平均年収・従業員数 — 人員と処遇の長期推移 有価証券報告書ベースの連結/単体の年次変化と業界他社の平均給与比較
日本毛織の人員削減と構造改革 発表された削減計画と、有価証券報告書で確認できる実績
| 年月 | 施策 | 発表された計画 | 従業員数の実績 |
|---|---|---|---|
| 石油危機後の人員削減 1974年11月期に14億円の最終赤字、1975年11月期に52億円の経常赤字を計上し、創業以来初の本格的な赤字に沈んだ後の施策である。原油高で合成繊維の原料コストが上がり、円高で輸出採算が悪化し、韓国・台湾勢の追い上げも重なっていた。削減と併せて国内の毛糸・毛織物の生産を縮小している。 日本毛織 有価証券報告書 第195期(2025年11月期)【沿革】 | 700名の人員削減 | — | |
| 中山工場の閉鎖 共立モスリンの買収で戦前に取得し、戦後復興期から稼働してきた主力拠点だった。沼波文雄社長のもとで閉鎖したが、立地が良かったため跡地は売却せず、1988年11月に複合商業施設「ニッケコルトンプラザ」として再開発している。1984年2月には加古川の自社所有地にも「ニッケパークタウン」を開いており、繊維の縮小で空いた土地を長期の賃料収入に変える型がこの時期に固まった。 日本毛織 有価証券報告書 第195期(2025年11月期)【沿革】 | 千葉県市川市の中山工場を閉鎖 | — | |
| 衣料繊維事業の国内外生産体制の再構築 高機能素材の開発体制へ重心を移すため、衣料繊維事業の国内外の生産拠点を組み替えた。2015年11月期と2016年11月期の2期にわたって進み、有価証券報告書は両期の連結従業員数の減少をいずれもこの再構築によるものと注記している。同じ2期は提出会社単体の従業員数も133名減っており、対象の中心は国内の生産現場だった。着手は佐藤光由社長の時期で、2016年1月に交代した富田一弥社長が同年11月に10ヵ年計画「RN130ビジョン」を掲げると、以後は買収による増員が繊維の減少を上回るようになる。 日本毛織 2016年11月期 決算説明会資料(FY17) | 衣料繊維の国内外の工場再編(関連費用約5.7億円を特別損益に計上) | 5,1434,694名 ▲449名連結/2014/11期 → 2016/11期 | |
| 通信・レンタルビデオ子会社2社の株式売却 非効率な事業の撤退と分離を進めるなかで、携帯電話販売代理店のジーシーシー(2003年7月に子会社化)と、レンタルビデオ店・アイスクリーム店のフランチャイズを営むニッケアウデオSAD(2004年3月に関西メディア販売として子会社化)の株式を、長岡豊社長のもとで手放した。有価証券報告書は2023年11月期に連結従業員数が866名減った主な理由を、ニッケアウデオSADが連結の範囲から外れたことだと注記している。店舗を多数抱える2社が連結から抜けたことによる減少であり、雇用が失われたのではなく連結の範囲が変わったものである。 | — | 5,0254,159名 ▲866名連結/2022/11期 → 2023/11期 | |
| 不織布事業の経営統合と工場集約 中国製の安価な不織布が紙おむつ・マスク向けに流入して国内市況が悪化するなか、長岡豊社長は機械用フィルターなどのニッチ領域に絞る方針を取り、姫路のアンビックと伊丹のフジコーに分かれていた生産・開発を一本化した。統合後のエフアンドエイノンウーブンズは2024年11月期に経営統合の効果を出すための工場集約を進め、旧フジコー伊丹工場の跡地は再開発の検討に回っている。ただし同じ期にカンキョーテクノと呉羽テックを連結へ取り込んだため、集約による減少は連結従業員数には表れておらず、実績は付していない。 繊維ニュース(2023年10月16日)「ニッケ/不織布事業会社を経営統合/アンビックとフジコー」 | フジコーの不織布・フェルト事業を会社分割してアンビックへ承継し1社へ統合 | — |
日本毛織と同業他社の平均年収比較 業界横比較・最新有報ベース
同業他社の平均年収(紡績)
各社の有価証券報告書「従業員の状況」より最新掲載値を集計(FY06〜FY25 · 13社)。 カードをクリックするとその企業の業績ページへ移動します。
日本毛織が人数を掲げて削減を発表したのは、石油危機後の1979年7月の700名だけである。以後の縮小は、毛織物の工場を閉じてその跡地を商業施設に変える形と、採算の合わなくなった子会社を売る形で進んだ。1982年の中山工場閉鎖はニッケコルトンプラザに、2015年から2016年の衣料繊維の生産体制再構築は連結449名の減少に、2023年の通信・レンタルビデオ子会社2社の売却は連結866名の減少につながっている。一方で連結従業員数そのものは2001年11月期の2,545名から2025年11月期の4,291名へ増えており、買収による増員が繊維の縮小を上回ってきた社でもある。
発表された削減計画と、有価証券報告書の連結従業員数が実際にどう動いたかを並べた。連結従業員数を遡れるのは2001年11月期までで、それ以前に実施された施策には実績を付していない。実績を付したのは、有価証券報告書の【従業員の状況】が減少理由を単一の要因として注記している2行に限った。2023年11月期の866名の減少は子会社2社が連結の範囲から外れたことによるもので、雇用がその分失われたわけではない。