第1章 年〜年

幻冬舎:見城徹らの幻冬舎設立とジャスダック上場

幻冬舎の同時多品目刊行から店頭登録へ

1993年〜角川書店を出た6名と単行本6作品の同時刊行

1993年11月、角川書店の取締役編集部長だった見城徹氏ほか5名が同社を退社し、東京都新宿区三栄町18番7号に資本金10百万円で幻冬舎を設立した。設立時の株式は見城氏と取締役副社長に就任した棚網基己氏ほか9名への第三者割当で発行され、発行価格は1株50千円だった。書籍事業への参入は設立の4か月後、1994年3月の単行本6作品の同時刊行だった。設立から5年余りを経た1999年3月期の売上高は5,839百万円、従業員は34名で、出版社としては小さな規模にとどまっていた。印刷設備も倉庫も持たない会社が角川書店から持ち出せたのは、著者との関係と企画を立てる力だけだった。

  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「沿革」
    • [1]平成5年11月、現代表取締役社長見城徹他5名が株式会社角川書店を退社し、東京都新宿区三栄町18番7号に資本金10百万円にて当社を設立
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「株式等の状況」
    • [2]有償第三者割当(発行価格50千円・資本組入額50千円)の割当先は見城徹、棚網基己等9名
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [3]平成6年3月、単行本6作品を皮切りに書籍事業に参入
  • 幻冬舎 有価証券報告書 第6期(1999年3月期・単体)
    • [4]1999年3月期の売上高5,839百万円、経常利益1,011百万円、当期純利益532百万円、従業員34名(単体)

1994年3月、幻冬舎は単行本6作品を一度に刊行して書籍事業へ参入した。設立から4か月での参入で、6名の会社が選んだのは少数の本で様子を見る出し方ではなく、同じ日にまとまった点数を書店へ並べる出し方だった。同じ入り方は1997年4月の文庫本62作品、2006年11月の新書17作品でも繰り返されている。幻冬舎が営業の基本方針として掲げたのは、他社にはない独創的な企画、徹底したパブリシティー戦略、書店データを駆使した効率的な販売戦略の3つだった。刊行の前に話題を作ることを営業の中核に据え、映画製作やテレビ番組化、ビデオ作品化を前提にした書籍づくりを進めていた。

  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「沿革」
    • [5]平成6年3月、単行本6作品を皮切りに書籍事業に参入
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [6]平成5年11月の設立から平成6年3月の書籍事業参入まで4か月
    • [7]平成9年4月に文庫本62作品を皮切りに文庫本分野に参入、平成18年11月に新書17作品を皮切りに新書分野に参入
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「業績等の概要」
    • [8]営業基本3方針は、1.他社にはない独創的な企画、2.徹底したパブリシティー戦略、3.書店データを駆使した効率的な販売戦略
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「事業の内容」
    • [9]蓄積したコンテンツの有効活用とパブリシティー効果による書籍販売の促進を目的として、映画製作やテレビ番組化、ビデオ作品化、キャラクター商品化等、メディアミックスを強く意識した書籍づくりを推進

設立の翌年から、幻冬舎は編集以外の機能を本体の外へ出す会社を相次いで作った。1994年7月に広告・経理業務のアウトソーシングを目的として有限会社幻冬舎インターナショナルを、1995年2月には営業業務のアウトソーシングを目的として有限会社幻冬舎ブックスを、いずれも100%出資子会社として設立している。本社は1994年9月に東京都新宿区四谷一丁目22番6号へ移った。外へ出した機能は6年を経て戻り、2000年8月に幻冬舎ブックスを、同年11月に幻冬舎インターナショナルを吸収合併した。2002年11月末の連結従業員は43名、うち書籍事業に属したのは24名で、年に200点を超える刊行を支えるには小さい陣容だった。

  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「沿革」
    • [10]平成6年7月に有限会社幻冬舎インターナショナル、平成7年2月に有限会社幻冬舎ブックスを100%出資子会社として設立
    • [12]平成6年9月、本社を東京都新宿区四谷一丁目22番6号に移転
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [11]幻冬舎インターナショナルは広告・経理業務のアウトソーシング、幻冬舎ブックスは営業業務のアウトソーシングを目的として設立
    • [13]平成12年8月に有限会社幻冬舎ブックスを吸収合併、平成12年11月に有限会社幻冬舎インターナショナルを吸収合併
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「従業員の状況」
    • [14]平成14年11月30日現在の連結従業員数43名(書籍事業24名、コミックス事業3名、全社共通16名)、提出会社40名・平均年齢34.0歳・平均勤続5.4年
参考文献[1]-[14]
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「沿革」
    • [1]平成5年11月、現代表取締役社長見城徹他5名が株式会社角川書店を退社し、東京都新宿区三栄町18番7号に資本金10百万円にて当社を設立
    • [5]平成6年3月、単行本6作品を皮切りに書籍事業に参入
    • [10]平成6年7月に有限会社幻冬舎インターナショナル、平成7年2月に有限会社幻冬舎ブックスを100%出資子会社として設立
    • [12]平成6年9月、本社を東京都新宿区四谷一丁目22番6号に移転
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「株式等の状況」
    • [2]有償第三者割当(発行価格50千円・資本組入額50千円)の割当先は見城徹、棚網基己等9名
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [3]平成6年3月、単行本6作品を皮切りに書籍事業に参入
    • [6]平成5年11月の設立から平成6年3月の書籍事業参入まで4か月
    • [7]平成9年4月に文庫本62作品を皮切りに文庫本分野に参入、平成18年11月に新書17作品を皮切りに新書分野に参入
    • [11]幻冬舎インターナショナルは広告・経理業務のアウトソーシング、幻冬舎ブックスは営業業務のアウトソーシングを目的として設立
    • [13]平成12年8月に有限会社幻冬舎ブックスを吸収合併、平成12年11月に有限会社幻冬舎インターナショナルを吸収合併
  • 幻冬舎 有価証券報告書 第6期(1999年3月期・単体)
    • [4]1999年3月期の売上高5,839百万円、経常利益1,011百万円、当期純利益532百万円、従業員34名(単体)
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「業績等の概要」
    • [8]営業基本3方針は、1.他社にはない独創的な企画、2.徹底したパブリシティー戦略、3.書店データを駆使した効率的な販売戦略
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「事業の内容」
    • [9]蓄積したコンテンツの有効活用とパブリシティー効果による書籍販売の促進を目的として、映画製作やテレビ番組化、ビデオ作品化、キャラクター商品化等、メディアミックスを強く意識した書籍づくりを推進
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「従業員の状況」
    • [14]平成14年11月30日現在の連結従業員数43名(書籍事業24名、コミックス事業3名、全社共通16名)、提出会社40名・平均年齢34.0歳・平均勤続5.4年

1997年〜委託販売と取次集中のもとでの文庫62作品

1997年4月、幻冬舎は文庫本62作品を一度に刊行して文庫本分野へ参入した。文庫は単行本として出した原稿を数年後に安い装丁で出し直す商品であり、設立から3年半で同じ作品から二度目の代金を得る経路が加わった。2002年3月期には文庫本123作品を刊行し、同名映画とのメディアミックスが効いた「大河の一滴」が単行本の発売から3年にわたるロングセラーとなって、当期だけで63万部、累計150万部に達した。同じ期の単行本は128作品で、語学関連の企画本が115万部を売っている。文庫への参入から半年後の1997年9月には、本社を東京都渋谷区千駄ケ谷四丁目9番7号へ移した。

  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「沿革」
    • [15]平成9年4月、文庫本62作品を皮切りに文庫本分野に参入
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「事業の内容」
    • [16]書籍事業の主な事業内容は単行本及び文庫本の発行、販売並びに企業機関誌の編集受託業務
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「業績等の概要」
    • [17]2002年3月期、文庫本は123作品を刊行。「大河の一滴」は当連結会計年度63万部・累計150万部で、同名映画とのメディアミックスにより単行本発売以来3年にわたるロングセラーとなった
    • [18]2002年3月期、単行本は合計128作品を刊行。「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」は115万部の売上
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [19]平成9年9月、本社を東京都渋谷区千駄ケ谷四丁目9番7号に移転

幻冬舎が出版物のほとんどに用いたのは、配本後の約定期間内に限って書店からの返品を受け入れる委託販売制度だった。返品による損失に備え、出版物に係る売上債権の残高に一定期間の返品率と売買利益率を乗じた額を返品調整引当金として計上している。書店で定価販売が行われるのは、出版物が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第23条の4により再販売価格維持制度の認められる特定品目に当たるためで、値引きによる在庫処分という手段は初めから閉ざされていた。刷った部数が売れるかどうかは配本の段階でほぼ決まり、返品の動向がそのまま経営成績に表れる構造にあった。営業の基本方針に書店データを駆使した販売戦略が並んだのは、この条件への対処だった。

  • 幻冬舎 有価証券報告書 第13期(2006年3月期)【事業等のリスク】
    • [20]出版業界の慣行に従い、出版物のほとんどについては配本後、約定期間(委託期間)内に限り返品を受け入れることを販売条件とする委託販売制度を採用
    • [22]制作・販売している出版物は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第23条の4の規定により再販売価格維持制度が認められる特定品目に該当し、書店では定価販売が行われている
    • [23]返品の動向は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がある
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「重要な会計方針」
    • [21]返品による損失に備えるため、出版物に係る売上債権の残高に一定期間の返品率及び売買利益率を乗じた額を返品調整引当金として計上

幻冬舎の本が書店へ届く経路は、取次会社2社にほぼ集約されていた。2002年3月期の販売実績は、株式会社トーハン向けが41.2%、日本出版販売株式会社向けが40.0%を占め、2社で売上の8割を超えている。どの書店へ何冊を送るかは取次の配本に委ねられるため、幻冬舎は書店データシステムを更新して配本パターンの効率化を進めた。2002年9月中間期の書籍事業が営業利益1,608百万円を上げたのは、返品率が前期比7.1%改善したことが大きい。2005年3月期にはトーハンが29.4%、日本出版販売が31.7%となり、2社への集中は6割台まで下がっている。

  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「生産、受注及び販売の状況」
    • [24]主な相手先別の販売実績は株式会社トーハンと日本出版販売株式会社の2社のみが記載されている
    • [25]2002年3月期の相手先別販売実績は、株式会社トーハン2,995,277千円(41.2%)、日本出版販売株式会社2,902,952千円(40.0%)
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「業績等の概要」
    • [26]書店データシステムを更新し、配本パターンの効率化を実現
    • [27]2002年9月中間期の書籍事業は売上高4,673百万円、営業利益1,608百万円。返品率が前期比7.1%改善したことが寄与した
  • 幻冬舎 有価証券報告書 第13期(2006年3月期)【生産、受注及び販売の状況】
    • [28]2005年3月期(前連結会計年度)の相手先別販売実績は、株式会社トーハン3,499,238千円(29.4%)、日本出版販売株式会社3,763,675千円(31.7%)
参考文献[15]-[28]
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「沿革」
    • [15]平成9年4月、文庫本62作品を皮切りに文庫本分野に参入
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「事業の内容」
    • [16]書籍事業の主な事業内容は単行本及び文庫本の発行、販売並びに企業機関誌の編集受託業務
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「業績等の概要」
    • [17]2002年3月期、文庫本は123作品を刊行。「大河の一滴」は当連結会計年度63万部・累計150万部で、同名映画とのメディアミックスにより単行本発売以来3年にわたるロングセラーとなった
    • [18]2002年3月期、単行本は合計128作品を刊行。「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」は115万部の売上
    • [26]書店データシステムを更新し、配本パターンの効率化を実現
    • [27]2002年9月中間期の書籍事業は売上高4,673百万円、営業利益1,608百万円。返品率が前期比7.1%改善したことが寄与した
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [19]平成9年9月、本社を東京都渋谷区千駄ケ谷四丁目9番7号に移転
  • 幻冬舎 有価証券報告書 第13期(2006年3月期)【事業等のリスク】
    • [20]出版業界の慣行に従い、出版物のほとんどについては配本後、約定期間(委託期間)内に限り返品を受け入れることを販売条件とする委託販売制度を採用
    • [22]制作・販売している出版物は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第23条の4の規定により再販売価格維持制度が認められる特定品目に該当し、書店では定価販売が行われている
    • [23]返品の動向は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性がある
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「重要な会計方針」
    • [21]返品による損失に備えるため、出版物に係る売上債権の残高に一定期間の返品率及び売買利益率を乗じた額を返品調整引当金として計上
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「生産、受注及び販売の状況」
    • [24]主な相手先別の販売実績は株式会社トーハンと日本出版販売株式会社の2社のみが記載されている
    • [25]2002年3月期の相手先別販売実績は、株式会社トーハン2,995,277千円(41.2%)、日本出版販売株式会社2,902,952千円(40.0%)
  • 幻冬舎 有価証券報告書 第13期(2006年3月期)【生産、受注及び販売の状況】
    • [28]2005年3月期(前連結会計年度)の相手先別販売実績は、株式会社トーハン3,499,238千円(29.4%)、日本出版販売株式会社3,763,675千円(31.7%)

2001年〜資本の集中とコミックス参入、店頭登録から上場へ

株式の公開へ向かう直前、幻冬舎は創業メンバーの離脱に直面した。2001年10月22日、取締役副社長で第2位の大株主だった棚網基己氏が、自ら営む事業の経営を理由に取締役を辞任し、保有する720株のうち600株、発行済株式総数の30%に当たる株式の売却を申し出た。第3位の大株主だった中里幸途氏からも20株の売却の申し出があったが、当時の株価は1株1,000千円と試算され、総額6億円を超える譲渡先は見つからなかった。幻冬舎は2002年1月16日付で620株すべてを自己株式として取得した。安定株主を失って見城徹氏の持株比率が下がる見通しとなったため、同年3月28日に発行した第6回無担保社債の新株引受権証券は全額が見城氏へ譲渡された。

  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「その他の事項について」
    • [29]当社創業メンバーの一人であり、第2位の大株主かつ取締役副社長であった棚網基己が平成13年10月22日付をもって取締役を辞任した
    • [30]棚網基己は保有する720株のうち600株(発行済株式総数の30%相当数)を売却したい旨を申し出た
    • [31]第3位の大株主であった中里幸途からも保有64株のうち20株の売却の申し出があったが、当時の株価は1株当たり1,000千円と試算され、取得金額は総額6億円以上を要するため適当な譲渡先が見当たらなかった
    • [32]平成14年1月16日付をもって、当社が620株(発行済株式総数の31%相当数)をすべて自己株式として取得した
    • [33]経営権の安定確保並びに企業防衛等の観点から、平成14年3月28日に発行した第6回無担保社債(新株引受権付)の新株引受権証券を同日付ですべて見城徹に譲渡した

2001年10月、幻冬舎は株式会社幻冬舎コミックスを設立し、同年12月に株式会社ソニー・マガジンズから雑誌の商標権を譲り受けてコミックス事業へ進出した。月刊誌「コミックバーズ」などの定期刊行誌に連載した作品を一定期間分まとめて単行本にすることを事業の基本とし、編集と制作は幻冬舎コミックスが担い、販売は幻冬舎が受託した。事業開始から半年の2002年3月期のコミックス事業は売上高311百万円、営業利益51百万円で、連結売上高7,263百万円の4%にとどまった。2003年1月に日本証券業協会へ株式を店頭登録し、2004年12月には店頭登録を取り消してジャスダック証券取引所へ上場している。設立から11年、単体で従業員40名の会社が株式市場へ出た。

  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [34]平成13年10月に株式会社幻冬舎コミックスを設立、平成13年12月に同社が株式会社ソニー・マガジンズより雑誌の商標権を譲受けコミックス事業に進出
    • [37]平成15年1月に日本証券業協会に株式を店頭登録、平成16年12月に店頭登録を取消しジャスダック証券取引所に株式を上場
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「事業の内容」
    • [35]「コミックバーズ」(月刊誌)等の定期刊行誌の販売と、それらに連載されているコミックを一定期間分まとめて単行本化して販売することを事業の基本とし、編集及び制作は株式会社幻冬舎コミックスが行い、当社は同社より販売業務を受託している
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「業績等の概要」
    • [36]2002年3月期のコミックス事業は営業活動始期が平成13年10月で6か月間の業績。売上高311百万円、営業利益51百万円。連結売上高は7,263百万円
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「従業員の状況」
    • [38]平成14年11月30日現在の提出会社の従業員数40名

公開の年に、幻冬舎は出資先の破綻で1年分の利益に近い額を失った。2004年3月期、子会社だった株式会社日本スポーツビジョンが民事再生手続開始の申立てを行い、同社に対する出資金に係る損失999百万円を特別損失に計上した。売上高は10,160百万円と前期比19.6%増だったが、連結当期純利益は136百万円、前期比89.1%減まで減少している。幻冬舎は2003年9月から11月にかけてウィッシュインターナショナル、アンファー、ホロンの3社を子会社にしたが、いずれも2004年12月から2005年6月までに株式を手放した。店頭登録の翌年に出版の外へ向けた資金は、2年を待たずに引き上げられた。

  • 幻冬舎 訂正有価証券報告書 第11期(2004年3月期)【業績等の概要】
    • [39]2003年3月期の連結当期純利益は1,251百万円、2004年3月期の特別損失999百万円
    • [40]子会社である株式会社日本スポーツビジョンが民事再生手続開始の申立てを行ったことにともない、同社に対する出資金に係る損失999百万円を特別損失として計上
    • [41]2004年3月期の連結売上高10,160百万円(前連結会計年度比19.6%増)、訂正後の連結当期純利益136百万円(同89.1%減)
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [42]平成15年9月にウィッシュインターナショナル、10月にアンファー、11月に株式会社ホロンを子会社化。平成16年12月にウィッシュインターナショナル、平成17年2月にアンファー、平成17年6月にホロンの株式を譲渡
参考文献[29]-[42]
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「その他の事項について」
    • [29]当社創業メンバーの一人であり、第2位の大株主かつ取締役副社長であった棚網基己が平成13年10月22日付をもって取締役を辞任した
    • [30]棚網基己は保有する720株のうち600株(発行済株式総数の30%相当数)を売却したい旨を申し出た
    • [31]第3位の大株主であった中里幸途からも保有64株のうち20株の売却の申し出があったが、当時の株価は1株当たり1,000千円と試算され、取得金額は総額6億円以上を要するため適当な譲渡先が見当たらなかった
    • [32]平成14年1月16日付をもって、当社が620株(発行済株式総数の31%相当数)をすべて自己株式として取得した
    • [33]経営権の安定確保並びに企業防衛等の観点から、平成14年3月28日に発行した第6回無担保社債(新株引受権付)の新株引受権証券を同日付ですべて見城徹に譲渡した
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
    • [34]平成13年10月に株式会社幻冬舎コミックスを設立、平成13年12月に同社が株式会社ソニー・マガジンズより雑誌の商標権を譲受けコミックス事業に進出
    • [37]平成15年1月に日本証券業協会に株式を店頭登録、平成16年12月に店頭登録を取消しジャスダック証券取引所に株式を上場
    • [42]平成15年9月にウィッシュインターナショナル、10月にアンファー、11月に株式会社ホロンを子会社化。平成16年12月にウィッシュインターナショナル、平成17年2月にアンファー、平成17年6月にホロンの株式を譲渡
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「事業の内容」
    • [35]「コミックバーズ」(月刊誌)等の定期刊行誌の販売と、それらに連載されているコミックを一定期間分まとめて単行本化して販売することを事業の基本とし、編集及び制作は株式会社幻冬舎コミックスが行い、当社は同社より販売業務を受託している
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「業績等の概要」
    • [36]2002年3月期のコミックス事業は営業活動始期が平成13年10月で6か月間の業績。売上高311百万円、営業利益51百万円。連結売上高は7,263百万円
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「従業員の状況」
    • [38]平成14年11月30日現在の提出会社の従業員数40名
  • 幻冬舎 訂正有価証券報告書 第11期(2004年3月期)【業績等の概要】
    • [39]2003年3月期の連結当期純利益は1,251百万円、2004年3月期の特別損失999百万円
    • [40]子会社である株式会社日本スポーツビジョンが民事再生手続開始の申立てを行ったことにともない、同社に対する出資金に係る損失999百万円を特別損失として計上
    • [41]2004年3月期の連結売上高10,160百万円(前連結会計年度比19.6%増)、訂正後の連結当期純利益136百万円(同89.1%減)

筆者考察

幻冬舎の設立は、出版社を始めるのに何が要るかをそのまま示している。角川書店を出た6名が持ち込んだ資本は10百万円で、印刷機も倉庫も持たなかった。手元にあったのは著者との関係と企画を立てる力だけであり、設立から4か月後の1994年3月には単行本6作品を同じ日に書店へ並べている。少数の本で様子を見る出し方を採らなかったのは、取次を経由する流通で書店の棚を得るには点数がものを言うからである。同じ入り方は1997年4月の文庫本62作品、2006年11月の新書17作品でも繰り返された。分野を変えるたびにまとめて出すことが、この会社の参入の作法になった。

株式公開へ向かう過程で幻冬舎が解いたのは、資本をどう見城徹氏へ集めるかという問題だった。2001年10月に取締役副社長の棚網基己氏が退任し、発行済株式の30%が売りに出たとき、1株1,000千円という試算では総額6億円を超え、適当な譲渡先は見つからなかった。会社はその620株を自己株式として取得し、翌年3月に発行した新株引受権証券をすべて見城氏へ譲っている。安定株主を欠いたまま公開に踏み切れば、何を出すかという編集の判断そのものが外から動く。2003年1月の店頭登録と2004年12月のジャスダック上場は、その備えを済ませたうえでの公開だった。もっとも公開の年には出資先の破綻で999百万円を失っている。

幻冬舎の連結売上高 店頭登録の前年から上場の年まで(百万円)

7,264 第9期 8,494 第10期 10,160 第11期
  • 連結。有価証券報告書の主要な経営指標等の推移による。連結財務諸表の作成は2002年3月期から。

1993年〜2004年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益経常利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 利益率 億円
1993年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1994年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1995年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1996年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1997年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1998年 n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1999年03月期 単体 58 n/a n/a 10 17.3% 5 n/a
2000年10月期 単体 60 +4.1% n/a 14 23.4% 6 n/a
2001年03月期 単体 17 ▲70.7% n/a 1 6.6% 0 n/a
2002年03月期 連結 72 +307.6% n/a 14 20.0% 7 n/a
2003年03月期 連結 84 +16.9% n/a 24 28.4% 12 n/a
2004年03月期 連結 101 +19.6% 17 18 18.6% 1 n/a

出所:有価証券報告書

出典・参考

13件
出典・参考
  • 幻冬舎 有価証券報告書 第6期(1999年3月期・単体)
  • 幻冬舎 訂正有価証券報告書 第11期(2004年3月期)【業績等の概要】
  • 幻冬舎 有価証券報告書 第13期(2006年3月期)【事業等のリスク】
  • 幻冬舎 有価証券報告書 第13期(2006年3月期)【生産、受注及び販売の状況】
  • 幻冬舎 有価証券報告書【沿革】(2010年3月期)
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「沿革」
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「株式等の状況」
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「業績等の概要」
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「事業の内容」
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「従業員の状況」
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「重要な会計方針」
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「生産、受注及び販売の状況」
  • 幻冬舎 新株式発行並びに株式売出届出目論見書(2002年12月)「その他の事項について」

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