決断
まだ買い手のいない価格帯へ商品を置き、需要そのものを作ってきた。電卓は8桁以上の事務用で3万円以上という常識のなか、1972年8月に表示を6桁に限定したカシオミニを12,800円で発売し、学生から主婦までを買い手にした。1974年11月にはデジタル電子腕時計カシオトロンで時計事業へ参入し、数える・伝える機能が共通するという理由だけで隣の市場へ移っている。標準品の安さに流れず自社設計の特注LSIを発注する側に回ったことが、1980年の電子楽器カシオトーンと1983年のG-SHOCKを同じ半導体調達力で作れる条件になった。米国の有力各社が電卓から退いた1970年代に、カシオは電卓の量産量をそのまま時計と楽器の原価へ振り向けた。
1974年11月 「カシオトロン」発売
「カシオトロン」発売電卓で蓄えた電子技術を「数える・伝える」機能が共通する腕時計へ応用し、電卓一本足に次ぐ収益源をつくった技術発の新規事業同じ経営論点に直面した企業 | 新規事業・多角化業績の推移1973 1974 1979 売上高(億円) 182 342 809 経常利益率(%) 12.6 9.1 7.5 1972年8月 電卓「カシオミニ」発売
電卓「カシオミニ」発売事務用の高級機という電卓の常識を、機能を限定した1万円台の個人向け商品で崩し、家庭という新しい需要層を自ら開拓した価格戦略同じ経営論点に直面した企業 | 新規事業・多角化業績の推移1971 1972 1977 売上高(億円) 105 123 545 経常利益率(%) 10.5 10.6 4.4 1957年6月 計算機「14-A」の商品化
1946年4月 三鷹の町工場で創業