決断
同業が漁労から退いたあとも漁船へ資本を集中し、転換に二十年を要した。1983年9月、広島県因島で大型トロール船"越前丸"(2800総トン)が進水する。総工費は約30億円で、漁場が半減してもなお漁労へ資本を集中し、1980年以降の新造は4隻・約120億円にのぼった。当時の売上構成は自社漁労16%・商事54%・加工29%でありながら、利益のほとんどが漁労部門から出ていたためである。締め出しは想定より早く進み、1990年3月期に上場以来初の経常赤字2億6000万円を出してトロール船を14隻から8隻へ減らした。売る側へ回ったのは2001年8月で、米国首位の冷凍水産ブランドを1億7500万米ドルで取得している。もっとも取得したブランドはのれんとして積み上がり、2009年3月期の純損失162億円という別の脆さを持ち込んだ。
2022年4月 ニッスイへ商号変更
業績の推移2021 2022 2026 売上高(億円) 6,150 6,936 9,313 営業利益率(%) 2.9 3.9 4.3 2001年8月 米ゴートンズ買収
業績の推移2000 2001 2006 売上高(億円) 4,722 4,637 5,396 純利益率(%) 1.1 0.6 1.2 1983年9月 越前丸へ集中投資
越前丸へ集中投資200カイリ規制で遠洋漁場を失う市場激変に対し、脱漁労ではなく漁労部門の強化へ資本を集中させ、相対優位の維持を優先した資本配分の判断同じ経営論点に直面した企業 | 経営計画・中期戦略業績の推移1982 1983 1985 売上高(億円) 4,296 4,844 4,843 純利益率(%) 0.5 0.5 0.6