GA technologiesの歴史

薄利多売かつBSにリスク抱える。一見IT企業だが、売上は不動産販売の営業が主体
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創業経緯
ネット企業を目指すが、創業時は不動産取引が主体
2013
創業経緯
Global GAを設立
【創業者・樋口龍氏について】GA technologiesの創業者である樋口龍(ひぐち・りょう)氏は、プロサッカー選手を目指していた異色の起... 続きを読む
2013
新規事業
宅地建物業取引免許を取得。不動産仲介業に参入
2013年にGlobal GAは「宅地建物業取引免許」を取得し、不動産売買に参入した。ITを活用したビジネスではなく、対面営業(地道な電話営業など)を通じた不動産投資商品の販売業に従事したと推察される。
歴史概要
システム開発を本格化して社名変更
2016
商号をGA Technologiesに変更。中古不動産流通サービス「RENOSY」をリリース
2016年に中古不動産流通サービス「RENOSY」をリリースし、システムを自社開発するIT企業への転身を試み始めた。ただし、売上高の大半は「不動産販売」などの旧来型のビジネスに依存していたと推察される。
2018
株式上場
東証マザーズに株式上場
2018
イタンジ株式会社とリーガル賃貸保証を買収。SaaS領域を強化
2019
新規事業
Modern Standardを約15億円で買収。賃貸ポータルサイトに本格参入
2019年にGA Technologiesは、賃貸ポータルサイトを運営する株式会社モダンスタンダード(2009年創業)の株式67%を約15億... 続きを読む
2021
公募増資により億円調達
2021
事業失敗
業績低迷
RENOSYのソフトウェア資産7億円を減損損失。最終赤字12.6億円に転落
2021年にGAは、ソフトウェア資産について、7億円の減損損失を計上した。どのプロダクトの減損であるかは非開示となっている。 この結果、2021年10月期にGAは12.6億円の最終赤字に転落した。
2022
日経新聞に一面広告を掲載。宅建業法の改正を受けてオンライン事業を強化
2022年にGAは、宅建法の改正による不動産のオンライン取引の解禁を受けて、広告宣伝費を増額した。
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CEOの業績貢献
Report

2013 Global GAを設立

創業経緯

創業者・樋口龍氏について

GA technologiesの創業者である樋口龍(ひぐち・りょう)氏は、プロサッカー選手を目指していた異色の起業家である。小学1年生から24歳になるまでサッカーに打ち込み、佐川急便の社会人サッカーチームに所属して、プロ選手になるチャンスを伺った。

だが、24歳の時にプロサッカー選手になる夢を諦め、2006年にビジネスの世界で勝負することを決めたという。ビジネスという土俵を選んだ理由は、ソフトバンクの創業者である孫正義氏の活躍をみて、ビジネスの世界にもリーダーという存在がいることに気づいたためらしい。

樋口龍氏はコンサルティングファームや外資系金融機関への就職を希望するものの、面接で落ちて入社ができなかったため、最終的にマンション販売会社に営業として就職した。就職後は1秒も無駄にしないという姿勢で仕事に臨み、結果として良好な販売成績をおさめたらしい。

Facebookの上場に触発されてIT分野で起業

樋口龍氏をマンション販売という不動産営業の世界から、テクノロジーの世界に誘ったのが、Facebookの株式上場であった。インターネットを活用したサービスを運営する企業が、時価総額を増大させていく様子を見て、IT業界で勝負することを決めたという。

そして、2013年に現在のGA technologiesを設立して営業マンから起業家に転身し、ITの分野で一旗上げようとした。

エンジニア採用に苦戦した創業期

しかし、樋口龍氏は不動産販売の知識はあったものの、ITに関する知識は全く持ち合わせていなかった。このため、インフラを専門とするエンジニアに、アプリケーションの実装を依頼するなど、数々の失敗を犯したという。創業後1年間はエンジニアの採用に失敗し、事業運営は多難を極めたという。

そこで、樋口龍氏はITの知識を取り込むために、自らプログラミングスクールに通い、コーディングを経験することで、エンジニアとのコミュニケーションを取れるように努力した。この結果、エンジニアとの意思疎通が問題なくできるようになり、事業経営は徐々に好転した。

体育会系の社風は創業者のサッカー経験が影響

GA Technologiesは、社名に「テクノロジー」という文字を掲げているものの、実態は樋口龍氏がスポーツやマンション販売の世界で培ってきた「スポーツマンシップ」の価値観が反映されている。

現在に至るまで、同社はいわゆる「体育会系」の社風が根底に形成されていると推察される。

Report

2019 Modern Standardを約15億円で買収。賃貸ポータルサイトに本格参入

2019年にGA Technologiesは、賃貸ポータルサイトを運営する株式会社モダンスタンダード(2009年創業)の株式67%を約15億円で取得した。同社は東京都心部(特に赤坂・麻布・青山)の高級賃貸を取り扱うwebサイト「Modern Standard(月間100万PV)」を運営しており、Google検索におけるSEO対策によって検索上位に表示される点に特色があった。

GAの樋口社長はGoogle検索における順位の高さに着目し、ModernStandardの創業者である松田啓介氏に接触した。GAでは不動産業務の効率化に関するIT導入は進んでいたが、高額物件向けの賃貸ポータルサイトは運営しておらず、Modern Standardの客層の取り込みを狙って買収提案をした。

一方、松田氏は、Modern Standardの運営において、開発を全て外注に委託しており「スピード感が遅い」「ノウハウが外部流出」するリスクを認識していた。そこで、松田氏はGA Technologiesがエンジニアを擁している点を評価して、Modern Standardの売却を決定した。松田氏としては独立企業としてModern Standardを伸ばす方向性を描いていたため、事業売却にあたって悔しい思いを抱いたという。

SEOが強いサイトを買収するリスク
コメント
SEOが強いサイトを買収するリスク

SEO依存のサイトは、自社に集客の決定権がないので基本的には脆弱である。Googleの検索アルゴリズムのアップデートによって検索順位が落ちる可能性もあり、売上収益の予測はほぼ不可能。