤退が、その来歴の延長にある転換なのか、それとも断絶なのか。化学スペシャリティ企業としての姿が数字で確かめられるのは、これからだとみられる。

Yutaka Sugiura, 2026年7月

業績の推移
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参考文献
出典・参考
  • UBE 有価証券報告書【沿革】
  • UBE 有価証券報告書
  • UBE 有価証券報告書(事業等の状況)

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