筆者の見解
20年反復される「受け皿」の型
この2004〜2005年の連続買収の核心は、前年12月期の経常利益がわずか7億円という規模の会社が、単年で160億円規模のTOBに踏み切った点にある。バンテック買収の失敗という原体験を踏まえ、店頭登録と持株会社化で先に買収の体制を整えたうえで実行した買収であり、財務規律だけを見れば無謀にも映る賭けであったともいえる。しかし大企業が本業集中のために売却する物流子会社を一括して引き受ける買い手は、当時の物流業界にほとんど存在しなかった。売り手と買い手の利害がかみ合う隙間を見いだし、そこに参入した点にこの判断の独自性がある。
この型はその後も繰り返された。2018年のリコーロジスティクス、2020年の東芝ロジスティクス、2021年の古河物流、さらに2024年のNSKロジスティックス、2025年のBlackbird Logistics・ブリヂストン物流と、大企業の物流子会社を取り込む買収は今日まで続いている。雪印物流・東急ロジスティックの取得で確立した物流子会社の引受先というポジションが、20年を経てなお同社の成長の主軸であり続けている点は、この2004〜2005年の判断が単発の買収にとどまらない、経営モデルそのものの土台であったことを示している。
Yutaka Sugiura, 2026年7月