この転換の芯は、売れているものから撤退して、あえて作る側へ転じた点にある。わけあり特産品ECは開設当初こそ注目を集め、売上も立っていた。それでも木下勝寿社長は、真似のできる事業は長く続かないという一点を重く見て、仕入れて売る手軽さを捨て、自社で企画開発する重さを引き受けた。2007年のカイテキオリゴ発売は、目先の売上より、模倣されない優位を築けるかどうかを優先した判断であったとみられる。
もっとも、この転換がただちに大きな果実を生んだわけではない。撤退を終えた2011年2月期の単体売上高はなお7.39億円にとどまり、上場時に扱う商品は5点にすぎなかった。規模の小ささを、単品ごとに独自性を高める密度で補うという型は、その後に続く製品を一つずつ当てて初めて厚みを得ていく。祖業から撤退して作る側へ転じた選択の意味は、目先の売上を捨てた時点ではなく、模倣されない製品を積み上げる実行の積み重ねのなかで、後から確かめられていったといえる。