エバ・チェン氏が社長就任(2004年・トレンドマイクロの決断)

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論点 創業者からの承継をどう果たすか
トレンドマイクロ:業績の推移
売上高(億円)当期純利益率(%)
創業者チャン・ミンジャンからの社長兼CEO職の引き継ぎ

何をなぜ決めたか:創業者チャン・ミンジャンからの社長兼CEO職の引き継ぎ

概要

2004年11月4日の取締役会で代表取締役の異動を決め、2005年1月1日付で取締役グループCTOのエバ・チェン(陳怡芬)氏が代表取締役社長兼CEOに、代表取締役社長兼CEOのチャン・ミンジャン氏が代表取締役会長に就いた。チェン氏はチャン氏の配偶者の妹にあたる。

背景

チャン氏は1988年12月に米Trend Micro Inc.の社長となり、1997年3月から日本のトレンドマイクロの代表取締役社長を務めていた。トレンドマイクロは1996年度に台湾Trend Micro Incorporatedの株主から同社と関係会社の株式を買い取ってグループの親会社となり、1998年8月に店頭登録、1999年7月に米国預託証券をNASDAQに上場、2000年8月に東証一部に上場した。

内容

会社の開示は交代の理由を、チャン氏が会長としてコンシューマ/SOHOビジネス部門を率いて事業拡大に努め、チェン氏はエンドユーザ層に合わせてグループ組織を編成し直し、その特性に合った製品とサービスを開発・提供していくため、と記した。台湾出身のチェン氏は1988年5月に台湾Trend Micro Incorporatedに入社し、米国法人の業務執行役員、日本の取締役技術開発部門統括責任者を経て、2002年3月から取締役グループCTOを務めていた。

含意

交代した2005年12月期の連結売上高は730億円で、2023年12月期には2,486億円となった。2025年12月期の有価証券報告書でも、チェン氏は代表取締役社長、チャン氏は代表取締役会長に名を連ねている。

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考察:創業者は会長に残り、社長職を技術の責任者へ
考察

考察:創業者は会長に残り、社長職を技術の責任者へ

この交代は、創業期から社長を務めた人物が退くのではなく、代表取締役会長として個人向け事業の長に残る形をとった。開示が新社長に求めたのは、顧客層に合わせて組織を組み直し、製品とサービスをその特性に合わせることであり、技術開発を率いてきたCTOにその役が回った。創業者と後継者が役割を分けて並び立つ体制は、2025年12月期の有価証券報告書でも両氏が代表取締役に並ぶまで続いている。

後継に就いたのは、台湾法人への入社から15年を超えて、米国法人の役員と日本の取締役を兼ねて技術開発を率いてきた人物であった。台湾、米国、日本の三つの拠点を経た経歴を持つ技術の責任者に社長職を渡した点に、各国の法人を束ねて日本に親会社を置くという同社の成り立ちが映っている。

Yutaka Sugiura, 2026年7月
参考文献

参考文献

参考
  • トレンドマイクロ「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2004年11月4日)
  • トレンドマイクロ 有価証券報告書 第37期(2025年12月期)【沿革】
  • トレンドマイクロ 有価証券報告書 第17期(2005年12月期)【主要な経営指標等の推移】
  • トレンドマイクロ 有価証券報告書 第35期(2023年12月期)【主要な経営指標等の推移】
  • トレンドマイクロ 有価証券報告書 第37期(2025年12月期)【役員の状況】
  • トレンドマイクロ 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」
  • トレンドマイクロ 有価証券報告書「第17期(2005年12月期)【役員の状況】」
  • トレンドマイクロ 有価証券報告書「第37期(2025年12月期)【沿革】【役員の状況】」

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