ジャックス の歴史

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創業 1954年
創業者 伊部政治郎
創業地 北海道函館市
創業
1954年6月、伊部政治郎氏・山根要氏・渡辺達也氏の3名が函館市にデパート信用販売株式会社を設立した。資本金330万円、地元の百貨店である棒二森屋を最初の加盟店に確保し、クーポン式の分割払いから始めている。1957年4月に仙台支店を開設し、1959年7月には百貨店以外の加盟店を開拓するため商号を北日本信用販売へ改めた。1965年6月に個品割賦の取扱を始め、1969年にはソニー商事と業務資本提携を結んでカラーテレビの分割払いを扱う。1973年4月に札幌証券取引所へ上場、1975年8月に本部を函館から東京へ移し、1976年4月に株式会社ジャックスへ商号を変更した。1976年11月に東証第二部、1978年9月に第一部へ指定替えとなっている。
決断
値下げを、規制が変わる前に自分から済ませてきた。1997年2月にリボ払い金利を24.36%から18%へ下げ、1998年2月には業界最低の16.8%まで引き下げている。利息制限法の上限18%を自ら割る水準で、当期は35億円の減収を見込んだが、有利子負債約8,600億円の一部を金利の低いコマーシャルペーパーへ振り替えて相殺した。銀行系クレジットカードへの分割払い解禁を先に織り込んだ判断で、不動産投資の処理に資金を充てていた日本信販とオリコは追随できなかった。2006年12月の改正貸金業法でグレーゾーン金利が消えたとき、過払金返還の負担は限られた。
現況
4カ国に置いた海外拠点の従業員は、国内とほぼ同数である。連結従業員5,532名のうち2,712名がベトナム・インドネシア・フィリピン・カンボジアの現地法人に属し、国内の2,820名と並ぶ。ただし2026年3月期のセグメント別では、国内が営業収益1,704億円・セグメント利益229億円であるのに対し、海外は219億円・24億円の損失で、貸倒関連費用の増加が2期続いた。連結では営業収益1,923億円が3期連続の増収となる一方、経常利益は2024年3月期の331億円から203億円へ2期続けて減っている。2025年3月の中期経営計画『Do next!』は2027年度に営業収益2,045億円・経常利益310億円を掲げ、量から質への転換と資本効率の向上を重点に置いた。
競合
業界の順位を変えたのは商品ではなく、バブル期の不動産投資の有無だった。1980年代後半、首位の日本信販と2位のオリコが不動産投資を膨らませた時期に、ジャックスは自社の資金を不動産で運用しなかった。1994年11月に取得した恵比寿の本部用地が唯一の例外である。2006年12月の改正貸金業法で過払金返還が生じると、日本信販は三菱UFJニコスとして完全子会社化され、個品割賦事業を分社化する。2008年3月、ジャックスは三菱東京UFJ銀行の20%出資を受け入れ、翌4月にはその個品割賦事業を承継した。同じ2008年にアコムが議決権の40%を渡しながら上場を保ったのに対し、ジャックスの三菱UFJ出資比率が40%へ達するまでには17年を要している。独立を長く保てたのは、過払金の負担が軽く、資本を外へ求める必要が生じなかったからである。
ジャックス:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2000年3月期2026年3月期

創業ストーリー 函館発の信販ベンチャーから東京進出と全国化まで (1954年〜)

函館3人組が東京の日本信販を範に始めた百貨店クーポン分割

1954年6月、函館出身の伊部政治郎氏・山根要氏・渡辺達也氏の3名は、東京で先行する日本信販のクーポン式分割払いの成功例を範として、函館市にデパート信用販売株式会社を設立した[1]。資本金は330万円、地元の有力百貨店[2]である棒二森屋を最初の加盟店として確保し、函館市民への分割払いサービスの提供から事業を開始した。地元財界での信用を補強するため函館ドックの元常務を役員に迎え、地方都市の零細信販企業として全国大手の日本信販の事業手法を北海道に持ち込む形で出発した。同社の出発点は、創業者3名が東京の成功事例を北海道で再現する地方ベンチャーであり、信用情報基盤も加盟店ネットワークも持たないなかで、地縁と百貨店の集客力を借りた信用販売事業の試行だった。

  • ジャックス 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1954年6月 函館市にデパート信用販売株式会社を設立
    • [2]設立時資本金は330万円

1957年4月に仙台支店を開設して東北圏へ事業を広げ[3]、1959年7月には商号を北日本信用販売株式会社へ変更した[4]。社名から『デパート』を外したのは、当時施行された百貨店法の制約下で百貨店以外の加盟店開拓を本格化する判断による。函館本店と仙台支店の体制で北海道・東北を地盤に事業の足場を築いた1960年代前半は、東京進出を控えて先発の日本信販との直接競合を避ける棲み分けの時期だった。1965年6月には大手書籍出版販売会社と提携して個品割賦方式(個品あっせん)の取扱を開始し[5]、商品単位での分割払いというクーポン方式とは別系統の信販手法を獲得した。地方都市発の信販企業として全国大手と競合しない領域から事業を組み立てる戦略は、信用情報基盤を持たない後発の生き残り策となった。

  • ジャックス 有価証券報告書【沿革】
    • [3]1957年4月 仙台支店を開設し東北圏へ展開
    • [4]1959年7月 商号を北日本信用販売株式会社へ変更
    • [5]1965年6月 大手書籍出版販売会社と提携し個品割賦方式(個品あっせん)の取扱を開始

1969年、北日本信用販売はソニー製品を販売するソニー商事と業務資本提携を結び[6]、ソニー製カラーテレビの分割払いの取扱を始めた。地方の信販会社がメーカー系商社と直接資本関係を結ぶことで、家電量販ルートでの分割払いに固定的な販売枠を獲得する仕組みである。トヨタや日産といった大手自動車メーカーが自社系列のローン会社を持つなかで、家電メーカーの販売金融事業を肩代わりするポジションを確保し、高額家電の信用販売に特色を持つ会社として業界で知られた。

  • 証券 1976年
    • [6]1969年 ソニー商事と業務資本提携
  • ジャックス 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1954年6月 函館市にデパート信用販売株式会社を設立
    • [2]設立時資本金は330万円
    • [3]1957年4月 仙台支店を開設し東北圏へ展開
    • [4]1959年7月 商号を北日本信用販売株式会社へ変更
    • [5]1965年6月 大手書籍出版販売会社と提携し個品割賦方式(個品あっせん)の取扱を開始
  • 証券 1976年
    • [6]1969年 ソニー商事と業務資本提携

ソニー商事との資本提携で確保した高額家電分割の足場と東京進出

1973年4月に札幌証券取引所に株式を上場し[7]、同年からはオイルショック後の自動車ローン市場に新規参入した。1974年に大手損保と提携して自動車ローン事業を開始し[8]、トヨタ・日産の系列ローン会社と棲み分けるため外国輸入車と中古車に的を絞った加盟店開拓に進んだ。輸入車ディーラーや中古車販売店は系列大手ローン会社の取引対象外であり、北日本信用販売はこの空白に自社の販売金融サービスを送り込む格好で全国展開を始めた。函館発の信販企業が大手と正面衝突を避けながらニッチを拡張する経営手法は、後年のオートローン特化戦略の出発点となり、輸入車向けローンの基盤づくりに関与した経歴は、現社長の村上亮氏の経営方針にも影響を残している[9]

  • ジャックス 有価証券報告書【沿革】
    • [7]1973年4月 札幌証券取引所に株式を上場
  • 証券 1976年
    • [8]1974年 大手損保と提携し自動車ローン事業を開始
  • ジャックス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [9]現社長は村上亮氏

1975年8月に本部機能を函館から東京に移転し[10]、1976年4月に合併によって商号を株式会社ジャックスへ変更した[11]。ジャックスはJapan Consumer Credit Serviceの略称で、北日本という社名から全国規模の信販企業を表す呼称への切り替えである。同年9月、創業者の伊部政治郎氏が病気により社長を退任し、三菱銀行から派遣された河村友三氏が代表取締役社長に就任した。地方発ベンチャーから全国信販企業への変貌と並行して、創業者経営から銀行出身者経営への移行も1976年に進んだ。1976年11月に東証2部、1978[12]年9月に東証1部へ指定替えとなり、上場後の筆頭株主にはソニー商事が9.3%で名を連ね[13]、家電分割払いでの結節点となる資本関係が公開市場に示された。

  • ジャックス 有価証券報告書【沿革】
    • [10]1975年8月 本部機能を函館から東京に移転
    • [11]1976年4月 合併により商号を株式会社ジャックスへ変更(JACCS=Japan Consumer Credit Service)
    • [12]1976年11月 東証2部上場、1978年9月 東証1部へ指定替え
  • ジャックス 有価証券報告書
    • [13]上場後の筆頭株主ソニー商事の持株比率9.3%

1980年に北日本信販を巡る業界順位は売上で2位から4位へ転落したが[14]、ジャックスの経営陣は売上競争への参戦を断った。代わりに同年10月、オーディオ機器メーカーのパイオニアの金融子会社であるパイオニアクレジット株式会社を吸収合併し[15]、高額オーディオ機器の分割払いを取り込んだ。パイオニアクレジットは財務体質の優良な会社で、合併はジャックスの堅実経営を象徴する案件として業界に受け止められた。1989年4月には共同創業者の山根要氏が代表取締役社長に就任し、同月に国際ブランドのジャックスマスターカード・ジャックス[16]VISAカードの発行を始めた。1989年7月、創立35周年を記念して函館市[17]の歴史的景観条例指定建築物である本社社屋を市に寄贈し、本店を函館市若松町へ移転した。地方発の信販企業として函館への帰属意識を残しつつ、本部は東京、決済機能は国際ブランド対応へと事業基盤の刷新が進んだ。

  • ジャックス 有価証券報告書
    • [14]1980年の業界順位は売上2位から4位へ転落
  • ジャックス 有価証券報告書【沿革】
    • [15]1980年10月 パイオニアクレジット株式会社を吸収合併
    • [16]1989年4月 国際ブランドのジャックスマスターカード・ジャックスVISAカードの発行を開始
    • [17]1989年7月 創立35周年記念で函館市の歴史的景観条例指定建築物の本社社屋を市に寄贈
  • ジャックス 有価証券報告書【沿革】
    • [7]1973年4月 札幌証券取引所に株式を上場
    • [10]1975年8月 本部機能を函館から東京に移転
    • [11]1976年4月 合併により商号を株式会社ジャックスへ変更(JACCS=Japan Consumer Credit Service)
    • [12]1976年11月 東証2部上場、1978年9月 東証1部へ指定替え
    • [15]1980年10月 パイオニアクレジット株式会社を吸収合併
    • [16]1989年4月 国際ブランドのジャックスマスターカード・ジャックスVISAカードの発行を開始
    • [17]1989年7月 創立35周年記念で函館市の歴史的景観条例指定建築物の本社社屋を市に寄贈
  • 証券 1976年
    • [8]1974年 大手損保と提携し自動車ローン事業を開始
  • ジャックス 有価証券報告書【役員の状況】
    • [9]現社長は村上亮氏
  • ジャックス 有価証券報告書
    • [13]上場後の筆頭株主ソニー商事の持株比率9.3%
    • [14]1980年の業界順位は売上2位から4位へ転落

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ジャックスの沿革1954〜2024年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1954〜1989年函館発の信販ベンチャーから東京進出と全国化までデパート信用販売を設立
社名を北日本信用販売へ変更
融資保証業務(消費者金融)・損保代理店業務を開始★★
本社を移転
大手書籍出版販売会社と提携し個品割賦方式(個品あっせん)の取扱を開始★★
メーカークレジット会社と提携し個品割賦の保証・集金業務を開始
クーポン・信販小切手に替えてクレジットカード方式を採用★★
損害保険会社との提携により住宅ローン業務を開始★★
札幌証券取引所に株式を上場
合併により社名をジャックス(JACCS CO.,LTD.)とし株式額面を50円に変更
パイオニアクレジットを吸収合併
金融機関と提携しカードローンの保証業務を開始★★
ジェー・ティー・エスを設立
国際カード「ジャックスマスターカード」・「ジャックスVISAカード」の発行を開始
JACCS International(U.S.A.)Inc.を設立
1990〜2009年リボ金利16.8%引下げと不動産非保有が支えた競合倒産期の独立経営ジェーシービーと提携しジャックスJCBカードの発行を開始
ジャックスカーリースを設立
JACCS INTERNATIONAL(SINGAPORE)PTE LTD.を設立
JACCS INTERNATIONAL(Hong Kong)Co., Ltd.を設立
リボ払い金利を業界最低の16.8%へ——利息制限法を自ら割った先回りの値下げ

1997年2月と1998年2月の二度にわたり、ジャックスは主力カードのリボ払い金利を24.36%から18%、さらに16.8%へ引き下げ、利息制限法の上限18%を下回る業界最低の水準に置いた経営判断。小島賢蔵社長が調達コストの低い時期を選び、銀行系カードへの分割払い解禁を先読みして踏み切った。

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★★★
ジャックス債権回収サービスを設立し同年9月にサービサー許可取得
杉本直栄JACCS International(U.S.A.)Inc.を清算
杉本直栄JACCS INTERNATIONAL(SINGAPORE)PTE LTD.を清算
杉本直栄ケー・ジェー・オイルを清算
杉本直栄三菱UFJの系列入り——20%出資の受け入れと、日本信販の個品割賦承継

2008年2月25日、三菱東京UFJ銀行はジャックスの第三者割当増資を全額引き受け、出資比率を4.66%から20.00%へ引き上げて持分法適用関連会社とした。引受は普通株式2,821万株・1株318円のおよそ90億円。翌4月にはジャックスが三菱UFJニコスの個品割賦事業を承継し、業界2位だった日本信販の顧客基盤を引き継いだ。

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★★★
杉本直栄三菱UFJニコスの個品割賦事業を分社化したJNS管理サービスの全株式を取得
2010〜2026年三菱UFJ傘下とASEAN二輪・自動車ローンによる構造再編春野伸治JACCS International Vietnam Finance Co.,Ltd.を設立
板垣康義MMPC Auto Financial Services Corporationを合弁で設立
板垣康義PT Mitra Pinasthika Mustika Financeの株式を追加取得し連結子会社に★★
板垣康義JACCS FINANCE(CAMBODIA)PLC.(現 JACCS MICROFINANCE(CAMBODIA)PLC.)を設立
山﨑徹ジェーシービーの信用保証事業を会社分割(簡易吸収分割)により承継
山﨑徹プライム市場に移行
村上亮JACCS FINANCE(CAMBODIA)PLC.をJACCS MICROFINANCE(CAMBODIA)PLC.に商号変更
村上亮ジャックスリースが三菱オートリースと資本業務提携を締結
村上亮ジャックス・ペイメント・ソリューションズを吸収合併
出典・参考
  • ジャックス 有価証券報告書【沿革】
  • ジャックス 有価証券報告書【役員の状況】
  • ジャックス 有価証券報告書
  • 証券 1976年

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