この判断の核心は、投資の妥当性を数字だけで測れない場面で、福田泰久氏がどこまで自らの確信を貫いたかにある。年間予算の3倍という規模も、133名の地権者を一件ずつ回るという労力も、通常の経営判断であれば見送る理由になり得る条件であった。それでも取締役会を説得し切ったのは、現場で鍛えられた経営観からくる確信の強さがあったためと推察される。
もっとも、この投資の意味が際立ったのは開設直後ではなく、2016年の教習所指定や、今日の"物流の2024年問題"という新しい文脈が生まれてからであった。1988年の時点で人手不足の長期化を正確に見通していたと断定はできないが、結果として30年越しに時代の要請と噛み合った点に、この先行投資の重みがうかがえる。