カルビー の歴史

更新: Author:

創業 1949年
創業者 松尾孝
創業地 広島県広島市
創業
1949年4月、原爆投下から4年後の広島市で、松尾孝氏が松尾糧食工業所を法人へ改組し松尾糧食工業を設立した。1955年5月には、カルシウムの『カル』とビタミンB1の『ビー』を組み合わせたカルビー製菓へ改称している。同じ年、米国から安く大量に輸入されていた小麦粉が米とほとんど同じ成分であることに着目し、日本初の小麦あられ『かっぱあられ』を作った。1964年1月には瀬戸内海の小えびを殻ごと練り込んだ『かっぱえびせん』を発売し、首都圏の問屋網に乗る定番となる。ただし全国の流通網は自社になく、1968年4月の宇都宮工場が動くまで生産拠点は広島の一か所だけであった。1973年12月には商号から『製菓』を外し、カルビーへ改めている。
決断
主原料を変えるために、農家と契約する会社を先に作った。1975年9月、茨城県下妻市の下妻工場の稼働と同時にポテトチップスを発売し、主原料を輸入小麦から国産のじゃがいもへ移している。輸入小麦と違い、生鮮のじゃがいもは調達も保管もきかない。1980年10月、北海道帯広市に原料調達を内製化するカルビーポテトを設立し、栽培契約と品種の管理を担わせた。原料の前提が入れ替わったことで工場の置き方も変わり、1976年から1986年にかけて滋賀・各務原・広島西と、産地と消費地の双方へ短時間で処理できる工場が並ぶ。1990年4月には物流のスナックフード・サービスを設立し、2020年4月にはさつまいものポテトかいつかを子会社化した。畑から棚までを自社の内側へ入れた設計は、原料の作柄をそのまま業績へ通す構造も同時に作った。
現況
売上は過去最高を更新したが、利益率は10年前を下回る。2026年3月期の連結売上高は3,402億円、営業利益は262億円で、営業利益率は7.7%である。外部から迎えた松本晃氏が収益指標を経営の中心に据えた2016年3月期は、売上2,461億円に対し営業利益281億円で11.4%あった。差を作っているのは原材料と包材の値上がりで、2024年3月期には包材16億円・食油6億円・国内ばれいしょ4億円・動力費8億円の増加を見込み、価格改定による94億円の増益効果を織り込んでいる。2017年8月にはフルグラを越境ECと現地専用工場で中国市場へ持ち込んだ。地域別の売上は日本2,515億円に対し海外886億円で、連結の26%にあたる。2025年1月には創業の地の広島でせとうち広島工場が稼働し、100億円規模の生産能力を積み増した。
競合
株式を持つ相手と、棚を争う相手が重なっている。2009年7月、カルビーはカーライルとペプシコを迎えて資本業務提携を結び、ペプシコが発行済み株式の20%を取得する一方で、カルビーはペプシコ日本法人のジャパンフリトレーの全株式を取得した。2011年3月の東証一部上場の直後、株主は創業家系の一般社団法人幹の会が22.06%、ペプシコ傘下のフリトレー・グローバル・インベストメンツが20.99%という構成である。国内のスナックではポテトチップスで競う湖池屋などと棚を分けあうが、順位は動いていない。一方で海外は2026年3月期に886億円と連結の26%にとどまり、うち北米は276億円である。国内では棚の順位が動かない一方、資本を受け入れた相手の本拠地では、まだ量を獲得できていない。
カルビー:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2009年3月期2026年3月期
カルビーにおける経営の転換点(その1) Q なぜ広島の小さな菓子メーカーだったカルビーが1964年に全国ブランドへ届いたのか
A 全国流通網を持たない広島の地方メーカーが大手と同じ土俵で戦っても勝てず、新しい菓子カテゴリで足場を築くしかなかったためである。1949年に松尾孝氏が被爆4年後の広島で松尾糧食工業を設立し、1955年には安く大量に輸入されていた小麦粉から日本初の小麦あられ『かっぱあられ』を作った。1964年発売の『かっぱえびせん』はエビを練り込んだ新カテゴリのスナックで、定番商品として首都圏の問屋網に乗り、広島の地方メーカーが全国ブランドを擁する量産メーカーへと位置を変えた
カルビーにおける経営の転換点(その2) Q なぜ1973年に主原料を小麦からじゃがいもへ切り替えたのか
A じゃがいもは小麦と異なりほぼ全量を国内産で調達する必要があり、調達網を自社で組まない限り量産できなかったためである。1973年に主原料を芋へ切り替えたカルビーは、1980年にカルビーポテトを北海道帯広市に設立し、契約農家との直接取引で原料の品質と数量を確保した。生鮮の芋を短時間で処理する工場を宇都宮から広島まで全国に並べ、原料・生産・物流を自社で束ねた。この垂直統合がポテトチップス市場での寡占と、フルグラ・じゃがりこへの多角化を支えた
カルビーにおける経営の転換点(その3) Q なぜ2009年に創業家経営から外部資本と外部経営者を受け入れたのか
A 少子化で国内市場が伸び悩むなか、長年棚上げしていたペプシコとの提携を決着させ、上場で成長資金を得る決断が必要だったためである。2009年7月、カルビーはカーライル・グループとPepsiCo, Inc.の資本提携を受け入れ、ペプシコ傘下のジャパンフリトレーを子会社化した。同年6月にはジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人を率いた松本晃氏を代表取締役会長兼CEOに招き、就任時に1〜2%だった営業利益率を集中購買と稼働率改善で約10%へ引き上げ、2011年3月の東証一部上場につなげた

API for AI Agents — 認証不要、URLをGETするだけで機械可読なJSONをトークン消費を抑えつつ取得できます。

カルビーの沿革1949〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1949〜1972年米国産の輸入小麦をあられに変え、かっぱえびせんで全国の流通網を掴む松尾糧食工業所を法人に改組し松尾糧食工業を設立
カルビー製菓に商号変更
「かっぱえびせん」発売★★
宇都宮工場操業開始
千歳工場(現北海道工場)操業開始
Calbee America, Inc.を設立
1973〜2008年主原料を小麦から芋へ移し、契約農家と全国の工場を自社に取り込む本社を移転
カルビーに商号変更
宇都宮第2工場操業開始
滋賀工場(現関西びわこ工場)操業開始
Calbee Tanawat Co., Ltd.を設立
主原料を小麦から芋へ移し、カルビーポテト設立で原料調達を内製化した垂直統合

1973年から1980年にかけて、カルビーは主原料を小麦からじゃがいもへ移し、1980年に子会社カルビーポテトを設立して原料調達を自社に取り込んだ。契約農家・自社工場・自社物流を束ねる垂直統合によって、生鮮の国産じゃがいもを量産に足る品質と数量で確保する体制を築いた業態転換であった。

詳細を読む
★★★
各務原工場(現岐阜かかみがはら工場)操業開始
広島西工場(市、現広島はつかいち工場)操業開始
清原工場操業開始。シリアル全国発売
スナックフード・サービスを設立
「フルーツグラノーラ」発売
Calbee Four Seas Co., Ltd.を設立
「じゃがりこ」を発売
綾部工場(現京都工場)操業開始
CFSS Co. Ltd.を設立
カルビーR&DDEセンター(現R&Dセンター)稼動開始
広島工場(市、現広島みやじま工場)操業開始
RDO-CALBEE FOODS,LLC(オレゴン州)を設立
2009〜2017年外部資本と外部経営者を迎え、営業利益率を1.4%から11.4%へ引き上げる伊藤秀二カーライル・ペプシコを迎えた資本業務提携と東証一部上場

2009年、国内スナック菓子首位のカルビーは、米ペプシコとの資本業務提携を受け入れた。ペプシコがカルビー株式の約20%を取得する一方、カルビーはペプシコ日本法人のジャパンフリトレーを完全子会社化した。同年6月には外部出身の松本晃氏を代表取締役会長兼CEOに招き、2011年3月に東証一部へ上場した。創業家松尾家中心のオーナー経営から公開会社への転換を、資本と経営体制の両面で進めた判断であった。

詳細を読む
★★★
伊藤秀二東京証券取引所市場第一部に株式を上場
伊藤秀二PT. Calbee-Wings Foodを設立
伊藤秀二松本晃氏による収益体質の改革——「算数の会社」への作り替え

2009年に外部から会長兼CEOへ迎えられた松本晃氏が、国内スナック菓子で首位に立ちながら営業利益率が1〜2%台と低かったカルビーを、コスト・リダクションとイノベーションの2つを軸に『儲かる体質』へ作り替えた経営判断である。就任翌年度に6%台であった連結営業利益率は、2016年3月期に11.4%(営業利益281億円)へ達した。

詳細を読む
★★★
伊藤秀二Calbee North America, LLCを子会社化
伊藤秀二フルグラによる中国市場への再進出と、越境EC・現地専用工場の展開

2017年8月、カルビーは中国向けに生産した北海道工場のシリアル食品『フルグラ』を、中国の越境EC『天猫国際』で販売し始めた。国内で育て直したフルグラを、巨大な人口を抱える中国市場に持ち込み、国内スナックの成長の限界を海外で埋めようとした経営判断。

詳細を読む
★★★
2018〜2025年生え抜き社長の単独体制を経て、伊藤忠出身の社長が海外を広げる伊藤秀二Seabrook Crisps Limited(ウェスト・ヨークシャー州)を子会社化★★
伊藤秀二Calbee(UK)LtdがSeabrook Crisps Limitedを統合
伊藤秀二ポテトかいつかを子会社化
伊藤秀二Greenday Global Co., Ltd.を子会社化
江原信せとうち広島工場 操業開始
出典・参考
  • カルビー 有価証券報告書【沿革】
  • カルビー 公式サイト 会社の歴史(https://www.calbee.co.jp/corporate/history/company.php)
  • カルビー 公式サイト カルビーのDNA「一人・一研究〜かっぱえびせん誕生物語〜」(https://www.calbee.co.jp/rd/dna/)

免責事項およびポリシー