この再上場を読み解く鍵は、掲げられた目的と実際の資金の流れとのあいだにある距離にある。会社はデジタル事業への先行投資と外部株主の規律を大義として掲げたが、調達した資金の多くは優先株の償還と借入返済という財務の後始末に充てられた。13年前のMBOが長期の構造改革を掲げながら重い借入を残したのと同じく、この再上場もまた、掲げた理念と資本の実務とが必ずしも重ならない場面であったとみられる。
もっとも、再上場を単なる出口とだけ見るのも早計であろう。上場企業として外部の目にさらされ続ける立場に戻ったこと自体が、アパレル一本足からの転換を迫る規律として働いた面は否めない。その後のポートフォリオ最適化と最高益の更新は、再上場時に投げかけられた問いへの遅れてきた回答とも読める。理念と実務のずれを抱えたまま踏み切った判断が、時間の経過のなかでどこまで大義に近づけたのか——その評価は、アパレル以外で稼ぐという当初の目標がどこまで実を結ぶかにかかっていると推察される。