Umios の歴史

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創業 2007年 マルハグループ本社とニチロの経営統合でマルハニチロホールディングスが発足。母体は1880年創業のマルハと1907年創業のニチロ
母体 マルハ+ニチロ
創業
2007年10月、マルハグループ本社がニチロを株式交換で完全子会社化し、自らはマルハニチロホールディングスへ商号を改めた。母体は二つある。一つは1880年、中部幾次郎氏が明石の活魚を大阪の雑喉場へ届ける鮮魚仲買運搬の家業を継いで始めたマルハ。もう一つは1907年に新潟の堤商会から興り、日魯漁業として北洋漁業と水産加工の基盤を築いたニチロである。二つの水産史を一つの会社にしたのは、マルハの水産資源調達力とニチロの商品開発力を一社に載せるためだった。ただし発足の時点で束ねたのは資本であり、傘下には旧2社系の事業会社が並んだままだった。
決断
一貫しているのは、獲る側の比重を下げ、育てる側と売る側へ資本を移す設計である。統合から3年後の2010年には、民間企業として初めてクロマグロの完全養殖に成功している。2013年末には子会社アクリフーズの工場で農薬混入事件が起き、翌2014年4月、失った信頼の回復を最優先に据え、グループ中核6社を合併して純粋持株会社体制を改めた。子会社に委ねていた品質管理と労務を一法人の内側へ引き取ったことが、以後の構造改革の前提になる。近年も操業効率の改善と一部事業の撤退、北米の生産拠点の統合を進め、獲る規模を絞って採算に乗せている。
現況
いまの収益の柱は、魚を獲る事業ではなく、仕入れた食材を売る事業である。2026年3月期は連結売上高1兆1,059億円・営業利益312億円。報告セグメントは水産資源・食材流通・加工食品の3つで、外部売上・利益とも食材流通が7,699億円・158億円と最も大きく、加工食品が1,858億円・101億円、漁業と養殖を抱える水産資源は1,294億円・24億円にとどまる(残る208億円は物流・不動産等)。稼ぎ手は魚市場の卸から業務用食材、畜産・農産までを束ねた商流であり、自ら獲って育てる事業が返す利益は全体の1割に満たない。
競合
同じ水産大手でも、資源から離れるか握り続けるかで道が分かれた。ニッスイは2022年に社名から『日本水産』を外し、漁労に依存した低収益体質から食品と養殖の二翼へ会社の性格を組み替えた。北米でも2001年に米国首位の冷凍食品ブランドを買って、原料の供給者ではなく店頭の商品を持つ側へ回った。Umiosも2026年3月に社名をマルハニチロから改めたが、外したのは旧2社の名であって資源ではない。アラスカのスケソウダラと国内の養殖場という原料の入口を自ら握り、それを冷凍食品・練り製品・ペットフードや業務用食材として売り切るところまでを一社で抱えている。
Umios:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2012年3月期2026年3月期
Q 2007年のマルハとニチロの経営統合は、何を作り、何を課題として残したのか
A 2007年10月、マルハグループ本社はニチロを株式交換により完全子会社化し、自らはマルハニチロホールディングスへ商号を改めた。作ったのは、マルハの水産資源調達力とニチロの商品開発力という二つの強みを一つに載せた総合食品企業の器である。翌2008年4月には旧2社の別ではなく事業の別でグループを組み替え、水産を担うマルハニチロ水産、食品を担うマルハニチロ食品、畜産を担うマルハニチロ畜産の3社を持株会社の下へ並べた。残ったのは、その器を一つの会社として動かす作業だった。事業会社が並ぶ純粋持株会社体制は2014年4月に6社合併で解消され、統合から7年を要してようやく一法人へまとまっている
Q 2013年末のアクリフーズ農薬混入事件のあと、マルハニチロは何を立て直したのか
A 2013年末、子会社アクリフーズの群馬工場で農薬混入事件が起き、会社は顧客・取引先・株主をはじめ広く迷惑と不安をかける事態を招いたと有価証券報告書に記した。最も反省すべきこととして挙げたのは混入そのものではなく、事件発生後にグループ理念から大きく逸脱する対応を行ったことだった。外部有識者による第三者検証委員会が2014年4月30日に中間報告、5月29日に最終報告を出し、会社は同年4月1日に社長直轄の危機管理再構築委員会を設けて、グループガバナンス・食品安全とフードディフェンス・品質保証・危機管理・労務問題の5点を再構築の課題に据えた。製品回収関連費用は2014年3月期に約50億円を特別損失として計上している。同じ2014年4月にグループ中核6社が合併し、純粋持株会社体制から事業持株会社体制へ転換して、子会社の自主に委ねていた管理を一つの法人の内側へ引き取った
Q なぜマルハニチロは養殖と加工へ集中し、2026年にUmiosへ改称したのか
A 天然資源に頼る商売だけでは利益が積み上がらないためである。2010年に民間企業として初めてクロマグロの完全養殖に成功して卵から成魚まで育てる技術を確立し、2015年に商業出荷、2019年には生鮮で日本初となる欧州への出荷を始めた。養殖のクロマグロは約4,300トン、国内シェア23%を占める。2023年3月期には売上高が1兆205億円と経営統合以来初めて1兆円を超え、2025年3月期の営業利益304億円は統合以降で最高となった。そのうえで2026年3月1日、社名をマルハニチロからUmiosへ改めている。同時に始まった中期経営計画『For the ocean, for life 2027』は2027年度に営業利益400億円・ROIC5.0%を掲げ、水産資源セグメントで約90億円の収益改善と、国内加工食品の生産拠点の見直しを進めている

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Umiosの沿革2007〜2026年における主な出来事を抜粋

年月社長・CEO出来事重要度
マルハグループ本社とニチロの経営統合、マルハニチロホールディングスの発足縮む市場と減る資源を前に、五十嵐勇二社長はなぜ水産一位と三位の統合を選んだか 詳細を読む★★★
ニチロを株式交換により完全子会社化★★
マルハグループ本社がマルハニチロHDに商号変更
事業会社のマルハがマルハニチロ水産に商号変更
食品事業をマルハニチロ食品に、畜産事業をマルハニチロ畜産に吸収分割で承継
子会社の神港魚類による中国産ウナギの産地偽装が発覚★★
民間で初めてクロマグロの完全養殖を実現★★
アクリフーズ農薬混入事件への危機対応と、純粋持株会社体制の解消・グループ6社の事業会社マルハニチロへの合併意図的な農薬混入という異常事態に、発足間もない総合食品グループは統制の緩さをどう立て直そうとしたか 詳細を読む★★★
アクリフーズ製品の大規模な自主回収を実施★★
伊藤滋マルハニチロに商号変更
伊藤滋マルハニチロHDなど5社を吸収合併★★
伊藤滋東京証券取引所市場第一部に上場
伊藤滋社名ロゴを刷新
池見賢池見賢氏が社長に就任★★
池見賢北米ピーターパンシーフーズの鮭鱒事業を譲渡し撤退
池見賢中期経営計画「海といのちの未来をつくるMNV2024」を開始
池見賢養殖子会社6社をマルハニチロAQUAとマルハニチロMarineの2社に統合
池見賢プライム市場に移行
池見賢売上高が経営統合以来初めて1兆円を超える★★
池見賢マルハニチロアセットを吸収合併
池見賢Umiosに商号変更
出典・参考
  • マルハニチロ 統合報告書2020
  • マルハニチロ 統合報告書2021
  • マルハニチロ 統合報告書2022
  • マルハニチロ 決算説明会資料 2021年5月27日
  • マルハニチロ 決算説明会資料 2023年5月24日
  • マルハニチロ 決算説明会資料 2024年5月17日
  • マルハニチロ 決算説明会資料 2025年5月15日
  • マルハニチロ 有価証券報告書【沿革】
  • Umios 統合報告書2025
  • マルハニチロ 決算説明会資料 2026年5月15日
  • Umios 2026年3月期決算説明会 質疑応答要旨(2026年5月15日)

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