決断
価格で競えない領域を自分で作り、そこへ資源を配分してきた。銅の相場に採算を握られる電線専業のまま残らず、1973年に光ファイバ母材の製造法を検討し、1976年からは3名でファイバ同士をつなぐ融着接続機の研究を始めた。ケーブルは銅と同じく量産と価格の競争に向かうが、現場でファイバをつなぐ装置は誰も持っていなかった。一方、戦後の主力、電力用電線は2005年に古河電工との折半出資会社ビスキャスへ切り出し、共同運営へ移す。2024年には祖業の導体(銅電線)事業まで分社化した。光ファイバと接続装置は自前で抱え、銅を売る事業は合弁と子会社へ出す。この振り分けが、売上の55%を情報通信が占める事業構成を作った。
2025年 AI・データセンターへ集中
AI・データセンターへ集中薄利の電線大手だったフジクラが、2020年の構造改革で不採算事業を整理したうえで、2025中期経営計画により情報インフラ・情報ストレージ・情報端末の3分野へ資源を配分し、生成AIによるデータセンタ需要を取り込んで高収益企業へ事業構成を組み替えた経営判断同じ経営論点に直面した企業 | 構造改革・リストラ売上高と営業利益率2023 2024 2026 売上高(億円) 8,065 7,998 11,824 営業利益率(%) 8.7 8.7 16.0 2017年6月 監査等委員会設置会社へ移行
取締役会の員数と社外取締役比率2016 2017 2022 取締役会(名) 10 14 11 社外取締役率(%) 10.0 28.6 45.5 2010年5月 光ファイバケーブルの課徴金納付
経緯と対応電力ケーブルの立入調査 2009年1月29日 光ファイバケーブルの立入検査 2009年6月2日 光ファイバケーブルの排除措置命令 2010年5月21日 光ファイバケーブルの課徴金 4,411百万円 2001年 ビスキャスへ事業切出
ビスキャスへ事業切出国内需要が伸びず汎用品の価格下落が続く電力用電線を、競合の古河電工との折半出資会社へ切り出して共同運営に移行し、15年後に国内事業を製品別に振り分けて自社へ引き取った判断同じ経営論点に直面した企業 | 提携・合弁売上高と利益率2016 2017 2022 外部顧客への売上高(億円) 3,641 3,497 3,536 セグメント利益率(%) 4.3 5.8 7.1 1980年 光ファイバ技術に投資
光ファイバ技術に投資銅を素材とする電線の量産で財閥系に規模で劣る立場から、光ファイバという新しい伝送媒体と、その接続に要する装置の技術へ研究資源を集中させ、価格競争から距離のある領域を自社に確保した判断同じ経営論点に直面した企業 | 新規事業・多角化業績の推移1979 1980 1985 売上高(億円) 1,077 1,209 1,623 純利益率(%) 2.7 1.2 1.0 1910年3月 松本留吉の電線部門分離