三井倉庫ホールディングス の歴史

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創業 1909年
創業者
創業地 東京都
創業
1909年10月、三井銀行倉庫部から分離して東神倉庫株式会社が設立され、本店を東京に、支店を東京・神戸・門司へ置いた。倉庫の多くは商取引や海運貨物の集散から生まれたのに対し、東神倉庫の前身は銀行が貸付の担保として預かる荷物を管理する金融付随の機能である。1917年8月に神戸桟橋会社の海上業務を買収して港湾運送へ広げ、1918年1月には大阪倉庫会社を買収した。1942年3月に三井倉庫へ商号を改め、1944年には日本倉庫統制へ主要施設を供出したのち、1945年に返還を受けて営業を再開している。1950年4月に東京証券取引所へ上場した。
決断
荷主の物流子会社を取得することは、その荷主の浮沈を引き受けることでもあった。自前で拠点を積み上げる拡大に替えて、2011年3月にジェイティービーエアカーゴ、2012年4月には三洋電機ロジスティクスの全株式を取得した。2015年4月にはソニーサプライチェーンソリューションの株式66%を取得している。2014年10月には持株会社へ移行し、倉庫・港湾運送部門を三井倉庫、BPO部門を三井倉庫ビジネストラストとして分社した。しかし取得した子会社が扱う荷は親会社の事業縮小とともに減り、2017年3月期にのれん209億円と物流施設46億円の減損損失を計上して、純損失234億円を出す。会長と社長は引責退任した。荷主の物流を事業ごと引き受ける拡大は、その荷主が縮んだときに減損として戻ってきた。
現況
営業収益の97%を物流が運び、その利益率は8.4%にとどまる。2026年3月期の連結売上高は2,995億円、営業利益221億円、純利益112億円である。物流事業が売上2,920億円・利益245億円、不動産事業が75億円・37億円で、利益合計282億円のうち不動産は13%にすぎない。減損以降の約5年は負債圧縮を優先し、有利子負債は2022年3月期末に940億円と12期ぶりの低水準へ下がった。同年に古賀博文社長が財務再建から成長投資への転換を掲げ、ROE12%超と配当性向30%を目標に置いた。2025年5月には株式を1株につき3株へ分割し、本店を西新橋から日本橋箱崎町へ移している。規模を取得して伸ばす経営から、抱えた資産の利回りを問う経営へ、掲げる指標そのものが替わった。
競合
財閥系の倉庫3社のうち、不動産に寄らなかったのは三井だけである。2026年3月期のセグメント利益に占める不動産の比率は、三菱倉庫が48%、住友倉庫が24%であるのに対し、三井倉庫ホールディングスは13%にとどまる。都心の旧倉庫用地を賃貸オフィスへ入れ替えた三菱倉庫の日本橋ダイヤビルディングに対し、三井倉庫は不動産の売上を75億円に置いたまま、物流の規模を買収で作る道を選んだ。その結末がのれん減損254億円と分社の再統合であり、9年をかけて償却と再編を進めた。現在の物流事業の営業利益率8.4%は、三菱倉庫の物流5.3%、住友倉庫の物流7.3%を上回る。賃料という緩衝を持たなかったことが、物流そのものの採算を上げる以外に選べる道を残さなかった。
三井倉庫ホールディングス:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2006年3月期2026年3月期

創業ストーリー 三井銀行倉庫部からの分離独立と海陸一貫物流への拡張 (1909年〜)

「東神倉庫」として銀行から切り出された保管業の出発点

1909年10月11日、三井銀行倉庫部から『東神倉庫株式会社』として分離独立し、本店を東京に置き、東京・神戸・門司に支店を設けた。銀行が貸付の担保として預かる荷物の保管機能を、独立した倉庫会社へ切り出したのが出発点となる。1913年に横浜派出を開き、1923年には横浜支店へ昇格させた。担保物の保管という金融に紐づいた業務から始まった点は、商取引や海運貨物の集散から生まれた他の倉庫会社とは異なる出自で、預かり資産の確実な管理を本分とする保管業の性格を初期から帯びていた。三井銀行の取引網を介して荷主とつながる立地選びが、主要港湾への拠点配置を後押しした。 [1][2][3]

    • [1]1909年10月11日 三井銀行倉庫部から東神倉庫株式会社として分離独立し、本店を東京に、支店を東京・神戸・門司に設置
    • [2]設立時の社名は「東神倉庫株式会社」(東京と神戸にちなむ。三井の名を冠せず)
  • 三井倉庫ホールディングス 有価証券報告書 第177期(2025年3月期)【沿革】
    • [3]1913年に横浜派出を開設、1923年に横浜支店へ昇格

1917年8月、神戸桟橋会社の海上業務を買収して港湾運送事業へ進出した。船から陸へ貨物を移す荷役と、その先の保管を一社で連続して担う体制を、設立から10年に満たない時期に整えた点が次の拡張の土台となる。1918年1月には大阪倉庫会社を買収して大阪支店として営業を始め、関西最大の商業都市へ足場を築いた。1922年9月に名古屋出張所を設け、1937年に名古屋支店へ昇格させた。横浜・神戸・大阪・名古屋という国内主要港・商業地への拠点展開は、単なる保管の受け皿にとどまらず、港湾荷役と倉庫を組み合わせた複合物流業者としての原型を形づくった。 [4][5][6]

  • 三井倉庫ホールディングス 有価証券報告書 第177期(2025年3月期)【沿革】
    • [4]1917年8月 神戸桟橋会社の海上業務を買収し港湾運送事業へ進出
    • [5]1918年1月 大阪倉庫会社を買収し大阪支店として営業開始
    • [6]1922年9月 名古屋出張所を設置、1937年に名古屋支店へ昇格

1942年3月、社名を『三井倉庫株式会社』と改めた。三井の冠を正式に社名へ組み込み、グループ企業としての位置を対外的に固めた格好となる。しかし1944年、戦時統制下に発足した日本倉庫統制株式会社へ各地の主要施設を供出させられ、事業基盤の多くを失った。1945年に同社から施設と業務の返還を受け、各支店とも営業を再開し、戦前規模への回帰を進めた。1948年7月には大阪に大正運輸を設立し、後の三井倉庫港運へとつながる港湾運送の専門子会社網を築き始めた。戦時統制による縮小と戦後の再建が、近代的物流企業として組み直す契機となった。 [7][8][9][10]

  • 三井倉庫ホールディングス 有価証券報告書 第177期(2025年3月期)【沿革】
    • [7]1942年3月 社名を「三井倉庫株式会社」に改称
    • [8]1944年 戦時統制下の日本倉庫統制株式会社へ各地の主要施設を供出
    • [9]1945年 日本倉庫統制㈱から施設・業務の返還を受け各支店とも営業再開
    • [10]1948年7月 大阪に大正運輸を設立(後の三井倉庫港運。1967年に三井倉庫港運へ改称)
    • [1]1909年10月11日 三井銀行倉庫部から東神倉庫株式会社として分離独立し、本店を東京に、支店を東京・神戸・門司に設置
    • [2]設立時の社名は「東神倉庫株式会社」(東京と神戸にちなむ。三井の名を冠せず)
  • 三井倉庫ホールディングス 有価証券報告書 第177期(2025年3月期)【沿革】
    • [3]1913年に横浜派出を開設、1923年に横浜支店へ昇格
    • [4]1917年8月 神戸桟橋会社の海上業務を買収し港湾運送事業へ進出
    • [5]1918年1月 大阪倉庫会社を買収し大阪支店として営業開始
    • [6]1922年9月 名古屋出張所を設置、1937年に名古屋支店へ昇格
    • [7]1942年3月 社名を「三井倉庫株式会社」に改称
    • [8]1944年 戦時統制下の日本倉庫統制株式会社へ各地の主要施設を供出
    • [9]1945年 日本倉庫統制㈱から施設・業務の返還を受け各支店とも営業再開
    • [10]1948年7月 大阪に大正運輸を設立(後の三井倉庫港運。1967年に三井倉庫港運へ改称)

上場による調達基盤の確保と地方子会社網の形成

1950年4月、東京証券取引所へ株式を上場し、資本市場経由の調達経路を確保した。倉庫・港湾・物流事業を拡大するための資金基盤を、戦後復興の初期に整えた点が以降の事業展開を支えた。同年8月には福井に是則倉庫運輸を設立し、1966年に福井三則倉庫運輸、1992年に株式会社ミツノリへと改称した。1961年3月には北海道釧路に北海三井倉庫を設立し、後の北海三井倉庫ロジスティクスへつながる北海道拠点を置いた。地方の港湾・産業拠点ごとに専門子会社を据える方式で、本体の支店網を補完する形で全国の物流網を広げた。 [11][12][13]

  • 三井倉庫ホールディングス 有価証券報告書 第177期(2025年3月期)【沿革】
    • [11]1950年4月 東京証券取引所へ株式を上場
    • [12]1950年8月 福井に是則倉庫運輸を設立、1966年に福井三則倉庫運輸、1992年に株式会社ミツノリへ改称
    • [13]1961年3月 北海道釧路に北海三井倉庫を設立(後の北海三井倉庫ロジスティクス)

1966年8月、自動車運送取扱業を開始し、倉庫・港湾に陸送を加えた。モータリゼーションの進展に合わせ、保管と内陸輸送を組み合わせるサービスへ踏み込んだ動きとなる。1968年3月には海上コンテナの取扱いと国内でのコンテナ・ターミナル運営を始めた。コンテナリゼーションが国際海運で本格化する勃興期に先んじて参入した点は、後年の国際物流事業の原点となる。1969年4月には貨物自動車運送業の免許を取得し、海上コンテナのトラック輸送を内製化した。船から港、港から内陸まで一貫してコンテナを扱う体制を、1960年代後半の数年で組み上げた。 [14][15][16]

  • 三井倉庫ホールディングス 有価証券報告書 第177期(2025年3月期)【沿革】
    • [14]1966年8月 自動車運送取扱業を開始
    • [15]1968年3月 海上コンテナの取扱いと国内コンテナ・ターミナル運営を開始
    • [16]1969年4月 貨物自動車運送業の免許を取得し海上コンテナのトラック輸送を開始

1977年12月、本店に国際部・プラント部を設置し、国際運送業務を手がけ始めた。それまで個別に扱ってきた海外貨物やプラント設備の輸送を、専門組織のもとで国際複合一貫輸送という戦略事業へ位置づけ直した。海上コンテナへの早期参入で蓄えた輸送ノウハウを、組織として束ね直す段階に入った格好となる。倉庫保管から港湾運送、自動車運送、国際輸送へと領域を広げてきた拡張は、いずれも荷主の貨物を起点から終点まで連続して扱う一貫オペレーションの志向に貫かれていた。物流の多モード化を担う組織の枠組みが、この時期にほぼ出そろった。 [17]

  • 三井倉庫ホールディングス 有価証券報告書 第177期(2025年3月期)【沿革】
    • [17]1977年12月 本店に国際部・プラント部を設置し国際運送業務を本格展開
  • 三井倉庫ホールディングス 有価証券報告書 第177期(2025年3月期)【沿革】
    • [11]1950年4月 東京証券取引所へ株式を上場
    • [12]1950年8月 福井に是則倉庫運輸を設立、1966年に福井三則倉庫運輸、1992年に株式会社ミツノリへ改称
    • [13]1961年3月 北海道釧路に北海三井倉庫を設立(後の北海三井倉庫ロジスティクス)
    • [14]1966年8月 自動車運送取扱業を開始
    • [15]1968年3月 海上コンテナの取扱いと国内コンテナ・ターミナル運営を開始
    • [16]1969年4月 貨物自動車運送業の免許を取得し海上コンテナのトラック輸送を開始
    • [17]1977年12月 本店に国際部・プラント部を設置し国際運送業務を本格展開

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三井倉庫ホールディングスの沿革1913〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1909〜1977年三井銀行倉庫部からの分離独立と海陸一貫物流への拡張横浜派出開業
神戸桟橋会社の海上業務を買収
港湾運送事業に参入★★
大阪倉庫会社を買収し大阪支店として営業開始
名古屋出張所設置
社名を「三井倉庫」に商号変更
戦時体制下に発足した日本倉庫統制に各地の主要施設を供出
日本倉庫統制から供出施設・業務の返還を受け各支店とも営業を再開
大正運輸を設立
東京証券取引所に株式を上場
福井に是則倉庫運輸を設立
北海道釧路に北海三井倉庫を設立
自動車運送取扱業を開始
海上コンテナの取扱いと国内におけるコンテナ・ターミナルの運営を開始★★
貨物自動車運送業の免許取得しコンテナのトラック輸送を開始
本店に国際部・プラント部を設置し国際運送業務を本格展開
1978〜2013年海外進出・航空貨物参入と物流専業としての骨格Mitsui-Soko (Singapore) Pte. Ltd.を設立
原五郎IATA航空貨物代理店資格を取得し航空貨物取扱業務を本格化
原五郎ニューヨークにMitsui-Soko (U.S.A.) Inc.を設立
原五郎ビッグバッグ業務(トランクルーム保管・引越等の非商品対象業務)を開始
原五郎MITSUI-SOKO INTERNATIONAL PTE LTDを設立
原五郎三井倉庫箱崎ビル竣工により不動産賃貸業務を本格展開
原五郎本支店制を廃止し本支社制(本社各部・関東・中部・関西・九州各支社)に移行
椎野公雄九州支社を三井倉庫九州として分社化
田村和男執行役員制度を導入
田村和男BPO事業を本格展開
田村和男本社に3PL推進部を設置し3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)事業を本格展開★★
田村和男自己株式1500万株を消却
田村和男ジェイティービーエアカーゴの全株式を取得し三井倉庫エアカーゴに商号変更★★
田村和男航空貨物・家電系物流子会社の連続取得による事業領域の拡張

三井倉庫は2010年から2012年にかけて、航空貨物と家電メーカー系の物流子会社を相次いで取得した。2010年11月にジェイティービーエアカーゴを47億円で、2012年2月に三洋電機ロジスティクスを242億円で取得し、それぞれ三井倉庫エアカーゴ・三井倉庫ロジスティクスへ改めた。自前で拠点を積む拡大から、荷主基盤ごと事業を取り込む手法へ成長の主力を移した。

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★★★
2014〜2025年持株会社移行・M&A拡大とのれん減損を経た再成長藤岡圭持株会社への移行とソニー系物流子会社の取得、のれん減損254億円と分社の再統合

三井倉庫は2014年10月に持株会社制へ移り、社名を三井倉庫ホールディングスへ改めて主要事業を分社した。前後してソニーの物流子会社などメーカー系子会社の取得を重ねたが、2017年3月期に取得先ののれんと有形固定資産の減損損失254億78百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は234億27百万円に達した。減損を経て分けた事業の一部を再び統合し直した。

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★★★
藤岡圭三井倉庫HDに商号変更★★
藤岡圭ソニーサプライチェーンソリューションの株式66%を取得★★
古賀博文普通株式を1対3の割合で株式を分割
古賀博文本店所在地を移転
出典・参考

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