決断
首位を取りすぎないために、増やす先を本業の外へ置いた。国内シェアが60%を超えた1972年、独占禁止法による企業分割論が国会で4年にわたり審議され、麒麟麦酒は拡販を自制してビール外への多角化を選んだ。以後の成長はビールの外に置かれ、1981年12月の第二次多角化方針で医薬事業を始め、1990年4月には腎性貧血治療剤エスポーを発売する。海外では同じ順序をとらず、規模そのものを取得しにいった。2007年から2008年にかけて豪州乳業の首位と2位を相次いで買収し、2011年10月にはブラジル2位のスキンカリオールを傘下に収めている。だが南米は現地経済の低迷と競争激化で採算を確保できず、2017年2月に減損したうえでハイネケンへ譲渡して撤退した。技術で伸ばした医薬が残り、規模で買った海外ビールは残らなかった。
2026年8月 Jamieson Wellnessを買収
2024年6月 ファンケルをTOBで子会社化
のれんと無形資産2023 2024 2025 のれん(億円) 3,906 5,015 5,333 のれん以外の無形資産(億円) -870 1,581 1,613 2020年3月 IFPの株主提案4件の否決
株主提案の条件対象の総会 第181回定時株主総会 提案株主 株主1名 株主提案の議案 第6号議案から第9号議案 第6号議案 自己株式の取得 3億株・6,000億円を上限 2016年 ハイネケンへ売却し撤退
海外その他綜合飲料事業の売上高とセグメント利益率2016 2017 売上高(億円) 1,889 999 セグメント利益率(%) 0.3 13.4 2011年8月 スキンカリオールの買収
のれんと無形固定資産2010 2011 2016 のれん(億円) 5,625 7,137 2,290 のれん以外の無形固定資産(億円) 959 1,025 1,729 2010年 サントリーとの統合破談
売上高と経常利益率2008 2009 2014 売上高(億円) 23,036 22,785 21,958 経常利益率(%) 4.5 6.3 4.3 2008年8月 豪州乳業1位・2位を買収
のれんと無形固定資産2007 2008 2013 のれん(億円) 2,588 3,440 6,495 のれん以外の無形固定資産(億円) 1,281 1,055 1,874 1990年3月 「一番搾り」の投入
1972年8月 キリンシーグラム設立で多角化
キリンシーグラム設立で多角化公取委の監視と独禁法の企業分割論という外部圧力を先取りし、拡販の自制と非ビール分野への進出で成長の領域を転換した判断同じ経営論点に直面した企業 | 新規事業・多角化業績の推移1971 1972 1977 売上高(億円) 3,236 3,748 6,694 経常利益率(%) 4.2 4.9 5.3