帝国繊維:近江麻糸紡織の設立と3社合併による日本製麻の発足
1884年〜亜麻の工業化と日本製麻・北海道製麻の2社への集約
帝国繊維の起点は、1884年に滋賀県大津で設立された近江麻糸紡織にある。原料の亜麻は、明治初年に北海道開拓長官の黒田清隆氏がロシア産の種子を入れ、屯田兵の手で試験的に植えたのが栽培の起こりという。近江麻糸紡織は1886年に大津へ製麻工場を建て、亜麻を糸と布に仕上げる工業の最初の担い手となった。1887年には札幌で北海道製麻が設立され、亜麻の産地である北海道にも紡織の拠点が立った。北海道製麻は1906年に十勝の幕別へ原料工場を設け、亜麻茎の処理を産地で担った。栽培地がほぼ北海道に限られる原料を、大津と札幌の2つの拠点が別々に加工する構図が、のちの合併の前提になったとみられる。
- 帝国繊維公式サイト「当社のあゆみ」(2016年5月時点)
- [1]近江麻糸紡織は1884年(明治17年)に大津で設立された
- [4]北海道製麻は1887年(明治20年)に札幌で設立された
- 会社銀行八十年史(東洋経済新報社、1955年)2篇 日本会社史「製麻」
- [2]亜麻は明治初年に北海道開拓長官黒田清隆がロシアから種子を取り寄せ屯田兵に試作させたのが始まりで、1955年時点でも栽培はほぼ北海道に限られていた
- [3]亜麻の工業化は、帝国製麻の前身である近江麻絲紡織が1886年(明治19年)に滋賀県大津に製麻工場を建設したときに始まる
- 会社銀行八十年史(東洋経済新報社、1955年)「中央繊維」の項
- [5]幕別の亜麻工場は1906年(明治39年)に北海道製麻が創設した。亜麻工場は十勝・釧路・根室方面に集中していた
近江麻糸紡織に続き、1888年に栃木県鹿沼で下野麻紡織が、1896年に日本繊糸が設立された。日清戦争と日露戦争の後の反動不況のなかで、製麻会社は合併を重ね、日本製麻と北海道製麻の2社への集約が進んだ。日本製麻は1903年、近江麻糸紡織・下野麻紡織・日本繊糸の3社の合併で発足した。同じ1903年、日本製麻は大阪工場で国産初となる消防用麻ホースの製造を始め、麻の用途を消防の資材へ広げた。大津の工場も同年に日本製麻大津工場となり、帆布と太糸の生産を担う拠点として後代へ引き継がれた。業界の草分けである2社が並び立ったまま不況を迎えたことが、1907年の両社の統合を促したのだろう。
- 帝国繊維公式サイト「当社のあゆみ」(2016年5月時点)
- [6]1888年(明治21年)に下野麻紡織(のちに下野製麻)が鹿沼に、1896年(明治29年)に日本繊糸(のちに大阪麻糸)が設立された
- [9]1903年(明治36年)、日本製麻大阪工場で国産初の消防用麻ホースの製造を開始した
- 会社銀行八十年史(東洋経済新報社、1955年)2篇 日本会社史「製麻」
- [7]明治年間に創立された製麻会社は、日清・日露両戦役の反動不況期に合併して日本製麻と北海道製麻の2社となった
- [8]日本製麻は1903年(明治36年)に、近江麻絲紡織・下野麻紡織・日本繊絲の3社が合併して生まれた。日本製麻と北海道製麻は当時の業界の二大勢力で、いずれも草分けの会社だった
- 会社銀行八十年史(東洋経済新報社、1955年)「中央繊維」の項
- [10]大津工場は1903年(明治36年)に日本製麻大津工場となり、1907年に帝国製麻大津製糸工場となって帆布と太糸の工場として運転した
参考文献[1]-[10]
- [1]近江麻糸紡織は1884年(明治17年)に大津で設立された
- [4]北海道製麻は1887年(明治20年)に札幌で設立された
- [6]1888年(明治21年)に下野麻紡織(のちに下野製麻)が鹿沼に、1896年(明治29年)に日本繊糸(のちに大阪麻糸)が設立された
- [9]1903年(明治36年)、日本製麻大阪工場で国産初の消防用麻ホースの製造を開始した
- 会社銀行八十年史(東洋経済新報社、1955年)2篇 日本会社史「製麻」
- [2]亜麻は明治初年に北海道開拓長官黒田清隆がロシアから種子を取り寄せ屯田兵に試作させたのが始まりで、1955年時点でも栽培はほぼ北海道に限られていた
- [3]亜麻の工業化は、帝国製麻の前身である近江麻絲紡織が1886年(明治19年)に滋賀県大津に製麻工場を建設したときに始まる
- [7]明治年間に創立された製麻会社は、日清・日露両戦役の反動不況期に合併して日本製麻と北海道製麻の2社となった
- [8]日本製麻は1903年(明治36年)に、近江麻絲紡織・下野麻紡織・日本繊絲の3社が合併して生まれた。日本製麻と北海道製麻は当時の業界の二大勢力で、いずれも草分けの会社だった
- 会社銀行八十年史(東洋経済新報社、1955年)「中央繊維」の項
- [5]幕別の亜麻工場は1906年(明治39年)に北海道製麻が創設した。亜麻工場は十勝・釧路・根室方面に集中していた
- [10]大津工場は1903年(明治36年)に日本製麻大津工場となり、1907年に帝国製麻大津製糸工場となって帆布と太糸の工場として運転した
出典・参考
3件
- 帝国繊維公式サイト「当社のあゆみ」(2016年5月時点)
- 会社銀行八十年史(東洋経済新報社、1955年)2篇 日本会社史「製麻」
- 会社銀行八十年史(東洋経済新報社、1955年)「中央繊維」の項