筆者の見解
拡大の10年から収益化の10年へ
古川弘成氏の10年は、独立系商社という後ろ盾のない立場を、弱みではなく機動力に変えた期間として振り返ることができる。"そ・こ・か"戦略が特別な発明ではなく、即納・小口・加工という古くからの現場機能の再編集であった点はむしろ注目に値する。すでにある強みを組み替え、"M&A+A"という型に落とし込んで反復可能にしたことが、6,000社・88社という数字を生んだ要因と思われる。
2022年4月、古川氏は相談役に退き、中川洋一氏へ経営を承継した。中川氏が示した"3階建て経営"という新方針は、古川氏が積み上げた供給網を収益化する段階への移行を示している。取引先と子会社を広げる拡大の10年が終わり、それをどう稼ぐ力に変えるかという次の10年が始まっていると言える。
Yutaka Sugiura, 2026年7月