垂直統合そのものは不動産業で珍しい発想ではない。この判断で目を引くのは順序であった。多くの分譲事業者が土地と建物を先に持ち、売り方を後から工夫するのに対し、オープンハウスは街頭で客をつかまえる仲介の営業網を先に築き、そこへ流す商品を自前化した。売り先の見えている状態で用地を仕入れられるなら、在庫を抱える怖さは薄まる。創業3年半という早い時期に手数料商売を捨てられた背景には、この順序があったと推察される。
もっとも、製販一体は利点だけではない。土地の値下がりも売れ残りも自社の損として返り、建築の人手と資材価格の変動を直接受ける。それでも同社がこの構造を保ち続けたのは、価格の決め方と敷地条件への対応を社外に委ねない限り、狭小地という選んだ土俵で戦えないと考えたからであろう。2018年のホーク・ワン、2023年の三栄建築設計と、供給力を外から買い足す判断が重なったあとも、買った会社をどう自社の製販一体へつなぐかが繰り返し検討されてきた点に、2001年の選択の重さがうかがえる。