1年強で4,000件、自社の個人保険新規契約件数の5.5%を1社の代理店から受け取った時点で、この販売は会社が確かめられる範囲を超えていた。全国展開の代理店を持たなかった日本興亜生命が組んだ相手は、48店舗を構える中古車販売業者であった。研修を3度重ね、最終通告まで出したという説明が事実だとしても、その間も契約は積み上がり続けている。借りられるのは売る力であって、売り方を確かめる力ではなかった。
ただ、これを日本興亜1社の管理不行き届きに帰すと、2年後に自社の支払漏れで業務改善命令をふたたび受け、3年後に損保26社が31万8,000件の支払い漏れを抱えていた事実の説明がつかない。加入時の審査を置かず、代理店網を広げて大量に売り、事故時の査定で支払いを抑える。この収益の作り方を続ける限り、売る側の管理も払う側の管理も後回しになりやすい。12日間という過去最長の停止を受けたのは日本興亜1社だが、3年後に31万8,000件の支払い漏れを抱えたのは損保26社であった。